<コラム>『全ラ飯』最終話
【以下、しばらくドラマ本編とは関係ない“僕の『全ラ飯』前日談”が続くので、めんどくさい人は飛ばしてください…】
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あれは今年3月の終わりころ。僕に1通の依頼メールが届きました…。
4月から始まる『全ラ飯』という深夜ドラマの試写をお願いできればと思っております。
全12話だそうです。ご検討いただけますでしょうか――(意訳)
僕は、この文面だけで、依頼を受ける受けない云々以前に、すでに興奮してしまいました。なぜならまず、そのキャッチー過ぎるタイトル。“全裸”ではなく“全ラ”。“裸”という字面から想像する無垢、自然、野生…そして何より卑猥がよぎってしまう“裸”という表記ではなく、カタカナの“ラ”。なぜ“ラ”なのか。あえてカタカナにすることでカジュアルに見せたいのか、もしくは“裸”の前に“全”がつくことよって、より卑猥なイメージを持たれてしまうことを避けるため、コンプライアンス対策なのか…。いずれにせよ、その“全ラ”という字面には、僕にさまざまな想像と妄想を増幅させるのに十分でした。
次に“全ラ”のあとに続く“飯”の文字。昨今のグルメドラマブームにあやかりたいのか。いや、あやかると言っても、もう2023年で、グルメドラマは飽和状態だし、ブームも落ち着いてきているわけだから、あえてここへきて異色過ぎるギミックを加え、新鮮味を出そうとしているのか。だとしても“全裸飯”いや、“全ラ飯”…。そこにどんな“勝機”があるというのか。あまりに安直ではないだろうか…。とはいえ、“全ラ”に“飯”がつくというだけで、僕は再び想像と妄想が過剰に膨らんでいきました。
そして、キャッチーで意味深過ぎるタイトルに興奮してしまったのは当然として、そのドラマがなんと「全12話」というお知らせ。『全ラ飯』で全12話。正気とは思えない…。いくら深夜ドラマの30分枠といったって、『全ラ飯』で全12話とは、正気とは思えない。全裸で飯を食う話なんだから、それを12話もかけてやる必要はないだろう。出オチじゃないか。初回に全裸で飯を食ったらもう終わりじゃないか。第2話以降、“全裸”については見せ方が固定で、“飯”パートでのバリエーションだけじゃないか。つまり、結局のところ、出オチじゃないか。あぁ、どうして全12話もやる必要があるのか、正気ではない…。
だけど、だからこそ、興奮してしまう。僕は、こういうドラマにこそ、興奮してしまう!!だから返事は簡単でした。
いい意味でひどそうなドラマなので、
楽しくできそうな気がします!!
よろしくお願いしますー!!
(原文ママ)
改めて見ると、アラフォーの社会人が打つメールとは思えない文面…というのは置いといて、僕と『全ラ飯』の出会いはそこからでした。
それから、公式ホームページにてあらすじを確認し、“全ラ”の“ラ”は裸(ラ)・ラブ・ライフの“ラ”であること。“ボーイズラブ”要素があること。英語表記“Naked Dining”、中国語表記“全裸開動”…どうやら世界配信を目論んでいること。タイトル×全12話דラ”のトリプルミーニング×ボーイズラブ×世界配信…。
あまりに“要素”が多すぎる。“要素”の大渋滞、いや“要素”とかそういうことじゃなく、とにかく“やりすぎている”…。僕は、もう視聴前から、興奮が抑えきれず、見てもいないのに、すでに“心の鼻血”が出ていたのです。
とうとう、ついに、自分の吹き出しまで出ちゃいました!
…っというわけで、やたら長くなってしまいましたが、いつも見終わったあとの“興奮”だけで文字を埋めてしまうので、今回は最後だし、どうせ最終回はさらに興奮して言語化しないまま書き逃げするだろうから(おい!)、今回だけはまじめに(これがまじめ?)、興奮だけじゃないものをと思い、“僕の『全ラ飯』前日談”を、最終回を視聴する前に書いといたわけですが…そんな僕…大・正・解!!!でした。だって、今回の最終回…
ラスト、一条(近藤頌利)と真尋くん(ゆうたろう)の、“全ラ飯”!、いや “ラ”!!、なんで見せへんねん!!!
に尽きますからね!!(そこ?)
そら、急に関西弁にもなりますよ!!!
いやー、僕、個人的に、恋愛ドラマにおける“付き合ったあと”っていうのは、もう“嫉妬”でしかないから、一条が真尋くんにバックハグして「ダメだよ、行かせない…もう捕まえたんだから♡」とかなんとか言って、キュンを誘発しようが何しようが、こちとらもう「あ、そう(=全力嫉妬)」でしかないわけですよ(ひどい!)。
そもそも、前回、もう付き合うってなってたはずなのに、急に海外出張?ってなって「海外に行くことになった」というメッセージ送って以降(この文面もなんなの!)、真尋くんへの連絡一切なし(真尋くんの「ずいぶん突然だね。いつから?」「もう海外なの?」をガン無視)で、その理由が「自分のスマホ、持ってくの忘れちった♡」な一条に猛烈イラっとしちゃってたし、そもそもメッセージに使ってる一条のアイコン(ワニ?)にすらイラっとしちゃってるくらい、一条は、もう恋愛パートにおいては、何もかも“イラ”でしかなく、いや、だけど、この“イラ”は、『東京ラブストーリー』で言うところのカンチであって(わからない人はご両親に聞いてみよう!)、ラブストーリーにおける主人公は大抵イラっとするのが定説で、視聴者が主人公にイラっとすればするほど、恋愛ドラマでは成功ってことで、だけど、こっちは、恋愛ドラマじゃなくて、その先の“ラ”の部分、いや、“裸”の部分に、興味はいっちゃってるわけで、最終回、一条はどんな“裸”を俺たちに届けてくれるのか?ラブとライフが最終回で収束したときに表現される一条の“裸”は、一体どんな“ラ”なのか?
もう、いいから、イチャイチャしてねーで(おい!)、そういうのいいから、早く料理を作れ!!最後の料理旅行「生こしょうで“チャー・ムック・マレイ・クチャイ”」(エビやイカなどの魚介の生こしょう炒め@クメール風)を、早く、作ってしまえ!!料理を作る=食べる=“裸”になってしまえ!!(言い方!)最後にふさわしい、THEハッピーエンディングな料理を食え=“裸”になれ!!(下品過ぎる)ってなってたのに…。
料理完成!!
一条「じゃあ食べよっか…」(“普通”には、食べないよね?ね??)
真尋「颯太の一番好きなスタイルでいいよ?これからはワクワクすることに正直に生きるんでしょ?」(真尋くん、器、でけーーーーー!!!!!ヨッ!真尋!!)
一条「(戸惑う)」(随分間がある…)(…え?真尋くんと、二人で食べることこそ、“ワクワク”で、“正直=裸=ラ”とか言い出す??え!?そんなこと、言い出す!?言い出すの??え?そんな一条、俺は認めないよ???)
一条「………」
一条「だったら二人で…♡」(一条、きめーーーーーーーーーーーーーー!!!(=キモい)じゃない、キタァァァァァーーーーーーーーーーーーー!!!!!)
(ドラム系のあやしげな音楽)(ドキドキ…)
(シャツを脱ぎだす二人)(ドキドキ…)
ファッサ~!♡(ワイシャツが脱ぎ捨てられる効果音)
タイトル「全ラ飯」
(おしまい)
俺「じゃねぇぇぇーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」
とうとう、ついに、自分の吹き出しまで出ちゃいました。
こんなにバリエーション豊かに裸を見せてくれるだなんて、クリエイティブ精神に感謝
が、うん、とはいえ、じゃねーーー!つってんだから、憤りがないかといえば、あるにはある…いやだいぶある…あるに決まってる!!んですが、うん、だけど、ここさ、マジで脱いでたらさ、二人で脱いだまま、肌色多めで(おしまい♡)だったらさ、その方がおかしいよね。
いくら何でも、肌色多め=画的な生々しさは不可避、なわけだから、視聴者「良かったね♡」っては、さすがに、さすがにならないよね。いくら裸で食べることも良しとする、認め合う社会=多様性を描いたドラマとはいえ(そういうドラマですよね!?)、やっぱりそこは二人だけの世界、真尋くんの全裸は、いや“ラ”は、一条だけのものだし(言い方!)、そこはこっち側が我慢する…いや、察すること、そう、 “僕の『全ラ飯』前日談”で連呼してた、こっち側が“想像・妄想”するに留めるのが、視聴者の礼儀、作法…ってもん…ですよね…。うん、そうだ、そうだ、そうなんだ、“二人の全裸”は、視聴者が、いや僕が、想像して妄想して楽しむんだ………うんそうに違いない…いや、とはいえ…うぅぅぅぅぅぅ…とはいえ、うぅぅぅぅぅぅ…二人の、一条&真尋くんの、ダブル全裸もぉぉぉ……ぉぉぉぉぉぉぉーーーーー(耐えろ耐えろ、俺!耐えろ!!!)
って、なんの話でしたっけ?(結局ひどい!)
そうじゃないのよ。このドラマ、裸=ラ、だけを拝むドラマじゃないのよ(そらそう)。ここまでめくるめくドラマチックを、まさか全12話パンパンに詰め込んで、なおかつ、このドラマの肝である“裸”の部分も、至福な裸(ラ)~丁寧な裸~突然な裸~バレちゃう裸~雑な裸~なんか違う裸~さらに雑な裸~やっぱりなんか違う裸…そして、ラストは、見せない裸…ここまで、こんなにバリエーション豊かに裸を見せてくれるだなんて、誰が思いました?そのクリエイティブ精神に感謝しかなくないですか?(誰に!?)
あと、散々、一条にイラっとしたけど、一条演じる近藤頌利さんの、あの、いい意味で色気がない感じ…っというより、生々しさがない感じ、そして何より、全裸で食うことに至福を覚える主人公という意味不明に、妙な説得力を持たせる、あの造形ですよ!!!
近藤頌利さんでなければこのドラマ、確実に、いろんな要素足し過ぎの、ただの変態ドラマと化していたでしょう(おい)。ありがとう!近藤頌利さん!!ありがとう一条!!!(え!?真尋くんは、いつも“くん”づけだったから、察してほしいわ…ありがとう!真尋くん!!)
俺たちの春日の今後は…!?
で、劉さん(フィガロ・ツェン)はあの雰囲気のまんま、結構のんきな感じで新しい恋!?になって、小町ちゃん(片山友希)は愛される方が幸せになれるタイプだから(僕、誰?)、それがテッシー(勅使河原室長:山中聡)だったとしても…まあ、よし(良いか?)になって、じゃあ春日(岡宏明)は?俺の春日、いや俺たちの春日の今後は!?ってなったけど、そこは、明らかに仕事ができる一条が金融庁を辞めて、あんなロン毛で、私用電話とはいえ電話をガチャ切りするようなカジュアルフリースタイル春日が金融庁(の広報)を背負っていく(背負うことはないけど)…って、それこそが、多様性!!
どんな人が、どんな働き方をしたっていいじゃない!!っていう、ていう、そういうメッセージですよね???(誰に!?)