岩田剛典さんが、理想の夫婦像を語りました。
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奈緒さんが主演を務める木曜劇場『あなたがしてくれなくても』は、夫婦のセックスレスをテーマした大人の恋愛ドラマ。
原作は、ハルノ晴さんによる同名コミック(双葉社刊)。2017年から漫画雑誌「漫画アクション」にて連載を開始し、話題にしづらいセックスレスに直球で切り込んだ衝撃作として話題を呼びました。
結婚5年目でレス歴2年の会社員・吉野みち(奈緒)が、夫・陽一(永山瑛太)との夫婦関係の悩みを会社の上司・新名誠に打ち明けたことで、物語が展開していきます。
みちの悩みを優しく受け止める上司・新名を演じる岩田さんにフジテレビュー!!がインタビュー。「シャーロック」シリーズ以来となる西谷弘監督の現場や役作りについて、理想の夫婦像などを聞きました。
<奈緒 フジ連ドラ初主演!レス歴2年の人妻役『あなたがしてくれなくても』>
西谷弘監督の遊び心で「シャーロック」とリンクするシーンが!?
<岩田剛典 インタビュー>
──オファーを受けたときの心境を聞かせてください。
僕が初めてゴールデンタイムのドラマに出たのは『ディア・シスター』(2014年)でした。それ以来の木曜劇場への出演になるので、個人的には8年半ぶりにこの枠に帰ってこられてうれしいです。成長した姿をお見せできたらいいなと思っています。
作品としては、セックスレスが一つのテーマになっていますが、テレビドラマでやるということにチャレンジ精神を感じていて。リアルに寄った作品なので、心理描写も微妙なさじ加減で表現していて、すごくやりがいを感じています。
そして、何よりも西谷(弘)監督が撮るということが、僕の中では大きかったですね。「シャーロック」シリーズでお世話になっていましたが、バディもの以外でもご一緒したかった監督なので、今、いろいろとご教示いただいています。
──本作は、『昼顔〜平日午後3時の恋人たち』のスタッフが再集結して制作されていますが、その点についてはいかがですか?
実はあとから知りまして。「あ、そうか!」という感じです(笑)。でも、予告映像で『昼顔』で使用されていたBGMが使われているので、ちょっと重ねているのかな、と。
あと、これは気づく人が気づけばいいんですけど…ちょっと『シャーロック』ともつながっているような演出をされていて。『シャーロック』で僕が演じていた若宮は、よくマグカップを持っていたと思うんですけど、今回も家のシーンでは結構マグカップを持っているんです(笑)。
特に西谷監督に確認したわけではないですけど、ちょっと関連を意識させようとしているんだろうなと思っています。僕と西谷監督が組んだからこその“遊び”がちょっと感じられましたね。
──原作、台本を読んだ感想を聞かせてください。
オファーをいただいてから原作を読ませていただきましたが、まだ完結していないんですよね。今僕は台本を第3話までもらっているのですが…早々に原作に追いついてしまいそうで(笑)。
だから僕自身もすでにドラマの結末が気になっていますし、視聴者の皆さんにも「どんな展開になるの?」などと想像を膨らませて見ていただけるんじゃないかなと思っています。
──改めて、演じている新名誠は、どのような役でしょうか?
世間からはきっと優等生とかエリートだと思われる道を歩んできたような人。みちの夫・陽一(永山瑛太)との対比を描きたいという制作側の意図だと思うのですが、ドラマでは原作よりも、より仕事ができて、知性があるキャラクターになっています。
若くして大手のゼネコンで出世して、いいポジションをもらっていて、仕事は順調。家庭も、ファッション誌の副編集長を務める楓(田中みな実)というキレイな奥さんがいて、傍から見れば順風満帆。でも、やっぱり夫婦はそれだけではないんですよね。
──役作りのために何かしていることはありますか?
西谷監督から「体は鍛えていてほしい」と言われましたが、もともと鍛えているので、役作りのためにという感じではないんですよね。
──「鍛えてほしい」というのは、どういう意図だったのでしょうか?
今いただいている台本を見る限り、濡れ場的なシーンはあまりないので、セクシャルな意味ではないなと思うのですが…。おそらく、スーツでも私服でもそうですが、見た目というか、姿勢の良さや覇気があって充実している感じを表現してほしいという意味かな、と捉えています。
服で思い出しました。役作りというか衣装の話なのですが、劇中で使用しているスーツをすべてオーダーメイドしました。生地やボタン、裏地まで西谷監督と一緒に選んだものを着ています。
──新名は、自身の悩みを隠しながら、みちの相談に乗るなど、心情の表現も繊細に描かれていますね。
すごく繊細なんですよ。でも、自分が本当に正解を出せているのか…毎日ちょっとずつ自信を無くしながらやっています(笑)。
例えば「大丈夫」という言葉は、「大丈夫じゃない」という意味でも使われますけど、それを表情と音でどうやって伝えるのか、とか。難しいですね。
結婚は「お互いに思いやりを持ちながら、一緒に生きていくこと」
──みちを演じる奈緒さんの印象はいかがですか?
奈緒さんはすごく自然体な方ですね。カメラが回っていないところでスタッフさんとコミュニケーションをとっていたり、絵を描いていたり、写真を撮っていたり、楽しそうに現場で過ごされている姿が印象的です。
あと、お芝居をしていて、掛け合いのときの呼吸の捉え方が合うので、すごく助かっています。
──楓を演じる田中みな実さんの印象はいかがですか?
神様みたいに気遣いの人ですね。現場で、よく話しかけてくださるので話題は尽きないのですが、たぶんそれも気を使って話しかけてくださっているんだと思うんです。だから、気を使わせないように頑張らなきゃと思っています(笑)。
──新名は家事をするなど、仕事で忙しい楓を献身的に支えているものの、夫婦としてはすれ違ってしまっています。岩田さんは新名夫婦をどう見ていますか?
僕の個人的な楓に対する感情を言うと…「好きなことが仕事なんだね、いいじゃん!」という感じです。
夫婦としては、楓は自分のことに手一杯で家庭に対する思いが以前よりも薄れていて、誠は楓に対して満たされない思いを抱えている。傍から見るといい夫婦だけど、実際には心のすれ違いが生じていて…寂しい2人ですね。
世の中にはさまざまな夫婦がいると思いますけど、もしかしたら、専業主婦として家族を支えていらっしゃる方は、新名に自分を投影できるかもしれません。
──ご自身の理想の夫婦像はありますか?
夫婦には、恋愛とは切り離した、もっと深い信頼関係が必要だと思うんです。結婚って、お互いに思いやりを持ちながら、一緒に生きていくということだろうな、と。
その先で…かわいい老夫婦と言われるような関係になれるといいですね。おじいちゃん、おばあちゃんが手をつなぎながら公園で歩いているのを見ると、良いなと思うし、憧れです。
──最後にドラマを楽しみにしている視聴者へ、メッセージをお願いします。
西谷監督が細かい心理描写にこだわっていて、みちのモノローグも多いので、きっと女性にはより共感していただけるドラマだと思います。
その一方で、扱うテーマがセックスレスということで、ちょっと刺激的でもありますよね。ドラマだからこそ覗き見するような感覚で楽しんでいただけると思うので、木曜10時、こっそり見てください(笑)。
撮影:河井彩美
スタイリスト:渡辺康裕
メイク:下川真矢