インタビュー後半では、人に着物をスタイリングする際に気をつけていること、着物を着るうえで大切にしているマインドについて聞きました。そして、「大きな野望」という、ユリアさんの今後の目標とは…?

着物の力を借りて、自分の自信にする

――着付け教室を主宰し、きものスタイリストとしても活躍しています。自分以外の人に着付けをする際に気をつけていることはありますか?

その方が「どういうシチュエーションで着られるのか」をしっかりと聞き、その条件の中で一番輝くようなスタイリングを考えます。「この柄にはこういう意味が込められていて、今日はこういう立場で行くからこの柄を選びました」と、そういった背景も伝えるようにしています。

特に、普段着物を着ない方は、着物姿に自信を持てないことがあります。何百年もの歴史を持つ着物の力を借りて、自分の自信につなげるというのも、着物の素敵な部分だと思っています。

着付け教室の様子(写真:森山雅智)

――姿勢や所作も大事だと思いますが、着物を着るうえで一番大切にしていることはなんでしょうか?

やはり、自分が自信を持って着ることではないでしょうか。「着崩れていないかな?」とか、「この帯で間違えていないかな?」とか、不安になる要素が多いですよね。でも、何を言われようと自信を持って着る。他人から何か言われたときに傷つかないために、自分で意味合いを持たせることも大切だと思います。

もし、「それとそれの組み合わせおかしい」なんて言われたら、例えば、「これは、おばあちゃんからもらった大切なものです」とか、自信満々に着ている理由としてのストーリーを持っていたら、相手も納得してくれると思うんです(笑)。自分に自信を与えてくれるからこそ、着る楽しみがあるので、どうせ着るなら楽しんだほうがいいなと思っています。

『きもののとりこ』より/写真:西山 航(世界文化ホールディングス)

――今後の目標や、挑戦してみたいことを教えてください。

本を出すことが夢だったので、まず一つ叶いました。あとは、DJと着物、ファッションと着物、というように、自分がやってきた活動をこれからも国内外で展開していきたいです。

自分の中の世界観をどんどん深めていけるので、着物に関することを一生続けていきたいです。展示にも興味があり、自分の着物だけでなく、お世話になっているアンティークの着物屋さんが所蔵しているものを私がキュレーションして展示ができたらとても素敵だなと考えています。

あとは、日本の、特に着物の世界を見ていると、「もうこの工房でしか作っていない」といった、消えそうな技術がたくさんあります。CHANELがパリに「Le 19M」という文化施設を持っていて、オートクチュールを作る職人さんたちを集めて支援しているんです。すごく長期的な目線ですけれど、いつか日本でも実現できたらという、とても大きな野望を抱いています。

<書籍概要>

『きもののとりこ』
著:マドモアゼル・ユリア
発行:世界文化社

写真:森山雅智

マドモアゼル・ユリア

10代からDJ兼シンガーとして活動を始め、現在東京を拠点にDJ、着物のスタイリングや教室、コラム執筆、モデル等の活動をしている。着付け教室は昭和初期に作られた洋館”KUDAN HOUSE”にて毎月開催中。YouTubeチャンネル「ゆりあの部屋」は毎週配信。