自分らしく着物を着るために「必要なこと」とは何でしょうか?

著書『きもののとりこ』(世界文化社刊)が、着物関係の書籍では異例のヒットとなり、発売即重版。着物好きのみならず幅広い世代からも注目を集めている、着物スタイリスト、DJとして国内外で活躍するマドモアゼル・ユリアさん。「物語性」を大切にしたセンスのよいスタイリングが話題です。

めざましmediaでは、「自分の世界観を作ることができる」と着物の魅力を語るユリアさんに、着物に興味を持ったきっかけから、海外で着物を着る際に意識していること、そして今後の野望について聞きました。

マドモアゼル・ユリア「着物が勝手にコミュニケーションを取ってくれる」

――ユリアさんが着物に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

母が着付けをやっているため、家に着物がある環境でしたが、中学・高校時代はパンクバンドをやっていて、イギリスのカルチャーに傾倒していたので、着物には興味のない青春時代を過ごしていました。

ただ、自分が大好きな洋服のデザイナーや尊敬する方が、日本のカルチャーにインスパイアされてものづくりをしていると知り、「着物からインスパイアされたんだろうな」というものを見たときに、「海外の視点で見ると着物ってこんなふうに見えるんだ」と、着物が憧れの対象に変わったのが大きなきっかけです。

『きもののとりこ』より/ 西山 航(世界文化ホールディングス)

――そこからのめり込んでいったのですね。

洋服は、デザイナーの世界観をまとうものですが、着物はいろいろなパーツを組み合わせないと服として纏(まと)えないため、自分自身がデザイナーになったように自分の世界観を作ることができます。柄にも意味があるので、言葉にしなくともメッセージを伝えてくれる、といったところがとても面白いなと思いました。

DJに関しても、曲の元ネタを探っていく作業がすごく好きなのですが、着物の世界も深掘りのし甲斐があるというか、歴史が深くていつまでも底が見えないので楽しいです。

――海外でも着物姿でDJをしていますが、やはり注目を浴びますか?

自分から話しに行かなくても、着物が自然とコミュニケーションを取ってくれるんです。「これってどういう柄なの?」と興味を持ってもらうことで、相手との会話も弾みます。私はシャイなタイプなので、着物にすごく助けられています(笑)。

海外イベントで着物姿でDJをする様子(写真:マドモアゼル・ユリアさん提供)

――海外で着る際に、特に意識していることは?

その土地の季節に合わせるのは大前提です。特に海外でDJを頼まれるときは「なるべく目立つ格好で」と言われることが多いので、振袖や存在感のある面白い柄のものを選ぶようにしています。去年カンヌでDJを務めたときは、港町ということで、大きな波の柄の振袖に船の帯を合わせました。「カンヌを意識した」と伝えたら、みなさんとても喜んでくれました。

――素朴な疑問ですが、DJをするときに振袖の長い袖は邪魔にならないのでしょうか?

普通の着物の袖の長さだと、ちょうどターンテーブルに当たって機材が止まってしまうことがありますが、振袖だと袖が止まってくれるので、逆にやりやすいんですよ(笑)。

写真:マドモアゼル・ユリアさん提供