大谷亮平さんが、舞台再々演への思いを語りました。
<【写真9枚】この記事の写真を見る(アザーカットあり)>
2月18日より上演されるミュージカル「ボディガード」。1992年にケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストン主演で、世界中で大ヒットとなった同名映画の舞台化です。日本キャスト版での上演は2020年、2022年に続き3度目となります。
人気絶頂のポップシンガー、レイチェル・マロンを新妻聖子さんとMay J.さんがWキャストで演じ、大谷さんは彼女を守るボディガード、フランク・ファーマーを演じます。
初演からフランク役を続投する大谷さんにインタビュー。今作へかける思いや共演者の印象、最近“キュン”としたことなどを聞きました。
3度目のボディガード役「よりカッコよく、より心強い存在に」
――3度目の出演オファーを受けた際の気持ちを聞かせてください。
これまでの公演を振り返ると、楽しい思い出が多かったので、「またあの体験ができるんだ」という喜びがありました。それと同時に、再び出演させていただくからには、より良いものにしたいという思いが、ふつふつと湧いてきました。
初演も2度目も、コロナ禍で来場を断念された方がたくさんいらっしゃったと聞いています。そういう方も、今回はぜひ来ていただきたいですし、キャスト・スタッフ一丸となって皆さんの期待に応えたいです。
――初演・再演との違い、変えたい部分などはありますか?
再演というのは、どうしても変化をつけたくなる気持ちもあると思います。でも今回は、違いをつけるというより、より良くできるところをプラスに変えていきたい。お客様に満足いただくためにできることがあるなら、そこはしっかりマイナーチェンジしていきたいと思っています。
――フランクの役作りについて、考えていることはありますか?
フランクの見せ方については、毎回いろいろ試行錯誤しているのですが、振り返ると「もっとこう見せたかった」「あっちのほうが良かったかな」と思うこともあります。具体的な例を挙げるのは難しいのですが、よりカッコよく、より心強い存在に見えるよう、動きの一つひとつを調整して作り上げていきたいです。
――レイチェル役の新妻さんは3度目、May J.さんは2度目の共演です。2人の、改めての印象を教えてください。
新妻さんは、すごくリーダーシップがあり、意見をはっきり言ってくださるサバサバした方という印象です。僕が一番初めにイメージしていたレイチェルは、自分に自信を持っていて、どんどん前に出ていく、フランクとも堂々と渡り合えるような女性。そういう意味では、新妻さんはレイチェルに近いものを持っていらっしゃるのではないかな、と思います。
May J.さんは、前回は初参加だったこともあり、最初はいろいろ探りながら演じられていた印象です。でもそこが逆に、レイチェルのか弱い一面に投影されていた気がします。普段は強気のレイチェルが不安になったり、一歩引いたりするシーンでは特に、その心情をリアルに表現されていたように感じます。
お2人とも、ご自身が持っているものが違うからこそ、それぞれ魅力的な“レイチェルらしさ”が現れていたと思います。
バレーボールの試合出場が励みに!「動ける若手でい続けたい」
――役柄にちなみ、大谷さんが“守りたいもの”を教えてください。
小学校4年生から続けていて、やっぱり楽しいので、バレーボールをする時間は守りたいです。
――試合に出たりもしているのですか?
そうですね。ただ、体調面などいろいろ考えながらなので、年1回も試合に出られない時もあって。貴重な試合で力を発揮するために、体づくりをしているとも言えます。
やっぱり、体力が落ちて「動けなくなったよね」って言われるのは嫌なんです。そうは言っても、昔に比べてちょっとずつ動けなくなっているんですけど(苦笑)。
“バレーボールをする時間”と“バレーボールで動ける体”を守り抜きたいです。
――2023年は試合に出られましたか?
何試合か出ました。試合に出ると、すごく励みになります。
僕は今43歳で、40代以上が対象のシニア枠のチームに入っているんですが、そのなかだと若手なんですよ。50代のチームメイトもいて、試合の翌日は朝から出勤という方も多いです。
皆さん「体が痛くて、月曜は仕事にならない!」と言いながらも、楽しく続けているところがいいなと思って。そうやって、50代の方がボールをバンバン打っているのを見たりすると、勇気づけられるんですよね。こういう世界も楽しいなと思いますし、だからこそ、チームでは“動ける若手”でい続けたいです。
――本作で大谷さんが演じるフランクは、“キュン”とする女性ファンも多い人気キャラクターです。大谷さん自身が、最近キュンとしたことはありますか?
スポーツ系の番組をよく見るのですが、昔に比べて結構泣くようになりました。…これは“キュン”になりますか(笑)?
高校生のドキュメンタリーや学生駅伝は、ほぼ見ています。10代の、あの純粋な頑張りには、グッと来るものがありますね。
僕たちが学生の頃は、スポーツ界全体がまだ“しごき”の時代で、言われたことはやらざるを得ない空気がありました。でも今は“自分たちで率先して頑張る”という考え方に変わってきていると思うので、彼らの前向きな姿にすごく心を打たれます。
――最近観戦して、特に印象に残っているものを教えてください。
最近だと、マラソンや駅伝を見ました。なかでも「予選会」がたまらないんですよ。上位10チームまでは本戦に出られるけど、11位以下は出られないなど決まっていて、最後の1枠をかけた10位発表の瞬間はドキドキします。
それに、レース後のインタビューで言い訳をしない選手が多いところも、すごいと思います。走り続けてしんどい状態だと思うのに「今まで支えてくれた皆に感謝しています」とか、周りを気遣う言葉が出てくる。そういう純粋な心が、素晴らしいと思います。
――最後に、作品を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
今回は、コロナの禍の行動制限も解けてきたので、多くの方が、より気軽にご来場いただけると思います。歌、ダンス、そしてラブストーリーも楽しめる、パワフルなミュージカルなので、ぜひ劇場へお越しください。
<大谷亮平 メッセージ&撮影メイキング動画>
撮影:島田薫
ヘアメイク:MIZUHO(VITAMINS)
スタイリスト:川崎剛史