歌い手・Adoさんが合同取材に出席。「人生の決断に年齢は関係ない」というAdoさんが思う“大人”への変化と夢のかなえ方、そして人生のテーマとして掲げている「自愛」についても語りました。
人生のテーマは「自愛」Adoが思う“大人”への変化と夢のかなえ方
本作は、Adoさん自らが語った半生をもとに、『M 愛すべき人がいて』や『それってキセキGReeeeNの物語』などのベストセラー作家・小松成美さんが3年に及ぶ取材を重ねて書き下ろした作品です。
――著者の小松成美さんとお話する時間はどのようなものでしたか?
今回、小松さんとは何度もお時間をいただいて、ボリュームのある内容を繰り返しお話しする機会がありました。そこで、特に家族の話や幼年時代の気持ちなど、自分の人生の細かいところまで振り返ることができたのは、すごく濃密な時間でした。
小学生、中学生、高校時代とお話しをする中で、「やっぱり自分、あの時はそう思ったんだな」「あの時は悲しかったんだな」などと思い出しながら、その時に感じていたけれど無視していた気持ちにまた触れることができましたし、改めて大人になってから振り返る人生というのは、その節々で“自分”というものを形成する大事な時間だったんだなと思う瞬間がすごく多かったです。
――他者の視点が入ることによる発見はありましたか?
小松さんだけでなく、今回小説にも出てきます私が所属している事務所の社長・千木良さんから見た私の姿や、私の両親から見た“娘”としての私の姿など、他者の視点が入ることによって、私の見え方も変わってきますし、それが面白いです。
私が実際に完成したものを読んだ時も、「私ってこう見えていたんだ」と嬉しさや発見だったり、色々な自分と向き合う瞬間があったなと思いました。
――今まで、心を揺さぶられた本(漫画も含む)はありますか?
小・中学生のときから好きで、高校生に入っても読んでいたのですが、伝記の漫画です。
ヘレン・ケラーやウォルト・ディズニーなど、そういった伝記漫画を読むのが好きで、その中でもココ・シャネルの話がすごく好きで。
シャネルの生き方にすごく影響を受けていて、「こうやって人は時代を作るんだな」とシャネルの人生に触れる時間が好きだったので、誰かの実際に近い話を漫画という近い形で触れることが好きでした。
幼年時代は「早く大人になりたい」と願っていたというAdoさん。
当時、思い描いていた”理想の大人”とはどんな人だったのでしょうか?
――今23歳になってみて、当時思い描いていた”理想の大人”には近づけていますか?
私にとっての大人といいますか、なりたい大人像というのが、自立をしていてなんでも出来る。なんでもこなせて、自分の足で立ち、堂々と歩いている姿。抽象的ですが、それが私にとって大人の姿だと思っていました。
良い意味で誰かに頼らず、“できる自分”というのが大人かなと当時は思っていたので、今それになれているかと聞かれたら、なれていないところが半分です。
ですが、自分の考え方が紆余曲折はしながらも、色々な面で自立していったかなと思うので、経験を通して、段々と理想に近い形にはなれているかなと思います。
――10代のころは、働くことや社会に対してどんなイメージを抱いていましたか?
働いて社会に出るということが、ある種、憧れでもありました。
ですが半分、社会にのまれて働くことだけが目的になってしまい、自分を見失ってしまうのではないかという恐ろしさも10代の時は特に感じていましたね。
少し矛盾するのですが、早く大人になりたいと思う反面、でも大人になりたくないという部分もありました。子供の私が見てもかっこいい大人になりたいというだけであって、考え方全て、自分の全てが大人にはなりたくないという、少し難しい考え方をしていました。
働いて社会に出るということは、自立というものにふさわしいと思っていたので、早くそうなりたいと思っていましたが、社会のために命があるみたいな、目的もなく社会に出て自分を見失うということがすごく怖いなということも思ってはいました。
――本作を通して、Adoさんの「人生の決断に年齢は関係ない」という考えに心を打たれました。Adoさんの思う「夢のかなえ方」を教えてください。
「夢のかなえ方」を教えられるかというのも難しいところではありますが、私は周りの友人や知人と比べたら、特に幼年時代は夢見がちといいますか、人より夢を持つ人間ではありました。
ですが、ただ願っている、信じているだけでは何も動かないなというのは、自分の中で色々な経験や時間を過ごして分かりましたし、やっぱり苦しくても進むことが何よりも大事なんだなと。
その進み方も、もちろん進めば進むほど良いのかと、進めば結果が見えてくるかと言われたら、なかなか現実では難しいことではありますが、それでも信じるからこそ進むというか、信じているならそれをちゃんと行動に表すことで、夢はつかみやすくなるのかなと思いました。
でも、その決断に年齢は関係ないですし、人の願いそのもの自体に年齢というのは関係ないなと私は思うので、もし色々な世代の中で夢を持っている方がいるのであれば、その夢を信じて、自分を信じて行動してほしいなと思います。
「昔から自分のことがどうしても嫌いだった」というAdoさん。
自分ではない「もっとかっこいい存在」になりたかったからこそ、理想の姿としてAdoを選び、その名前で生きることを望みました。
そんなAdoさんは、自分の人生のテーマを、とことんまで自分を好きになる「自愛」だといいます。
――自分のことを好きになれないまま、それでも日々を過ごしている人も多いと思います。今のAdoさんだからこそ伝えられることがあれば教えてください。
みんながみんな自己愛ができなくてもいいかなと思っています。
最近だと、自己肯定感を上げるような励ます楽曲や、自分のことを好きでいることが大切だと歌ってくれる方もいます。もちろん私もそういった言葉に救われてきた経験はありますが、自分のことが好きになれないからダメだということはないと思います。
好きになることとは違う、受け入れるという時間があるだけでもいいのかなと思いますし、自分のことを好きか嫌いか、好きになりたいと思うか、そこに気付けるだけでも、ある種の自愛といいますか、自分を見られている証拠なのかなと。
「ここだけは好きかも」と思ったらそれだけでも十分だと思いますし、「全部嫌い」と思っていても、それはそれで“あなた”なのかなと思います。そう思うことで誰かが責めることはないですし、責めてきたらおかしいことなので。
それでも変えたいと思うのであれば、私はそれを支えられたらいいなと思いますし、みんながみんな自分のことを好きであることは正解だと思わないので、ありのままでよいと思います。
2月18日には、小説『ビバリウムAdoと私』を元に作られ、Adoさん自身が作詞作曲をした新曲「ビバリウム」が配信リリースされました。
そんな注目の楽曲の手応えや、「最近買った…」と、制作を終えて疲れた時の回復方法を明かしてくれました。
さらに、“Ado”という名前に込められた「誰かの人生の脇役になりたい」という思いについても語りました。
