森田剛「間宮くんのつくる役にたくさん影響を受けたい」
──本作の作・演出を担当する赤堀雅秋さんの印象を聞かせてください。
森田:赤堀さん自身が書く人物のまんまの方というか、妙な安心感があって、不思議な方です。
間宮:嘘がない方ですね。あまりお世辞を言う方ではないと思うのですが、だからこそ言葉がスッと入ってくる感覚があります。
──これまで赤堀さんの作品を観劇したことがあるそうですが、その時に感じた魅力を聞かせてください。
森田:分かりやすく言うとクズな登場人物が出てくるところです。僕の中にも、誰の中にもクズと言われる一面はあると思うのですが、それがすごく人間っぽく、それでいてチャーミングに描かれていて、妙な安心感があって。そこがすごく魅力的に感じています。
赤堀さんに初めてお会いしたときに、ふと「生きてていいんだな」と思ったのですが、登場するキャラクターに希望を感じることも多いです。
間宮:赤堀さんの作品は、それぞれの登場人物の恥部が生々しく描かれていて、それを“目撃”するような感覚になるんですよね。目の前で起こっている痴話げんかとか、事件的なことを近い場所、物陰から見ている感じが魅力なのかなと思います。
──今作で演じる役について、赤堀さんと話したことがあれば聞かせてください(取材は7月下旬)。
森田:本番までに変わる可能性がありますけど、2人の関係性は義理の兄弟だと聞きました。僕が演じる兄は、簡単に言うと女たらしでクズ。気になるのは、義弟にお金を借りているんですよね。
間宮:貸しているんです(笑)。
森田:2万円(笑)。でも、この2万円が、何か握られている感じで大きいんだろうな、と。そのあたりの設定がどう生きてくるのか楽しみです。
──間宮さんが演じる弟はどんな役ですか?
間宮:生まれ育った町から出たいと思っているけど、東京で何かをするという勇気も自分から何かを変える気力もなくて、「何か変わらないかな」「大きな事件が起きて現状がぶっ壊れないかな」と思っているような人物ですね。
──今回の共演で、お互いに期待していることはありますか?
森田:兄弟の関係性や距離感はいろいろとあると思うので、どうなっていくかはまだ分からないですが、間宮くんがつくる役にたくさん影響を受けて、自分が何を感じるのかということを楽しみにしています。
間宮:こうやって一緒にインタビューを受けているのと、舞台上で対峙するのとでは緊張感が違うと思うし、きっとワクワクするんだろうなと思うので、剛さんから発せられるものをビビッドに感じながら一緒にお芝居を作っていけたらと思っています。
──稽古が始まる前だからこそお互いに伝えておきたいこと、聞いておきたいことはありますか?
森田:なんかある?
間宮:稽古中、ウォーミングアップは念入りにするタイプですか?
森田:しないです。しますか?
間宮:僕もあんまりしないです。だから、念入りにウォーミングアップする方がいると焦っちゃうんです。
森田:発声練習とか、いっぱいする方いるよね。俺はしないです(笑)。
間宮:よかった…って言うのもおかしいですが、同じ方向性でよかったです(笑)。