仕事もプライベートもバイタリティー溢れる女性を追いかける『パワフル女子名鑑』。

第1弾として取材したのは、ガイドブックの編集者の昭文社・武者和実さん。前回は、お仕事を中心に話を聞いたが、今回は「趣味編」をお送りする。

コミュ力は抜群です!

旅行と言うと、どうしても楽しさばかり求めてしまうが、武者さんは「旅先で出会った人と文通したり、メールしたりしていて、一期一会を大切にしています。ウズベキスタンで困ったときに助けてもらった人とメールのやりとりをしていて、日本に留学したときにごちそうしてあげました」。

「コミュ力抜群!」だと自負する武者さんは、旅先で誰とでも仲良くなってしまう。「ウェルカムオーラ出してます。道を聞かれて、知らなくても頑張っちゃうタイプ」だという。

さらに、さまざまな国に行きすぎて、コアな方向へ目的が変わってしまっているという。「本店マニアです。日本の本店じゃないですよ!本店中の本店。ゴディバの本店やティファニーの本店に行きました。あとbillsとか」。ただただ、本店へと足を運び、店内を見たり、食事をしたりして楽しんでいるというのだ。

地図を直すのが好きです!

他にも、旅行で好きなことのひとつが「地図を直すこと」だそう。

例えば『まっぷる パリ・フランス』を持ってパリへと行き、街を散策しつつ、ひたすら地図をチェック。建物に変化はないかなどを確認しつつ、「ここに階段がある!とか新たな発見があり、すごく楽しい。弊社のガイドブックは、雑誌内で紹介してなくても地図上で目印となる建物とかを載せているんです。だから、その建物がなくなったり、変わったりしていないか、見に行ってます。変ですよね(笑)」と話す。

現地へ行って気づいたことをメモして、次の仕事へとつなげていくという。これらは、武者さんのフットワークの軽さがなせる業だ。

「ついつい、地図の現地調査をしてしまい、他のエリアの担当者にバンバン指摘を出すのでウザがられていますよ(苦笑)」。「あと、この前は、鮎を食べに富山に行きました。何かを食べに行きたい、と思うとすぐに行っちゃいます。今度は、福井にカニを食べに行きたいですね。国内だと車で移動することが多いんですけど、日の出とともに行きたいところにガンガン行って、日の入りと共に寝る感じです。車中泊とかもOK!」。

しかし、旅行のプランは綿密に立てているという。武者さんの同僚の市来恭子さんが教えてくれた。

「以前、“ヨン様ブーム”が起きましたが、彼女はわかりやすく、“みんなが好きな人”が好きで、ヨン様のことも大好きで。私の母も興味があって、3人でヨン様のロケ地ツアーへ行くことになったのですが、彼女はたくさんあった韓国のツアーを細かく調べてくれたんです。その調べ方も尋常ではなく…、ロケ地をバスから見るだけなのか、降りて中を見ることができるのかというチェックも怠らず。ガイドさんも知らないマニアックなロケ地も知っていて、驚きました。母もこのツアーには大喜びでした」

実は、武者さんは本店マニアだけでなく、ロケ地マニア、聖地巡礼派でもあるのだ。

群馬愛が強いっ!

では、同僚から見た武者さんはどんな存在なのか。入社時からずっと近くにいたという、市来さんは「パワフルで面白い。出身地の群馬への愛が強くて、プライベートと仕事のマッチングがすごく、そこからつながりも広がっています」と教えてくれた。

市来さんは現在、『まっぷる 群馬』を担当していて、武者さんの強すぎる群馬愛をいつも浴びているそうだ。「群馬県の方々も私にいろいろPRしてくれるんですけど、彼女も私に『これを載せて!』って言ってくるんです。そのアピールが仕事として関わる地元の人よりも強い。群馬という場所を、彼女を通して教えてもらっています」。

また、市来さんから見た武者さんは「自社のガイドブックのことだけではなく、業界全体が良くなるようにいつも考えていて、愛が広い」そう。同業者も武者さんのことを一目置いているという。

「他社の本でも間違いを発見したら、編集部の人に、こっそりと教えてあげているそうです(笑)」と市来さん。

さらに、「社内で武者を知らない人はいないです」と言われ、思わず納得してしまった。