「親友に何か一つ勝てるものがほしい」という気持ちをきっかけに本格的に歌と向き合い、シンガー・ソングライターとしての活動を始めたSoalaさんですが、上京時には“逃げだしたいけど地元には帰れない”という葛藤を抱えていた時代があったといいます。

「ごめんねばっかり言ってしまう…」実体験が詰まった恋愛ソング『すれ違い』が転機に

――Soalaさんは愛知出身で現在大阪で活動していると思いますが、活動拠点を大阪にしている理由は何ですか?

実は17歳の時に1回上京をしているんです。その時に「Soala」として活動を始めたんですが、やっぱりうまくいかないことがたくさんあって。そこで挫折をして、東京にいることが怖くなって逃げ出したくなってしまったことがありました。その中でも踏ん張って、必死に音楽活動を頑張っていたんですけど、環境を変えたいっていう気持ちになったんです。

――17歳で上京となると、その時期はコロナ禍だったかと思うのですが、東京での活動も大変だったのではないでしょうか?

本当にその通りで、路上ライブもマスクをしながらしてたこともあります。それこそライブもどんどん中止になって、でも外に出ることもできないっていう中で、すごい挫折してしまって、もう外に出たくないみたいな時期と重なってしまって。中学高校で不登校になってしまった時と同じ感覚がぶり返して、地元に帰るのも「1年足らずですぐ戻ってきたんだ」と思われるのがすごく怖くて、逃げ道を探していました。でも、そんなにウジウジしてちゃダメだなって思って。

それで、ゼロから頑張るってなったら、誰も知らない街に行ってスタートしようと思って、20歳になる直前に大阪に行って活動を始めたのがきっかけで、本当にゼロから路上ライブしたり、レコーディングスタジオを探したりっていうのをやっていました。

上京時に挫折を経験しながらも、自身の環境を変えることで再スタートを切ったSoalaさんは、その後リリースした『すれ違い』がTikTokで5000万回再生されバイラルヒットしたことが転機に。
実体験がもとになったというこの楽曲の制作背景を伺ってみると「ごめんねばっかり言っちゃう」と自身の恋愛経験についても明かしてくれました。

――そうして活動の拠点も変えながら精力的に活動していく中で、転機になったことはありますか?

大阪に拠点を移した年に、22曲リリースしたんですけど、そのうち2023年7月にリリースした『すれ違い』という曲がたくさんの方に届いて、それがきっかけで本当に多くの方に知っていただけたと感じています。
それで「Soala」に対して“失恋”のイメージがついてきたって言っていただけることが多いんですけど、失恋以外の楽曲もたくさん出してるので、そこをきっかけに「この曲も知ってました」っていう方がすごく増えてくれたので、『すれ違い』が私にとっての転機だったんじゃないかなと思います。

――『すれ違い』がヒットした当時はどんな心境だったんですか?

TikTokで1本の動画がじわっと伸びていったので「やった!バズった!」みたいな気持ちは当時なくて。一気にではなく、時間をかけて伸びていってくれた動画だったので、「いつの間にかこんなに数字いってた」という感覚が率直な気持ちで。なので、本当にじんわりフォロワーさんも増えて、路上ライブに来てくださる方もじんわり増えてっていう感じだったので、自分の中ではあまりバズった感覚はなかったです。

――今のSoalaさんから見て、『すれ違い』はなぜヒットしたと思いますか?

やっぱりリアルな歌詞だと思います。比喩表現を使った楽曲は今も結構あると思うんですけど、私の曲ってストレートな言葉が多くて。かつ、実はこの曲は実体験を元にして書いた曲でもあるので、出来事を鮮明に書いているのが『すれ違い』だなと考えています。多くの方に届くだろうと思って作ったわけではなく、自分の気持ちをスラッと書いたことでリアルな歌詞になったので、そこの部分が多くの方に支持していただけるような楽曲になったんじゃないかなって今では思います。

――『すれ違い』の歌詞は実体験から来ているんですね。

そうなんですよ。私、「ごめんね」ばっかり言って謝っちゃうんですよ(笑)。でも、謝るっていうことは、結局相手のことを考えられてなくて。謝ればいいと思ってるとか、自分のことばっかりしか考えてなかったから「ごめんね」で済ませようとしちゃうとか。自分ではそのつもりはないけど、結局相手がどう思うかなんだなって。そういう経験がすごくあったので、これを歌詞にしてみました。

歌詞に自身の恋愛経験を込めた『すれ違い』をきっかけに、だんだんと多くの人から支持を得てきたことを実感したというSoalaさん。
他にも数々の恋愛ソングを生み出していますが、実は作詞のアイデアに22歳の“ギャル”らしいあるものを取り入れていました。

――『すれ違い』以外の恋愛ソングも実体験を基にしているんですか?

実体験の曲もあれば、恋愛リアリティーショーとかを見て、それに出ている子たちの目線で書いたりすることも多いです。あとは、ドラマを見て「この子目線で書いてみよう。だけどこの子目線ばかりじゃなくて、そこにちょっとフィクションを混ぜてみよう」っていうのを結構自分の中でやってるかもしれないです。

――恋愛リアリティーショーやドラマも歌詞に影響を与えているんですね。

そこはとても多いと思います。あとは妄想(笑)。妄想することが大好きなので、恋愛リアリティーショーでの結果を見ても、私の中で「こうなったらいいな」っていうのを膨らませるのが好きで、結構そういう妄想をしてますね。そのまんまその子たちを書くのではなく、インスピレーションをもらいながら、ちょっとその先を自分の中で妄想してみる、みたいなことを曲にすることが多いです。

真っ暗な中でアロマを焚きながらリラックスした状態で曲を書くことが自分に向いてるなって思うので、そうしているときが一番歌詞が浮かびますし、妄想しているときは楽しいです(笑)。

――妄想から歌詞を考えることもあるんですか。

でも、『イエナイ』という曲は『すれ違い』より前に出して、ちょっと伸びた曲なんですけど、あの曲はファンの子の恋愛を書いた曲で、本当に初期はファンの子から恋愛相談を受けてた時期があって、そこから生まれた楽曲です。でも「曲にするね」とかは言ってないんですよ。言わずに恋愛相談を受けながら、「これちょっと曲にしちゃおう」と思って。

――ファンの方も驚きでしょうね!それはご本人には気付かれないんですか?

本人は気付いてます。「これって絶対私のことだよね?」みたいに言われて、「あっ、う~ん」って濁してはいるんですけど…(笑) その子の曲を書いたなっていうのは、本人は多分気付いています。

“平成ソング”のような懐かしさは「意識は全くしてない」

――実体験だけでなく、いろんな場面からアイデアを得ているSoalaさんが楽曲制作をしている中で、一番意識していることは何ですか?

やっぱり恋愛ソングやいろんなジャンルを含めて「私の音楽で誰かを救いたい」っていう芯は持ちながら、歌詞をストレートに書くのが自分の強みだなと思っています。メロディーもこだわっているところがあって、何十曲も書いていると同じメロディーになってしまったりすることってすごくいっぱいあって。1曲作っても「この曲とあの曲似てるから全部作り直そう」ということもよくあります。なので、「また新しいSoalaのメロディーが出てきた」って思ってもらえる、かぶらないような曲たちを作ろうというのはすごく意識してますね。

――実際にSoalaさんの楽曲を聞いていて、“平成ソング感”もあるなと思ったのですが、そこは意識されているんですか?

意識は全くしてないんです。「意識しているんですか?」って結構言われるんですけど、私自身は平成を意識して楽曲を作ったことは本当に1回もなくて。でも『すれ違い』から一気に「平成っぽい」っていうコメントが来て「そうなんだ」って思い始めたんですけど、メロディー感とかも懐かしい楽曲も大好きなので、それを意識して作ってるというよりかは、自分に身についているものから多分出てるものなのかなと思います。

――実際にそういう反響も寄せられているんですね。

とても多いですね。あとは、ファンもやっぱり大人の方も多くて、30~60代の方もライブに来てくださってて。結構ファンは若い子が多いって思われがちなんですけど、本当に幅広い年代の方がファンでいてくださって。大人の方たちは懐かしいメロディーとしてすごく好んでくれています。それこそ『恋花火』っていう曲は懐かしさをイメージして作ったんですけど、これは本当に大人の世代の方にも支持していただいている楽曲もあるので、それも私の強みだなって思いながら楽曲制作させてもらっています。

――Soalaさんの歌声って“切なさ”も感じるのですが、そこも意識しているんですか?

やっぱり私より歌がうまい人なんて、何十人、何千人といる世界の中で、私の中にしか出せない強みって何だろうって高校生で不意に思ったときに、私って感情を大きく出せることが自分の魅力だなって思って。今にも泣き出しそうになりながら、セリフを喋ってるように感情を出すのが自分は得意で、“泣きボイス”って結構言ってもらえるんですけど。そういった部分では、今にも泣き出しそうな声で歌うっていうところをすごく意識している部分はもちろんあります。でも、幅広いジャンルを歌ってるからこそ、かわいい曲ではかわいい声を出したり、かっこいい曲では迫力のある声を出したりっていう声色の使い方を研究して、より私の想いが届くよう意識しています。

α世代にとっては新鮮な音楽として、大人の世代からは“平成ソング”のような懐かしさを感じる音楽として、幅広い年齢層から支持を得ているSoalaさん。
今回、TVアニメ『真夜中ハートチューン』EDテーマとしてリリースした『声の軌跡』について伺うと、作品に合わせたこだわりを明かしてくれました。