水10ドラマ『スタンドUPスタート』の、カラフルで楽しげなセットを取材しました。

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現在放送中の『スタンドUPスタート』。「“資産は人なり”。資産を手放す投資家はいない!」という理念を持つ、主人公の三星大陽(竜星涼)が、自称“人間投資家”として、さまざまな事情を抱えた人々に再び生きる希望を取り戻させていく“人間再生ドラマ”です。

過去の栄光にすがる中年・林田(小手伸也)や、前科者の青年・小野田虎魂(吉野北人)、就業経験のない主婦・音野奈緒(安達祐実)など“訳アリ人材”を、大陽がどう再生させていくかが見どころです。

人間ドラマの面白さに加え、スタイリッシュな映像と演出、セットも注目のポイント。大陽が社長を務める「サンシャインファンド」のオフィスも、会社らしからぬ、楽しげでちょっと怪しい雰囲気が印象的。

そこで、フジテレビュー!!は「サンシャインファンド」のセットを取材。デザインを担当している齋田崇史(フジテレビ美術制作センター/敬称略)と、装飾担当の北川貴啓さん(テレフィット)に裏話を聞きながら、見どころに迫ります。

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大陽(竜星涼)が廃工場をリノベ!「サンシャインファンド」オフィス

訪れたのは、都内近郊にあるスタジオ。一歩なかへ入ると、まるでおもちゃ箱のような、楽しげな空間が広がっています。そして、とにかく物の多さにびっくり。ビリヤード、ゲーム機、おもちゃ、植物、オブジェ…壁全体を埋め尽くすように、ワクワクするようなアイテムが並んでいます。

原作では、大陽のオフィスは2階建てですが、ドラマで登場するのは1階部分のみ。

齋田によると「大陽が廃工場を買い取って、アメリカンカジュアル風なオフィスにリノベーションした」という設定だそう。

「スタジオの天井には、もともと丸い穴と四角い穴が1つずつ開いていたので、丸い穴には、持ち込んだ螺旋(らせん)階段をはめて“2階があるふう”に見せています。四角い穴は、普段は鉄板で塞(ふさ)がれていますが、照明さんから『天窓みたいにできるのでは?』という提案があり、穴の上から照らしています」(齋田)

天井といえば、ところどころに飾られた電飾や植物も、いい雰囲気を演出しています。

のセットには、最初から天井にネジがたくさん付いていたため、フェンスや電飾を加えて“飾り天井”にしたそう。しかもそれは、“画面映え”も考えてのだとか。

「ドラマ撮影の場合、人の頭より上はあまり映らないので、天井が高すぎると画面に入ってこないんです。でも、こうして低くすることで映り込んで、画面に空間を持たせることができます」(齋田)。

今回はスタジオの構造を活かして作られていますが、ドラマのセットはだいたい、天井が低く設計されているそうです。

スタジオの構造を活かしているのは、天井だけでなく柱も同じ。

部屋の中央にある水色の柱(写真上)は、もともと、四角いコンクリート柱だったそうですが、「どうしても画面に入ってきてしまうので、監督が『オフィスの象徴にしてしまおう』と考え、会社をのロゴや、おもしろグッズで飾った」(齋田)と明かしました。

レトログッズがたくさん!その理由は、大陽の性格にあった?

オフィスの独特なムードを作っているのは、おもちゃや人形など、ところ狭しと並んでいるグッズたち。

「台本にも『ビリヤード』とか『ゲーム機』と書かれていたので、それに合わせた部分もあります。ゲーム機は、装飾さんがこだわって、実際に動くものを用意してくれました。『動いて光が点滅したほうが、絶対に見栄えがいいから』って」(齋田)。

ゲーム機はもちろん、大量のグッズを用意したのは、装飾スタッフたち。装飾の北川さんに意図を聞くと「3ヵ月の放送期間中、見飽きないセットにしたかった」という答えが。

「視聴者のみなさんも、日々スタジオにこもってドラマを作っているキャスト・スタッフも、みんながずっと楽しめるには、どうすればいいかを考えて。その結果、どこを撮ってもカッコよく、面白く見える空間を目指そうと思って、こうしました」(北川さん)。

よく見ると、ゲーム機はレトロなものだし、イスやソファもクラシカルなデザインが多いです。

北川さんは「このドラマは“人間再生”の物語。きっと大陽は、古いものにも良さを見出して、大事にする性格だと思うんです。そういうイメージものせて、小物やインテリアを選んでいます」と明かしました。

なかには、昔、理髪店で使われていたというイスも。

最初は、このイスを、大陽のデスクにセットする予定だったそうですが、足台がデスクに当たってしまい、座ったままクルクル動いたりできないため、諦めたのだとか。

「使えるのに使わないで置きっぱなし、ということではなく『クラシックでカッコいいから置いている』という、大陽のポリシーを感じていただけたら」と、北川さん。

最後に、齋田は「“人間再生ドラマ”なので、オフィスも大陽が買い取ったりもらったりしたもので、できています。すべてのものに、意味がある。目を凝らして見ていただくと、面白いところがいっぱいあると思います」と、メッセージを寄せました。

大陽の趣味や個性がギュッと詰まった「サンシャインファンド」のオフィス。大陽がどんな思いでインテリアや小物をそろえたのか、想像をめぐらせながら見ると、もっと楽しめるかもしれません。

『スタンドUPスタート』第4話は、2月8日(水)22時〜放送です。お楽しみに!