福士加代子さんが、1月29日(日)に開催される「第42回 大阪国際女子マラソン」の見どころを語りました。
この模様は、『奥村組スポーツスペシャル 第42回大阪国際女子マラソン』として、カンテレ・フジテレビ系で放送。福士さんは、解説を務めます。
今大会は、1年半後の「2024年パリ五輪」に向け、2023年10月に行われる「パリ五輪」代表選考会(MGC)で勝つために、そして世界に近づくためのレベルアップを図る、MGC前哨戦のような位置づけ。また、MGC出場権をまだ持たないランナーにとっては、出場切符を獲得する大会となります。
さらに、「ブダペスト世界選手権」(2023年8月)の代表選考レースでもあり、「2時間23分18秒」の派遣設定記録を突破したランナーが代表候補になります。
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『奥村組スポーツスペシャル 第42回大阪国際女子マラソン』は、1月29日(日)12時より、カンテレ・フジテレビ系で放送されます。
<福士加代子 コメント>
――今大会の見どころは?
2時間20分台の外国人選手がいらっしゃるので、その選手たちが自己ベストを狙ってくるとなると、やはり2時間20分を切る、19分台のレースが見えると思います。
そこに、自己ベストが上位の安藤友香選手(ワコール)や佐藤早也伽選手(積水化学)、上杉真穂選手(スターツ)などがどういう形で絡んでくるのかという点が見どころです。
ペースメーカーも30kmまでつくので、高速レースが期待できます。そして、MGC出場権を順位に関係なく獲得できる、2時間24分ぎりのペースメーカーもおく予定だと聞いています。
その第2集団の中で、初出場する筒井咲帆選手(ヤマダホールディングス)や?川侑美選手(ユニクロ)がMGC出場権を狙ってくると思うので、後方集団にも注目してもらえればと思います。
さらに、3時間7分という厳しい基準を突破して出場するスーパー一般ランナーの方々もいらっしゃるので、とにかく速い人たちが集まっています。前の選手が落ちてきて、後方の選手がそれを見つけて元気になっていく、という展開は、私としても一番面白いので、どこをとっても面白いレースになってほしいです。
この大会でないと見られないくらいハイレベルなレースになると思います。
ペースメーカーが外れ、30kmを過ぎてからのレース展開が見ものです。自ら仕掛ける選手と、誰かについていく選手で、レースの組み立て方は違うと思います。選手は、その前後で何かが起こるのではないかと思っていますし、一つのきっかけになるはずです。
――注目選手は?
一番は、安藤選手です!個人的に思い入れがありますし、トラック種目などでは自己ベストは更新しているものの、マラソンでは、初マラソンから自己ベストを更新していないので、自己ベストを更新するところを見てみたいです。
そして、佐藤選手もベルリンマラソン(2022年9月)で自己ベストを更新して乗りに乗っているので、期待しています。
また、上杉選手は前回大会で自己ベストを更新しました。走りを見ると、ガッツがあり元気な感じがしますが、しゃべってみると穏やかなので、そのギャップが面白いです。精神的にも強い選手なのではないかと思うので、注目しています。
さらに、初マラソンの筒井選手や?川選手も面白いです。筒井選手は、トラックでも有名ですし、昨年あたりからずっとマラソンの練習をしていると聞いています。
?川選手は、1500mから3000m障害、5000m、10000m、ハーフマラソンとあらゆる種目で好成績を残し、そして今回はマラソンにも参戦して、私よりもすべてをやり尽くしているので本当に強いと思います。体も丈夫ですし、どこまでやれるかが楽しみです。
トラックを走っている人たちからしても希望になりますし、ここで良い走りを見せられれば、どんどん陸上界が変わっていくのではないかと思います。
――第30回大会(2011年)以来、12年ぶりに変更される新しいコースについては、いかがですか?
率直に走ってみたいと思いますが、本当に「なんで私のときに変更しなかったんだ!」と言いたいです(笑)。
変更前のコースは悪くありませんが、折り返しで少しスピードダウンしたり、うまく回れなかったり、リズムがいったん崩れるときがありました。今大会では、その折り返しがなくなって、スムースに走れるようになります。
また、20kmを過ぎたあたりからは、上り坂と下り坂が入ってくるので、疲れているときはドンときますが、コースの起伏を使ってリズムを整えられたり、思わぬ形で良い方向に転がったりすることがあると思うので、面白いと思います。
40kmを過ぎてからは、どの選手にとっても死闘だと思うので、そこは解説の高橋尚子さんや渋井陽子さんに「あのとき、どう思っていた?」ということをいろいろ聞ければいいかなと思います。本当に、高橋さんや渋井さんが何を考えていたのかを私が知りたいので、楽しみにしています!
――今大会は、沿道の応援も復活します。
「大阪国際女子マラソン」は、とにかく沿道の応援が途切れないので、観客の中をずっと走っている感覚で気を抜けません。そのくらい緊張した状態で、ずっと応援してくれているので、アクシデント以外で足が止まることはないと思います。
常に前向きに背中を押してくれる、沿道のパワーをエネルギーに変えられるような大会だと思うので、いかに自分がその波に乗れるかが大切です。良ければ良いですごく称賛されますし、ダメであっても止めさせてもらえないくらい応援してくれます(笑)。
走るのを止めたとしても恥じることなく、みなさんが温かい拍手を送ってくださるので本当に助けられます。
沿道から聞こえる「頑張れ!」の中には、すごく愛情がこもっているので、その期待が選手に伝わればいいかなと思います。とにかく面白いレースです。大阪の応援は、本当に面白いです!
私にとって「大阪国際女子マラソン」は、マラソンへの挑戦を始め、終えた場所です。苦い、痛い、面白い、楽しい、全部の感情を経験しました。最初からマラソンを走ろうと思っていたわけではないので…まんまとハマってしまいました(笑)。
――解説を務めることについて、意気込みをお願いします。
“この選手はこう思っている”と、選手の気持ちを代弁することはできませんが、自分の経験をもとに「自分はこうだった」と話したいです。今も近場で選手を見ていることもあり、選手目線でいられればいいなと思います。
渋井さんは、コーチとして選手を見ているので、そこの引き出しにも頼りたいです。また、レースが苦しいところは、高橋さんに聞いたら面白そうな気がします。視聴者が聞きたいことや聞きにくいことを、あえて聞くという役割を担えればと思います。
解説は『名古屋ウィメンズマラソン2022』で一度経験したくらいで、あまり実感がありません。一視聴者のように、普通にテレビを見ている感覚でした(笑)。
今回は、渋井さんや高橋さんにいろいろと聞きながら、私は見たまんまのことを自然体で話せればと思います。叩かれることを恐れずにいきたいと思います(笑)。