『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』第2話完全版
青南法科大学院(通称:青南ロー)卒業後も司法試験合格を目指していた田辺浩(田村健太郎)が倒れて病院に運ばれた。
<ドラマ『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』これまでのあらすじ完全版>
柊木雫(北川景子)は桐矢純平(前田旺志郎)から田辺が藍井仁(山田裕貴)から酷いことを言われていたと聞き、藍井に事情を尋ねる。
藍井は「受かる見込みのない学生に夢を与えても人生を台無しにするだけ」と言い、さらに、水沢拓磨(前田拳太郎)、天野向日葵(河村花)、桐矢ら成績下位の学生も田辺の二の舞になると言われ、柊木は反論する。
次の日、柊木は学生たちに「志望動機書」を配り、提出するよう伝えた。学生たちのことをもっと知りたいと考える柊木だったが、藍井に鼻で笑われてしまう。
そんな中で柊木が行う実務演習の課題は「銭湯」。タトゥーがある男性Xが銭湯の店主に入店を拒否され、それでも無理矢理入ろうとするXは店主に押され転倒して負傷。Xは店主に治療費と慰謝料合わせて1000万円の請求を求めた。柊木は学生たちにXの請求について検討するよう促す。
そんな折、教務主任の里崎健一郎(小堺一機)が向日葵の父、吉竹(奥田達士)を連れて来た。教室を出た向日葵は、父から「その成績では司法試験は無理なので、学校を辞めてもいい」と言われてしまう。
一方、Xの請求について話し合う生徒たち。照井雪乃(南沙良)や真中信太郎(高橋文哉)らほとんどの学生が妥当ではないと答える中、水沢が依頼を引き受けると言ったことで続きは翌週の授業に持ち込まれることに。
その日の授業終了後、柊木は学生たちから「志望動機書」を受け取るが、真中はなりたい職業に「弱者を救う弁護士」と書き、桐矢は同項目に書いた文字を修正テープで消していた。また、向日葵はほぼ空欄で、好きな食べ物に「冷凍みかん」とだけ書いていた。
その夜、柊木はロー時代の同期で弁護士の安藤麻理恵(佐藤仁美)と、検事の横溝太一(宮野真守)と食事。学生たちの「志望動機書」について柊木が2人に話していると、警視庁捜査一課の刑事・風見颯(尾上松也)が現れた。横溝は世話になっていると風見を柊木たちに紹介。
そこで風見は、青南ローで会ったことがある柊木が裁判官だと知る。
翌日、向日葵は水沢がガラの悪くタトゥーをしている男、西野京介(林カラス)に金を渡す姿を目撃して桐矢と真中に話した。
そんなとき、真中は「授業終わりに『銭湯』事案の検討をしよう」と言い、水沢も誘うが断られた。すると、真中は「ガラの悪い連中とは縁を切ったほうが良い」と指摘。この言葉に、水沢は真中につかみかかってしまった。
柊木は、学院長・守宮清正(及川光博)に呼ばれて教務室へ行く。
里崎は水沢の暴力を問題視していて、退学勧告も視野に入れると厳しい。話を聞いていた藍井も「水沢がいようと、いまいと、司法試験合格者に変動はない」と冷たかった。
実務演習は水沢抜きで検討され、雪乃が結論を出したと発表。依頼人の請求に関しては、40万円程度を妥当としていた。
検討会には出ていなかったが水沢も、渋々納得している様子。すると柊木は、「この問題は、憲法13条が絡んでいる」と言いだす。個人を尊重し、その自由と幸福追求の権利についての条文だ。
銭湯の店主とタトゥーを入れた男Xは、どちらも13条によって守られる。互いの主張がぶつかり、争いが起こることを避けるために法律があると真中は言うが、柊木はどちらかを尊重して片方を切り捨てることができる法律家の怖さを説く。
綺麗事だと言う雪乃に、柊木は「だからこそ、思いや主張を声に出して伝える努力をしなければいけない」と伝えた。
授業の後、桐矢と向日葵は、何も知らないのに友だちを悪く言ったことを水沢に謝る。さらに、夜には水沢がいつも通っている銭湯で桐矢が待っていた。
一緒に銭湯に入る2人。桐矢は、向日葵が父親から「ロースクールを辞めろ」と言われていることを水沢に話す。
次の日、水沢は真中につかみかかったことを謝り、「銭湯」の事案をもう一度みんなで検討したいと伝える。
雪乃や桐矢、向日葵も集まって再検討が始まった。
深夜のアルバイトをしていることなど、自身の状況を打ち明けた水沢は、「銭湯で入店拒否された男性も、自分と同じように自宅に風呂がなかったのかもしれない」と言う。向日葵は「入店拒否はショックだっただろうな」と続けた。
5人の検討会は大いに盛り上がり…。
水沢たちは、柊木、藍井だけでなく里崎も呼んで事案の検討結果を再発表。依頼人の請求額には変わりはなかったが、学生たちは銭湯側や行政にタトゥーのある人が入浴可能になるような提案書を出すなど働きかけるべきだとしていた。
藍井に法的根拠を問われても、学生立ちは怯まずに反論。柊木は学生たちが想像力を膨らませて問題に取り組んだことを褒めた。
発表後、水沢は自分の生活環境を正直に里崎に話す。真中も、先日の件は和解したと報告した。
柊木は、向日葵に「なぜ冷凍みかんが好きなのか」と聞く。すると向日葵は、「受験で上京する新幹線で、初めて自分で選び食べた冷凍みかんが美味しかった」と答えた。
「その気持ちを忘れずに」と柊木に言われた向日葵は、父親にロースクールを続けさせて欲しいとメールを送った。
一方、雪乃は真中が実務演習にやる気を見せていることが気にかかっていた。雪乃に聞かれた真中は、柊木が学院長の元教え子だからだと答える。在学中に受験可能になった司法試験は単位取得と学院長の承認が必要になるため、有利であるから、と。
その頃、帰宅途中の柊木は、風見に呼び止められて…。