「第31回FNSドキュメンタリー大賞」で、北海道文化放送制作『自助の国に生きる~ヤングケアラー、その先に~』が大賞に決定しました。

フジテレビ系列各局の番組制作能力向上とその蓄積を図る趣旨から、1992年に創設された「FNSドキュメンタリー大賞」。

第31回を迎えた今回、系列各局が制作し今年放送されたノミネート作品の中から、審査の結果、北海道文化放送が制作した『自助の国に生きる~ヤングケアラー、その先に~』が大賞に決定しました。北海道文化放送が大賞を受賞するのは、2008年の受賞以来、14年ぶりとなります。

母や祖母の介護によって、学業や人間関係にも影響が出てしまう少年や女子高校生らの苦悩を追う

『自助の国に生きる~ヤングケアラー、その先に~』は、家族などを介護する子どもたち・ヤングケアラーの、介護一色の暮らしの実態を取材。

この作品では、母や祖母の介護によって、学業や人間関係にも影響が出てしまう少年や女子高校生らの苦悩を追っています。“弱みを見せたくない”取材対象者に入り込んだ取材が高く評価され、大賞受賞となりました。

大賞作品『自助の国に生きる~ヤングケアラー、その先に~』は、『決定!第31回FNSドキュメンタリー大賞』(関東ローカル)として、2023年1月3日(火)4時55分より、フジテレビで放送されます。

<「第31回FNSドキュメンタリー大賞」大賞作品紹介>

大賞:

北海道文化放送 制作『自助の国に生きる~ヤングケアラー、その先に~』

受賞理由:

昨今の社会問題に迫る企画。取材対象者に真摯(しんし)に向き合い、張り詰めた現実を描いており、衝撃を受けた。ケアされる側を描いているのも良い。なかなか表に出てこない知られざる「ヤングケアラー」の実態を、十分に伝えられる作品となっている。

番組概要:

家族などを介護する子どもたち、ヤングケアラー。その実態は過酷です。学校にいても祖母から助けを求める電話がくる、夜中も母親の介助をする…。介護一色の暮らしは、学業や人間関係に影響を与えます。

北海道の福祉関係者には、専門領域ではないヤングケアラーの問題にも積極的に関わっていこうとする動きがあります。

北海道文化放送では、母や祖母を介護する3人を取材。子どもたちの将来のために”境界”を乗り越えていく取り組みを見つめます。

<スタッフ>

プロデューサー・構成:涌井寛之(北海道文化放送)

ディレクター:長岡伶奈

カメラマン:近藤広伸(ノーステレビスタッフ)

編集:宮本雄太(オーテック)

音効:早川歩希

MAミキサー:鳥羽隼輔(TSP)

(敬称略)

<プロデューサー・構成:涌井寛之(北海道文化放送 報道情報部)コメント>

ヤングケアラーへの直接支援がないに等しい国で、子どもたちが自由に将来を描くためには何が必要なのか。模索の旅のような取材でした。長岡伶奈ディレクターは、自らも小学生から祖父母をケアしていた元ヤングケアラーです。当事者や家族に丁寧に向き合い、解決策を探っていきました。

支援の仕組みが十分ではない中でも、北海道では組織を超え、地域を繋ぎ、孤立を防ごうとする取り組みが続けられていることがわかりました。その取り組みは、全国でもヒントになるはずです。

同時にその頑張りだけに頼ってはならないという思いも強くしています。子どもたちに“自分がやるしかない”と思わせてしまう社会が変わっていくことを願っています。

<「第31回FNSドキュメンタリー大賞」受賞作品紹介>

優秀賞:

NST新潟総合テレビ 制作『最後の声~死因究明から未来を描く解剖医~』

特別賞:

石川テレビ 制作『逆転バカ』

テレビ宮崎 制作『秘境の牛医』

公式HP:https://www.fujitv.co.jp/fnsaward/