毎回お馴染みの冒頭にこだまする“雷音”。
実は今掲載中のフジテレビュー‼「『リカ』への系譜~直撃!東海テレビ“愛憎ドロドロ”路線ドラマの秘密に迫る<後編>」にて、その秘密を企画担当の市野直親プロデューサーが教えてくれています。
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土曜の夜の放送なので、「絶対に視聴者を眠らせない」っていうのを目指したんです。例えば、突然ものが落ちて割れるシーンを入れたりとか、「ギャー!」って声が大きく響くとか、あとは雷がよく鳴ったり(笑)。そしたらテレビに振り向くじゃないですか。眠りそうになったら変な音がしてハッ!となる。そんなことをずっと考えています。
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この市野Pに教えてもらった“効果音の秘密”を知って今回の第6話を見るとさらに面白さが増すと思います。オープニングから絶対眠らせない!という気合いの入った“雷音”から、明らかに外は晴れているのに衝撃を演出するための“雷音”まで、様々なバリエーションの“雷音”は必見…いえ必聴です!まさか効果音にまで制作者の方達の思いと伝統が隠されていたなんて、ドラマってやっぱり奥深いですね。
さて今回の第6話、第1部から続いて登場している夏菜さん演じる千秋がキーパーソンになってきます。そしてその使い方がすごく巧くて唸ります。
千秋が『リカ』というドラマの中に存在する意味って、物語を客観的な立場で整理してくれる状況説明係か、スリリングな展開にちょっとした微笑ましさを加える緩衝材的役割、もしくはあわよくば続編を作れた時に橋渡しになってくれる存在…ちょっと、オブラートに包みすぎました。正直、いてもいなくてもいい存在だと勝手に思っておりました。大変申し訳ございません!
だけどまさか、ここへ来て…というより、ここまで来たからこそ活きてくる千秋だとは思ってもいませんでした。今回ターゲットとなる隆雄さん(大谷亮平)の個人情報を自然にリカ(高岡早紀)へ伝えてしまう流れや、軽い気持ちでスパイとなり、やがてドツボにハマってしまうという動機付けも心情の流れも第1部の千秋を知っているからこそ。
もしこの役目を第2部からの新キャラにあてがっていたら流れが唐突だし、スパイになる動機も薄いし、物語を動かすためだけのキャラクターに思えてちょっと冷めちゃうところでしたよ。
またこれまで夏菜さんがかなりライトに千秋を演じてきたので、とんでもなく重たすぎる結果を招いてしまうという明暗のコントラストが活きてくるのです。夏菜さんを“ただの傍観者”にするのはもったいですもんね。
さらに、リカと千秋が再会し、本当は同い年だったはずなのにさらっと未だに「28歳ですけどなにか?」みたいな顔するリカと、その一言で一瞬にして「この人マジでやばい」って顔する千秋のドラマ序盤にある攻防戦は見ものなのでお見逃しなく。
そして第2部の個人的最注目サブキャラクターだった、隆雄さんのアシスタント坂井くん(内田健司)。やっぱりいい感じの軽さとチャラさがいい味を出していて、警戒心ゼロの勝ち目ゼロでリカに立ち向かっていく雄姿は最高でした。中盤、隆雄さんに「なんかあったらすぐ言ってください、何でもやりますから!(キラーン)」と言い放つ坂井くんの(キラーン)とほほ笑んだ残像が今でも目に焼き付いています…。
坂井くん、君の死は決して無駄死にではないぞ!!…サラッとネタバレしましたが、坂井くんが死んじゃうのはダイジェスト映像からも、そのキャラクター性からも丸わかり…でしたよね?
で、なんつったって次回予告!もうスタッフが笑かしに来てるとしか思えない、リカの“ターミネーター”映像で第6話の内容が全て吹っ飛びますのでご注意ください!
あ、そうだ!いつも次回予告後のCM終わりにある「オトナの土ドラ」恒例のミニコーナー「今週のリカの邪魔者」。今週提示された小ネタに僕はちゃんと気付けたんで、「リカ」検定1級合格ですよね!?スタッフさん!?1級レベルですよね??
ま、そんな検定ないんですけど。そのくらいコアでスタッフ好きの僕にはうってつけの小ネタでした。なので「今週のリカの邪魔者」に気付けたあなたには、僕から勝手に「リカ」検定1級を認定します!最後の最後の最後までお見逃しなく!!
text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)