『PICU 小児集中治療室』(以下、『PICU』)で医療監修を担当する、小児外科医の渡邉佳子さんに密着しました。

東京・三鷹市にある、杏林大学医学部付属病院の小児外科で働く渡邉さん。

大人にはない特別な疾患が多く、専門知識が必要とされる小児外科。そのため、なり手が少なく常駐している医師はわずか3人だといいます。

番組では、これまでに数千人もの子どもの命を救ってきたという渡邉さんの、患者への接し方や『PICU』の撮影現場で医療監修を行う姿にも迫りました。

小さな命を救い、その人生にも寄り添い続ける子どもたちのスーパーヒーロー、小児科医・渡邉佳子さんの“セブンルール”とは?

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ルール①:作品が伝えたいメッセージを大事にする

渡邉さんは医療監修をする際に、現実と演出側の要望を近づけることを意識し、「作品が伝えたいメッセージ」を大事にしていると話します。

『PICU』では、医療監修として「病と闘う子どもたちと医者の葛藤」というテーマを作品に吹き込みます。

そんな渡邉さんの姿勢に、助監督から「いいものができているのは、先生たちのおかげ」「すごく演出に寄り添ってくださる」と感謝の声が上がりました。

ルール②:患者をちゃんと叱る

渡邉さんは、年間270もの手術をし、多い日には1日に6件も行います。

この日は、腸の疾患を抱えて産まれてきた、優果さんの治療。

優果さんは、手術により命を取り留めたものの、入退院を繰り返すことに。

その影響が喉にまで出たため、声帯の手術も行いました。

優果さんのお母さんから、「渡邉先生に怒られたことで、食事をゆっくり摂るようになった」と報告が。

渡邉さんは、子どもであろうと甘やかさずに叱るそうで「4、5歳の子ども(の患者)とも本気でケンカしたこともあります」と明かしました。

患者に病気を理解してもらうため、母親目線で向き合います。

ルール③:仲間と会うのは誕生日

渡邉さんは、医学とは無縁の家庭で育ちました。

中学生のとき、突然くも膜下出血に襲われたお母さんを救ってくれたお医者さんが「神様のように見えた」と感化され、その道を目指すことに。

猛勉強の末、杏林大学医学部に合格すると、「子どもが好き」という理由で小児外科の医師になりました。

毎日が緊張の日々を過ごす中、渡邉さんの気持ちを緩めてくれるのは、大学時代の同期たち。

4人の誕生日がそれぞれ春夏秋冬に分かれているため、“誕生日会”と称して年に4回集まります。

研修医時代を共に過ごした4人は、それぞれ違う専門医に。

それでも「患者を救いたい」という同じ思いを持ち、今もつながっています。

ルール④:知らない分野は人脈を使う

この日は、ドラマのリハーサルが行われ、拡張型心筋症という心臓疾患を抱える子役の演技を医療監修することに。

渡邉さんは、その様子をスマホで撮影すると、同じ病院の小児循環器の医師に送り、意見を求めました。

医師からもらった「(患者は疾患の)痛みと共に、恐怖が来る」というアドバイスを、ドラマに反映しました。

ルール⑤:訪問診療は普段着で行く

さらに、5年前から月2回のペースで行っているという「訪問診療」のため、この日は八王子の小児科クリニックへ。

この訪問診療は、「クリニックを通して、在宅診療をしてあげたい」という、彼女の思いから始まったといいます。

渡邉さんは、訪問診療に行く際「和やかなムードになる」と、白衣ではなく私服で行きます。

スタジオでは、本谷有希子さんが「あれだけ忙しいのに医療監修もやっている、小児外科医という存在を広く知って欲しいと思う。知ってもらわないと、なりたい人も増えない」と感想を。

青木崇高さんは「そういう意味では、ドラマも大きな役割を果たしていると思います」と同調しました。

ルール⑥:患者とおもちゃでつながる

子どもとコミュニケーションをとる際に、渡邉さんはおもちゃを使用します。

全然近寄ってこない子どもにも、おもちゃは効果的なツールだそうで、「モノで釣ってるんです」と明かしました。

ルール⑦:病院を出たら一番星を見つける

日々、小さな命と向き合い続ける彼女が、病院を出るときに欠かせないことが、一番星を見つけること。

一番星を見上げることで、過去に助けられなかった子のことを思うそうで、「私たちにいろいろなことを教えてくれたと思っているので、涙が出てきちゃうんですよね」と告白。

続けて、「病気と闘っている姿もそうだし、元気だった頃にいろいろな会話をしたこともすごい鮮明に覚えているし。一生忘れない、私の財産」と語りました。

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番組公式HP:https://www.ktv.jp/7rules/

サウナブームで大活躍!熱波師に密着

12月20日(火)放送の『セブンルール』は、サウナに入るものを“ととのい”の境地にいざなう日本一の熱波師・五塔熱子さんに密着。

ドイツ発祥の熱波「アウフグース」は、熱した石(サウナストーン)に水をかけて高温の水蒸気を発生させたあと、大きなタオルであおぎ、熱波をお客さんへ送ります。

タオルを自由自在に操り、複雑な風を生み出すことで、心地よい風を感じさせ、ゆるく人々を癒す。灼熱のサウナで風を受けるものを魅了する熱波師・五塔熱子さんの7つのルールとは?