占術研究家・水晶玉子さんが、“運の良くない日”の乗り切り方法を語りました。
東西を超えて占術の幅広いメソッドを研究する水晶さんが、吉日を選んで行動を決め、悪い日はリスクをできるだけ回避する、和暦活用開運術について紹介した前編に続き、自身が実際に行っている開運方法、運気の切り替え方法について聞きました。
水晶玉子の和暦開運術!2023年に運を掴むキーワードは「ゆっくり焦らずに」
「今、運が悪いな」と思ったときほど、普通の生活を大切に
――運気を切り替えるには“気分転換”が有効とのことですが、水晶さん流の気分転換方法を教えてください。
「運気が良くないな、気分が落ち込んでいるな」と思うときは、なるべく人に会わないとか、人に気持ちをぶつけないようにしています。
私の1番の気分転換は寝ることなんですよ、すぐ眠くなっちゃうんで(笑)。でも目が覚めると違う世界になってる気がするので、切り替えたいときは寝るのがいいなと思っています。
あとはお風呂に入るのもいいですね。それこそ若い頃はよくお風呂で泣いたり、「バカヤロー!」って言ってみたりしていましたよ(笑)。お風呂というのは、基本的に1人になれて、きれいにもなれて、気分転換ができる場所です。
「今、運が悪いな」と思ったときほど、何でもない日常を少し大切にしてみるとよいです。栄養満点のものを食べたり、シーツを変えたり、些細な気分転換をしてみてください。
「よりジェネラルに」和暦はいまの日本人にこそ沿う
――水晶さんは、西洋・東洋と、あらゆる占いの知見を取り込んで「水晶玉子」としての占いを体系づけています。ご自分の生活ではどの占いを指針としているのでしょうか?
何をメインにというのは全然ないんですけれども、使う場所がちょっと違うのかもしれないですね。
“日運”(その日の運)を見る場合は、十二支とかオリエンタル占星術(水晶さんがアレンジした宿曜経をベースにした占術)はわりと「この日はこういう日」というのがパキッと出るので、そういうもので見ています。
西洋占星術は、すごく当たる占術ではあるんですけれども、扱う星がいっぱいあるし、今は星の動きが細かく分単位とかでわかりすぎて、日運などはどこに注目するかでも違ってきてしまい、迷ってしまうことは多いです。
――和暦のほうが日本で暮らす日本人には「合っている」ということでしょうか?
皆さん気にしてないようで実は「大安」や「仏滅」を気にしているので、「誰にとっても良い日」の日取りを決めるときこそ割り切りが1番だったりするんです。
例えば、「結婚式の日取りを決めて」と頼まれたときに、新郎新婦のパーソナルな占いで決めるけれど、集まる人のことまで考えると「皆にとって良い日」というのが難しくなる。そういう意味では、「この日は大安だから」と、万人に共通の吉日みたいなのはズバッと決まるのでいいですね。
正直なところ、若い頃は「皆に良い日って何なのよ」って思ってたんですけれども(笑)。でも「当たらない」のではなくて「必要なんだ」と思うようになりました。たくさんの人にとっての吉日を、となったら「やっぱり大安だよね」ってなるじゃないですか。和暦の暦(こよみ)ってすごく大切なことなんだなと、数年前から思っていたので、和暦のダイアリーを出版する機会をいただけて良かったなと思っています。
――やはり「大安」などの和暦は生活に沁みついていますし、どうしても気になります。
私も占いは「よりパーソナルに」と思っていましたが、「よりジェネラルに」と考えたら、こういう共通の暦の大切さみたいなものの大切さを、改めて感じるようになりました。
時代が変わったというのもあると思います。だって、「天赦日だから宝くじを買おう」なんて流行は昔はなかったじゃないですか(笑)。
「より良くしたいという気持ちが開運につながる」
――どうしても「開運」という言葉に惹かれるのですが、開運行動には意味があるのでしょうか?
「開運」にこだわっていいと思いますよ。「より良くなりたい、より幸せになりたい」と思う気持ちの表れですから。その気持ちがある限りは開運できると思うんです。だって「もういいや、何やってもダメだし」って投げ出しちゃうよりも、開運を願う気持ちを持っているということはすごく前向きじゃないですか。
そんな、より良くしたいという気持ちが開運につながるんだと思うんです。そういう、幸せになりたい、より良くなりたいという気持ちを積み重ねることで、ポジティブが貯金されていく。開運行動は「ポジティブ貯金」だと思ったらいいのではないでしょうか。
――2023年は、小さな積み重ねが開運のキーワードだと前編でも教えてくださいましたが、こういう人が運をつかみやすい、というのはあるのでしょうか?
「ポジティブ貯金」も小さな積み重ねですよね。近所でそんなに有名なところじゃなくてもいいから神社を通りかかったら手を合わせるとか、挨拶をするとか。そういう周囲の人や自然や起きてくることに対する謙虚さ、感謝みたいなこともポジティブ貯金になると思いますよ。
そんなに難しいことを毎日やれって言っても無理ですし、間違うことがあっても訂正してやり直せばいいし。そういう風に思って、ご機嫌でいること、ポジティブでいることっていうのがすごく大切なんだなと思うんです。
昔、すごく落ち込んだときに母から「『笑う門には福来る』だから、笑っておきなさい」と言われたんですよ。「そんなもっと慰めて…」と思いましたけれども、今思うと大切な言葉なんだなと。いつも暗い顔している人の所には絶対に運は来ないですもんね。
運は「運ばれてくるもの」なので、もともとは良いも悪いもないんですね。それを良いようにするか悪いようにするかは、そのときのその人の対応で変わります。
――最後に、改めて2023年という年について、そして先生の個人的な抱負を教えてください。
2023年は「学びの年」で、古いこと・やり直しに良い年という部分もあるので、若い頃にやっていた習い事とかを再開したりするのも良いですね。私も占いとは関係のない習い事をしてみようかな、なんて。
出版したダイアリーの表紙には素敵な和刺繍がデザインされていて、「和刺繍をやりたいな」と思っています。私、少女の頃は手芸が好きだったんですよ。でも始めてしまうと他のことが手につかなくなってしまうので、封印していたんです。けれど、「和刺繍をやりたい」と言ったら周りの編集者さんからダメ出しをされています(笑)。
去年は、オリンピックを見て「ボルダリングをやりたい」と言っていたんですけど、全然やれなくて。でも口に出したからには、やらなきゃなと思っています(笑)。あとはもちろん、「分別・整理」の年でもありますから、これを機にお部屋の整理をしたいですね。
「水晶玉子 開運・和暦ダイアリー2023」の詳しい使い方は、オンライン講座でも配信中。
詳細は申込サイトへ。
撮影/伏見早織(世界文化ホールディングス)
ヘア&メイク、着付け/瑳峨直美
衣装協力/創作きもの にしお(帯)