ふたりのこれからのことを真剣に考えよう――マコチ(高良健吾)は、ユリカ(新木優子)にそう言ったものの、自分に自信が持てないこともあって不安を隠せないでいた。一方、ユリカは、いきなり将来を意識して尽くし始めるのは重いのではないかと感じながらも、このチャンスを逃せばマコチを失うことになると考え、勝負をかけようとする。ユリカは、ふたりで一緒に住むための部屋探しを始めるが…。
一方、さくら(山口紗弥加)は、パーティーで泥酔し、そのまま眠ってしまった白井(関口メンディー)のために朝食を準備する。そんなさくらに心をひかれた白井は、いきなり彼女にデートを申し込む。
そのころマコチは、別れた夫と住んでいた家を売りたいという草木染め作家・桃香(矢田亜希子)を担当していた。大沢(森田甘路)は、もともと桃香がユリカを指名していた経緯もあることから、公私混同を避ける意味で、マコチと交際していることは伏せておくようユリカたちに指示する。
そんな折、ユリカは、さくらのマンションで山下(浜野謙太)と別れたばかりのむぎ(田中みな実)に会う。間もなく北海道に帰るというむぎは、山下のことが好きだから自分の生き方で彼の人生を縛りたくない、と笑顔を見せると、さくらと和真(淵上泰史)の話を持ち出す。さくらは、忘れられないのは自分自身のせいだし、これから先のことを望んでいるわけでもない、という。すると、ふたりの関係は恋ではなく上手くいかなかった過去への執着に見える、と告げるむぎ。その言葉を聞いたユリカは何故か不安を覚えていた。
同じころ、山下は、マコチや食べログ会のメンバーと飲んでいた。そこでマコチは、むぎのことが好きなら離れてはいけない、と山下に助言する。しかし、仕事を辞めるわけにもいかず、かといって次の恋を探す気にもなれない山下は、このままずっとモトカノマニアとして生きていくんだろうな、とこぼす。
別の日、マコチは桃香の家を訪れる。桃香は、別れた夫に恋人がいることを知って、家を売ることにしたのだという。そこでマコチは、恋人と一緒に住むことになったが自信がないと桃香に話す。桃香から、自分の気持ちを信じなきゃ、と励まされたマコチは、桃香の個展の手伝いをする代わりに、ある頼みごとをする。
桃香のSNSを見ていたユリカは、そこに掲載されている写真に、マコチの腕やスーツ、脱いだ靴などが映り込んでいることに気づく。『BARネコ目』を訪れたユリカは、ひろ美(よしこ)にそれを打ち明けた。すると、以前、温泉旅行で出会った女性3人組がいつの間にか店に来ており、これは宣戦布告だと言い出す。その言葉を受けてひろ美は、マコチを失いたくないのなら桃香から取り戻せばいい、とユリカに告げるが…。
あくる日、ユリカはマコチと一緒に、ふたりで住むための物件を見に行く。その物件が気に入ったマコチは、桃香の個展の手伝いに行くから今日は申し込みできないが、後で契約しておくとユリカに告げる。
さくらは、白井に誘われてバッティングセンターを訪れる。白井のペースに翻弄されつつ、それなりに楽しいひと時を過ごすさくら。白井は、もっとさくらのことが知りたいし、自分のことも知ってほしい、と彼女に告げる。それに対してさくらは、わかりにくいと言われるからわからないと思う、と返した。すると白井は、好きな人のことをずっと考えていられるなんて幸せだ、と告げる。その時、さくらのスマホに和真からの着信があった。白井は、さくらの表情の変化に気づきながらも、たい焼きが食べたくなった、と言って彼女の手を引いて走り出す。
桃香の個展会場を訪れたマコチは、彼女に指導を頼んで自ら染めた草木染めを受け取る。サプライズで、ユリカにプレゼンするためのものだった。
山下は、北海道に帰るむぎを見送るため、彼女の好物を持ってバス停へと向かった。むぎは、「これで綺麗な思い出になる」といってバスに乗り込んだ。バスが走り出すと、山下もむぎも、涙をこらえることができなかった。
ユリカは、ひろ美も会いたいと言っているから一緒に『BARネコ目』に行かないか、とマコチを誘った。マコチがそれを確認した直後、桃香が展示物を倒してしまうというトラブルが起きた。マコチは、今日は遅くなりそうだとユリカに返信するが…。
その夜、『BARネコ目』では、山下と彼のプロジェクトメンバーが集まり盛り上がっていた。その喧騒を抜け出した山下は、人とぶつかり、トラブルになりかける。そこに割って入ったのは、山下を追いかけてきた千鶴(趣里)だった。そこで千鶴は、むぎの一途な山下を見て、自分もあんな顔で見てほしいと思ってしまったことを打ち明け、山下に恋をしているんだと思う、と告白する。何も言葉を返せない山下に、千鶴は、山下を本当に必要としているのは誰なのか、山下が本当に失ったら辛い人は誰なのか、と訴えた。
ユリカは、マコチへのメッセージが既読にすらならないことに不安を感じていた。事情を知った安藤(小手伸也)は、携帯電話の中のマコチではなく目の前の彼を見ることができるのではないか、と助言する。マコチは嘘をつくような人間ではない、というのだ。
さくらは、和真に会っていた。和真は、「待っていてほしい。絶対幸せにするから」とさくらに告げる。
個展の設営準備を終えたマコチは、ソファーに座って桃香とコーヒーを飲んでいた。別れた夫が再婚することを知り、落ち込んでいた桃香は、窓の外に視線を移すと、「ごめん、ちょっとだけ」と言ってマコチの肩に頭を乗せた。
マコチに会いに来たユリカは、その様子を外から目撃していた。ふたりがキスしようとしているように見え、その場から立ち去ってしまうユリカ。実はユリカの背後には、桃香の夫と彼の再婚相手の姿があった。一連の桃香の行動は、元夫に見せつけるためのものだった。
アパートに戻ったマコチは、ユリカに草木染めを渡そうとした。そこで、個展会場に行ったこと、桃香とキスしようとしていたことを切り出すユリカ。マコチは、それは誤解だと弁明した。が、ユリカは、マコチのことではなく、自分の気持ちが信じられないのだと返す。ふたりがキスしようとしているのを見た時、声をあげて止めることも、最後まで何が起きるか見続けることも出来ずに、逃げてしまったというのだ。
ユリカは、マコチともう一度付き合いたいと思ったのは恋ではなく、手に入らなかった過去に執着しているだけなのかも、とマコチに告げると、頭を冷やしてくる、と言って部屋を出た。そんなユリカの前に、山下が現れて…。