坂元裕二、野島伸司、水橋文美江、橋部敦子、浅野妙子といった数々の超人気脚本家を輩出してきた「フジテレビヤングシナリオ大賞」。

31回目を迎える今年は、中村允俊(なかむら・まさとし)の『パニックコマーシャル』が大賞を受賞し、映像化されることが発表。主演には注目の若手俳優・赤楚衛二(あかそ・えいじ)が決まった。

今回さらに、赤楚の脇を固める共演キャストも発表に。赤楚演じる電報堂のクリエイティブディレクター・新倉がコマーシャル(CM)を担当する太陽ビールの宣伝マン・藤木役に、“2.5次元界のプリンス”と呼ばれ、最近は2.5次元舞台だけにとどまらずドラマや映画などでも活躍する若手俳優、黒羽麻璃央(くろば・まりお)が決定。

新倉が企画するCMに出演する元アイドルの清純派女優、リンカ役を元AKB48グループのメンバーで、現在は女優として活躍する北原里英が演じる。

また、新倉のCM企画にさまざまな理由でクレームをつける、カタブツ宣伝部長を演じるのが、ドラマ『HERO』でのバーテンダー役もおなじみの田中要次。

ほか、リンカのマネージャー・庄司役に阿南敦子、CM監督の雨宮役に川島潤哉、CMプロデューサーの安達役に加治将樹、新倉の同僚にはきづき、新倉の彼女役についひじ杏奈らが決定。

さらに、劇中のグミのCMに出演する女の子役には、動画アプリ「TikTok」でのフォロワー数が280万人という、?Hinata?こと野々山ひなたが決まった。

< 黒羽麻璃央コメント >

この度、藤木優介役で出演させていただきます。今回は、赤楚さん演じる新倉さんのCM現場のパートナー的な役割でございました!赤楚さんとは数年前からの仲でございましたので、いいコンビ感がだせているのではないでしょうか!

CM制作現場の裏側でのドタバタ劇!色々なアクシデントを乗り越え、果たして無事にCMを撮ることができるのか?お楽しみに!僕自身も放送を楽しみにしております!

<北原里英コメント >

元アイドルで女優として1人で歩き始めた女の子、リンカを演じさせていただきました。役とはいえ、リンカがあまりにも自分の状況そのままで、新鮮でした(笑)。同じ境遇に立つ人を演じる事の難しさを感じながらも、とても楽しく撮影させていただきました。

以前よりヤングシナリオ大賞はとても素敵な企画だと思っていて、そして若き未来ある役者さん方が出演しているので、今回出演できてとても光栄です。<ONE TEAM!>を合言葉にみんなでひとつになって作った作品です。お楽しみに!

<加治将樹コメント>

中村允俊さんのリアルでコミカルな脚本の中に生きる個性豊かなキャラクター達。私はその中でCMプロデューサー安達元彦を演じるわけですが、まわりの個性豊かな共演者の皆様のおかげで、いきいきと安達を演じることができました。

ただコミカルだけではない、己の正義と相手の正義に翻弄され葛藤する姿は世代を問わず共感できるのではないかと思います。どうぞお楽しみ下さい。

<きづきコメント>

脚本を読んで純粋に「おもしろい!」と思いました!作品の登場人物も、出演者のみなさんも、個性的でおもしろい方々ばかりなので、素敵な作品を盛り上げられればなと、気合いが入っています!

余談ですが、脚本の中村さんは大学時代の演劇仲間で、受賞をきいたときはとてもうれしかったですし、偶然キャスティングしていただけて運命的なものを感じています!笑って笑って、前向きな気持ちになれるコメディーです!是非ご覧ください!

<川島潤哉コメント>

脚本の中村さんにとって、ドラマのデビュー作となる記念すべきこの作品に出演させていただけたことを光栄に思います。僕らには想像もできないようなご苦労があっての受賞作品だと思って、自分なりに真摯に演じさせていただきました。

戯曲ではよくあることですが、受賞作品は事前に読むこともできるので、お時間のある方はぜひ、“読んだ脚本がドラマになっていく”過程も併せてお楽しみください。

<阿南敦子コメント>

この脚本を頂いた時に「え?私でいいの?何かの間違いでは?」と驚き、未だに信じられない気持ちでおりますが、間違いでもなんでもこんな光栄な事はないので最初に監督から言われた「それぞれの正義があって言っているんです」という言葉をずっと頭に置きつつ他の個性的なキャストの皆さんに負けないよう全力でぶつかっていこうと思います!

笑い、情熱、爽快感、そして大切なメッセージ。色んなものが詰まった作品で見終わった後、“明日も頑張ろう”と思っていただけるんじゃないかと思います。是非、ご覧ください。

<田中要次コメント>

CMの撮影現場をクライアント目線で体現してみるというのは貴重な経験でした。どちらかと言えば、口を挟めば煙たがられ嫌われがちな存在ですが、善悪が分かりやすい関係にならないように書かれたシナリオに助けられ、こちらも正当性を持って演じさせて頂きました。

撮影当日になって迷走し始めた演出プラン。どんな作品になってしまうのか?果たして撮影は終わるのか? あ、この物語の事です。お楽しみに!

< 『パニックコマーシャル』ストーリー >

※シナリオ全文はこちら

おしゃれなCMを作ろうと燃えるクリエイティブディレクター・新倉(30)は、発泡酒「ビアライト」のCM撮影に臨んでいた。クライアントの宣伝担当・藤木は、新倉の企画に感動し、監督の雨宮は、広告賞も獲れると期待を膨らませ、現場は明るい空気に満ちていた。そんななか、急きょ、頭の固い宣伝部長・石瓦が現れる。石瓦は、新倉の企画が従来のビアライトCMとは違うことを懸念し、修正に次ぐ修正を指示し、CMはどんどん最初のコンテとは別のものになっていく。

そんな状況に雨宮はあきれ、タレントの女優・リンカはイライラを募らせる。新倉は、クライアント・タレント・監督・プロデューサー、4者の事情をまとめようとするも、うまくいかない。結果、リンカは不満が爆発し撮影を拒否、カメラは故障、現場は最悪の空気に。いったん休憩をとることになった現場。壁にぶつかり落ち込んでいる新倉のもとに、藤木が来て…。