12月23日(月)19時~フジテレビでは『マイナビスペシャル村田諒太vsバトラー&八重樫東・寺地拳四朗トリプル世界戦』を放送する。
ボクシングWBA世界ミドル級王者・村田諒太が初の防衛戦に挑む。村田は昨年10月、ラスベガスでロブ・ブラントにまさかの大差判定負けを喫して王座陥落。引退の瀬戸際に追い込まれた。
しかし今年7月、不利の予想を覆してブラントに雪辱を果たし王座奪還に成功。日本中に感動の嵐を巻き起こした。あれから約5ヵ月、挑戦者のスティーブン・バトラー(カナダ)を相手に初の防衛戦に臨む。
同日開催されるのは、 元3階級制覇王者の八重樫東のフライ級での世界王座挑戦と、WBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗の7度目の防衛戦。
フジテレビでは、先日WBSSバンタム級トーナメント優勝を果たした、令和元年のスポーツ界の顔ともいえる井上尚弥を番組ゲストに迎え、トリプル世界戦を生中継する。
村田諒太「主要4団体のチャンピオンの中でトップに立つ」
7月のリベンジマッチでの勝利は、村田に再び“トップ・オブ・トップ”を目指すという大きな目標をもたらした。10月の記者会見で語った夢は「主要4団体のチャンピオンの中でトップに立つ」というスケールの大きなものだ。
対戦相手のバトラーは、世界初挑戦の24歳。“BANG BANG (バンバン)”というニックネームのとおり好戦的な選手で、現在28連勝(24KO)中と波に乗っている。WBOでは世界ランキング1位、主要4団体ですべてランク入りしており、高い評価を受けている将来有望な若手だ。会見では「戦争を起こすつもりで挑む」と語り、闘志を見せた。
「負ければ引退」と、常に覚悟する村田とは対照的に、バトラーは若さとパワーを前面に押し出して村田に襲い掛かり、死に物狂いで金星を奪いにくるだろう。
それでも村田は「かみ合う相手だと思う」と語り、バトラー撃破に自信を見せる。これまで村田が世界戦で拳を交えた相手は、どちらかと言えば技巧派が多かっただけに、パワーと強打を武器とする両者は、今まで以上に迫力のあるミドル級らしいファイトになると予想される。
八重樫東「命をかけて戦う」
八重樫東は、IBF世界フライ級王者のモルティ・ムザラネ(南アフリカ)に挑む。数々の名勝負を生み出してきた36歳のベテランは、記者会見で「命をかけて戦う」と決意表明。
2年7ヵ月ぶりの世界タイトルマッチに、20年を超えたボクシング人生のすべてを捧げようとしている。八重樫は2017年5月、IBF世界ライトフライ級王座の防衛戦でミラン・メリンド(フィリピン)にまさかの初回TKO負けを喫して王座から陥落した。
現役引退も頭をよぎったが「このままでは辞められない」と再起を決意。復帰してからは20代のころを上回るハードトレーニングを自らに課し、2年かけて世界タイトルマッチまでこぎつけた。
王者のムザラネは、37歳で八重樫と同学年にあたる。年齢をまったく感じさせないスタミナの持ち主で、強固なディフェンスからグイグイ前に出て手数で勝負するボクサーだ。八重樫は「自分がどうやって崩していくか。一筋縄にはいかない」と厳しい試合になることを覚悟している。
八重樫はどんな相手にもひるまず、難敵であるほど燃え、激闘によってファンの心を揺さぶってきた。今回の試合も、ボクサー八重樫東の生き様を見せてくれるだろう。
寺地拳四朗は、リングネームを改め初の防衛戦
日本国内の世界チャンピオンで、現役最多となる6度の防衛を成功させてきた拳四朗がリングネームを本名の寺地拳四朗に改め、心機一転7度目の防衛戦に臨む。
この試合は当初、IBF王者フェリックス・アルバラード(ニカラグア)との統一戦と発表されていたが、アルバラードのドクターストップにより試合は中止に。寺地が熱望していた統一戦は残念ながら流れてしまったが、本人は「まったくモチベーションは落ちていない」と断言する。
対戦相手のランディ・ペタルコリン(フィリピン)は、WBA暫定王座に就いた経験を持つ実力者。戦績は31勝(23KO)3敗1分で、正統派のサウスポーでありながら、フィリピン人選手らしく一発の強打を秘めている。試合まで1ヵ月のところで対戦相手が右構えから左構えに変わるという非常事態にも、寺地は「1ヵ月あれば十分」と自信を見せる。
世界戦7試合中、4試合でKO勝ちという安定した王者の見事な倒しっぷりに期待がかかる。
<WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者・井上尚弥選手コメント>
今年最後の『FUJI BOXING』はトリプル世界戦になりますが、スピード・パワー・テクニック・ディフェンス・キャリア・メンタルとボクシングの全てが詰まった3試合になると思います。中でも注目しているのは、同門の先輩、八重樫東選手の2年7ヵ月ぶりの世界戦となる、IBF世界フライ級タイトルマッチです。相手の王者ムザラネ選手も37歳と、ベテラン同士だからこそのキャリアを駆使したハイレベルなテクニック、そして意地と意地のぶつかり合いの好勝負になると思います。僕も全力で応援します!
<試合カード>
WBA世界ミドル級タイトルマッチ
王者:村田諒太(帝拳)vs 挑戦者:スティーブン・バトラー(カナダ)
IBF世界フライ級タイトルマッチ
王者:モルティ・ムザラネ(南アフリカ)vs 挑戦者:八重樫 東(大橋)
WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
王者:寺地拳四朗(BMB)vs 挑戦者:ランディ・ペタルコリン(フィリピン)