今年11月、12月に歌舞伎座での十三代目市川團十郎白猿襲名披露を控える市川海老蔵さん。この襲名披露興行を終え、2023年1月、新橋演舞場で「新春歌舞伎公演 市川團十郎襲名記念プログラム『SANEMORI』」の上演が決定。

その製作発表記者会見が、10月4日に行われ、海老蔵さん、宮舘涼太(Snow Man)さんが出席しました。

「SANEMORI」は、古典歌舞伎の名作「源平布引滝」より「実盛物語」を主軸にした歌舞伎作品です。

市川海老蔵の突然の発表に宮舘涼太困惑「えっ本当ですか!?」

2019年に「ABKAI」で上演されてから約3年ぶりに公演されます。

海老蔵さんは、「新しいことを作り上げていくということは、初代團十郎から信念がありました。そういったことも継承していかなければいけない。なので、新しいことに挑戦する姿も早々にご覧に入れようということで、團十郎だからと言って、守りに徹しないで、攻める姿勢を続けたいので、この演目を選定しました」と説明。

前回の演目から変化もあるそうで、「私は、一役の予定です。私がやっていた木曽義賢(きそ・よしかた)を宮舘くんに、お願いしようかと。宮舘くんが、急遽『義賢をやりたい』ということで、お譲りしようかと思っています」と明かすと、そのことを聞かされていなかった宮舘さんは、「そうみたいですね…。えっ、本当ですか!?」と驚き。

そして宮舘さんは、「今ここにいる(記者の)皆さまと同じタイミングで知りました(笑)。早急にお稽古を始めたいと思います…」と語りました。

前回の公演で海老蔵さんと初共演をした宮舘さん。

「3年前はジャニーズjr.として、ご一緒させていただき、そこからデビューをして、いろいろなことを経験してきました。Snow Manのメンバーには『絶対に、見に行くからね!』とか言われながら、今こうやって記者会見の場に立たせていただいています。そして、この場で自分の役を知ったわけなんですけど、気持ちの整理がつかないですね」と苦笑い。

海老蔵さんは、「前回の私の役の義賢を見ました?あのままは難しいかもしれませんが、近しい形になれるように、宮舘さんが輝けるようにね。つまり、宮舘さんは(木曽義仲と木曽義賢の)二役をやることになりそうです」と発表。

宮舘さんは、「前もって言ってください…」と困惑の表情を見せると、海老蔵さんは「会見の前までは、裏でこの3年間の過ごし方とかを話していて、なにも聞かれなかったんで、『知っているのかな?』と思って」と笑いました。

また、海老蔵さんは「木曽義仲と義賢は、親子、父と子なんです。それを宮舘さんは1人でやるんです。歌舞伎では(一人二役は)よくあること。ジュニアの時代に木曽義仲を務めて、Snow Manとしてデビューして3年が経ち、今回は親子役を“舘様”にやっていただく」と語ると、宮舘さんは、「皆さん聞きました?いま、“舘様”と呼んでいただきました」と喜びました。

そして、宮舘さんは、「感情がぐちゃぐちゃです。二役やることを今聞いて、うれしさもあり、今後の課題も見つかるという感じです」と答えました。

宮館涼太、Snow Manメンバーからも祝福「やっと夢が実現できるね!」

宮舘さんは、「市川團十郎襲名記念プログラム」に参加する感想を、「『すごく貴重な経験をさせていただくな』という感じです。僕自身も歌舞伎が好きで、時代物に触れることは、夢に思っていたことです。3年前もいろいろな経験をさせてくれた方に、成長を見ていただき、個人としてもそこに力添えができたらと思います」と語りました。

海老蔵さんは、「(前回の共演で)宮舘さんに感じたことは、稽古や初日、千秋楽に向かっていく姿をずっと見てきました。伝統の古典に向き合う姿勢が、今の若い方にあまり見ないような、真っすぐで、妥協もしない姿勢を感じました。それゆえに、緊張や固定観念と戦う姿も見てきました」と。

続けて、「(今回は)宮舘さんに望むものや、期待することは、私がするべきことではないです。それは、お客様が求めるもの。宮舘さん自身のやり方がありますから、ジュニアの時から、デビューした3年間も頑張ってきたと思います。私からは、おこがましいので言えません。でも、どうやって2役を理解して向き合うのかなと、拝見して僕自身も勉強したいです」とほほ笑みました。

宮舘さんは、海老蔵さんについて「Snow Manで舞台はやらせていただいているのですが、1人で立たせていただくというはなかったので、舞台に挑む姿勢というものを学ばせていただきました。(海老蔵さんは)オーラがすごかったです。何役もやられて、その役によって変化していくんです。自分は、3年前は1役をがむしゃらにやっただけだったので、何役もこなしながら、物語を進ませていく姿に、衝撃を受けました」と語りました。

デビューして3年が経ち、宮舘さんは、「人前に出て、1人の表現者として、エネルギッシュに伝えることを日々探して3年間活動してきました。それを見せられたらと思います」とコメント。

また、「Snow Manのメンバーには、みんながいるタイミングで、(今回の公演を)発表させていただきました。もともと僕が、歌舞伎や時代劇に関わるお仕事をしたいとメンバーも知っていたので、『やっと実現できるね!』という言葉をいただきました」と明かしました。

さらに「今、Snow Manのライブツアー中で、その中で稽古などもやらせていただきますが、大変だとは思っていないです。自分のやりたいことを楽しみつつ、頑張れたらと思っています!」と意気込みました。

海老蔵さんは、宮舘さんについて「昨今、時代劇が衰退していると感じています。その中で、宮舘さんのような方が、時代劇や歌舞伎に挑戦していくということは、伝統的な日本の娯楽を継承していく可能性が広がると思います。今回の公演のような経験をして、ご自身のやりたいことのふり幅が広がることを期待します。いい時代劇の役が来ることを祈りつつ、そういうときは、私を使っていただいて。よろしくお願いします(笑)」と言葉を贈りました。

また、「(宮舘さんが)歌舞伎や時代劇に興味があると聞いていました。この企画は、私も望んでいましたが、一番宮舘さんが望んでいた形の1つになっていると思います。Snow Manとしてみんなとやっていればよかったのに、あえて1人で挑戦することは、自分自身にそういう思いがあったからだと思います」と説明。

宮舘さんが、「望んでしかいませんでした!」と返すと、海老蔵さんは、「なんか(宮舘さんが言うと)面白く聞こえるのはなんででしょう?」と返し笑いを誘いました。

最後に、会見に出席した袴姿について、宮舘さんは、「『ついに始まるんだ』という気持ちです。(袴についている)紋所も、Snow Manの雪の結晶となっています。3年前に参加させていただいたものと一緒の衣装です。僕含めて9人分のSnow Manの思いを込めています」と明かしました。