手のひらサイズの愛らしい人形や、ハイクオリティなお家と家具を展開する玩具シリーズ『シルバニアファミリー』。
1985年に発売されると、象徴的な“赤い三角屋根のお家”と、森に住む動物たちの人形は瞬く間に一大ブームに。現在では80の国と地域で愛される玩具へと成長しています。
エポック社の『シルバニアファミリー』ブランディング担当者に話を聞くと、売り場の変化やSNSの普及によってファン層が拡大していると話します。

数年前までそれぞれの国で違った名前で呼ばれていた!?

『シルバニアファミリー』誕生から40年。
長い歴史の中で、シルバニア村の世界の家電や洋服も時代に合わせて変わってきましたが、ネーミングや販売場所にも変化がありました。

2007年発表 ショコラウサギの女の子

今では、シルバニアファミリーを象徴する存在となった、赤い水玉模様が目を引く『ショコラウサギの女の子』。

日本では、「子どもが思い入れをもって好きな名前で呼べるように」という思いから当初、名前を付けていませんでした。
そうした中、実は海外では環境や文化も違い、“誰が主役”とか“名前があること”が大事とされていたことから、アメリカだと『ベル』、ドイツだと『ルナ』という、それぞれの国でなじみのある名前を付けて世界へ打ち出していたんだそう。

しかし、10年ほど前から海外での展開が大きくなりグローバル化が進み、今では世界共通でショコラウサギの『フレア』という名前で展開するようになったといいます。

日本でも、今から5年ほど前にショコラウサギの『フレア』と呼ぶように。

『シルバニアファミリー』ブランディング推進室マネージャー 前 美里さん

そのワケをブランディング担当の前 美里さんに聞くと、「日本の子供が大人になって海外で仕事するなんてことは、おそらく普通になってくるっていう時代にこの子に『フレア』っていう名前があって、子供の頃の思い出を世界中の人達と共通に語れる玩具に育って欲しいという思いもあり、ネーミングを世界で統一しています。」と話します。

ちなみに、キャラクター全員に名前が付けられ、誕生日や好きなことなどもあるんだそうです。
 

コンビニに展開&SNSの普及でファン層拡大へ!

そして、当初はおもちゃ売り場での取り扱いを基本としていた『シルバニアファミリー』ですが、7、8年ほど前から販売する売り場にも変化が。

2025年発売 赤ちゃん妖精の森のなかまたちシリーズ

「大人になると、おもちゃ売り場に行かない限りシルバニアに触れる機会がなかったのですが、コンビニに置くことで大人の方も手に取ってくださる機会が増えてファン層の拡大につながりました」と前さんは明かします。

2025年発売 赤ちゃん妖精の森のなかまたちシリーズ
画像提供:エポック社

幅広い世代をターゲットにするべく、身近なコンビニでも販売を開始。
コンビニにも置けるような商品のサイズ感にもこだわり、“中身が見えない形”で売り出しました。

すると、狙いが的中!
“何が出るかは開けてからのお楽しみ”という子ども心をくすぐる商品が大人にハマり、SNSで発信されると、瞬く間に大人の間でも人気に。箱買いする人も増えたんだとか。

コンビニ流通やSNSの普及なども相まって40周年を迎える今では下は3歳、上は60代以上と幅広い層を取り込んでいます。
そうした中、数年前からSNSで注目されているのが『シル活』
ファンはどのような思いで『シル活』を始めたのか取材しました。