<円広志 コメント>

曲のシチュエーションは、本当に小さな日常の一コマから始まります。焦がしたトーストの匂いで彼女が目を覚ます、という些細(ささい)な出来事。でも、そこから世界中に温かい気持ちが広がっていけばいいな、という思いを込めました。

もちろん、世の中はきれいごとだけではないかもしれません。でも、そんなことも乗り越えて、「君さえいれば生きていける」というシンプルな思いから、この歌の世界が広がっていけばいいなと思っています。

世界ではいろいろな争いごとが起き、未来への不安は尽きません。でも、人間は弱さも抱えているからこそ、支え合える。たった一人でも大切な人がいれば、どんな困難も乗り越える「百人力」の力が湧(わ)いてくる。そんな希望をこの曲に込めました。

人それぞれ、パートナーや家族など、大切な人が絶対にいるじゃないですか。この歌は、そういう、みなさん一人ひとりにとっての大切な人へのメッセージなんです。

いろいろなことがあっても、心の中からじわーっと湧いてくるような幸せ、それが“何となく幸せ”だと思うんです。

「辰巳くんは、最高のボーカリストで、日本を代表する歌手になると思う」

ミュージックビデオで、ひまわりの花が芽吹くように、心の奥底からふわーっと生まれてくる感覚です。大きなお家を建てた、といったわかりやすい幸せも素晴らしいですが、僕が伝えたかったのは、もっと得体の知れない、心の奥底から芽生えてくるような幸せ感。「君さえいれば、一番大切な幸せが生まれてくる」という思いを、この曲に託しました。

MVには、出演者みんなが出てくるんですが、これが結構面白いでき栄えなんです。実は、本番前に少しずつスタッフさんが撮っていたものなので、「こんな短い時間で本当に形になるのかな?」と思っていたんですが、見事に編集されていて、すごく楽しい作品になっていますね。

(円さんのアイデアで「となりの人間国宝さん」で出会った人々の笑顔も盛り込まれていることについて)この番組の主役は、テレビをご覧のみなさんであり、街に住んでいる方々だと、僕は思っています。MVには、その思いを込めたかったんです。

『よ~いドン!』で一番大切にしているのは、とにかく“楽しいこと”。見ている方はもちろん、僕たち出演者自身が楽しくなければ、良い番組は作れません。僕自身、心や体がしんどいときにスタジオに来ても、帰るころには元気になっている。そんな温かい空気感が、映像にもよく表れていて良かったと思います。CM中も、みんな本当に賑(にぎ)やかで(笑)。その楽しさが、画面を通してみなさんに伝わり、一緒になって楽しんでもらえたらうれしいですね。

(辰巳さんについて)辰巳くんの歌声が素晴らしいのはもちろんですが、それ以上に、彼自身が持つ温かい人柄が、この歌の世界観を表現してくれると確信していました。

だから、絶対的な自信もあったし、安心してお任せできましたね。レコーディングで彼の歌声を聴いて、「これはいい!」と心から思いました。辰巳くんは、最高のボーカリストで、これから日本を代表する歌手になると思います。

この曲は、みんなで歌って初めて完成するような曲。フェスではぜひ、会場のみなさんと一緒に大合唱したいですね。そうやって、会場のみんなが一体になれたら、その時間は“何となく幸せ”になれるんじゃないかな。そういう温かい場面になることを望んでいます。