8月20日、映画「ハウ」の公開記念舞台挨拶が行われ、田中圭さん、池田エライザさん、モトーラ世理奈さん、長澤樹さん、宮本信子さん、犬童一心監督が登壇しました。
この作品は、心に傷を負った、ちょっぴり気弱な青年・赤西民夫(田中さん)と、ワンと鳴けない捨てられた一匹の保護犬・ハウとの絆を描いたヒューマンドラマ。
MCの呼び込みをきっかけに、“ハウ”を演じた俳優犬・ベックを連れて、仲良くお散歩スタイルで客席から登場した田中さん。
「天才俳優犬のペックくんです!」と紹介し、「初日を迎えてテンションが高いのか、すごく(舞台裏で)飛び跳ねてました」と報告。
「扉が開いた瞬間、堂々と歩き始めたので『さすがやな』と思いました」と続けました。
ただただベックが可愛い!
初日を迎えた感想を聞かれた田中さんは「世代と問わず、おすすめできる作品です。自分の周りの子どもたちも『見たい』と言ってくれていているので、『夏休みだから早く行けよ』って言ってます」とにっこり。
続けて「ベックは、可愛くて、白くてふわふわで、食べちゃいたくなる感じなんですけど、撮影では、共演者としてお芝居をさせてあげないといけない、と考えていた」と回顧。
舞台挨拶などプロモーション活動で会うときに、ただただ可愛いと愛でられるのが嬉しいと話しました。
本作の“心を動かされたシーン”について聞かれると、田中さんは「ハウが一生懸命、主人公に会うために大冒険をするわけじゃないですか。そこだけでキュンキュンするし、嬉しくもなるし、悲しくもなるし、いろいろ複雑な気持ちになりました」とコメント。
続けて「ただひたすら、ベックがキュンとしているのがたまらないです」と熱弁をふるいました。
池田さんは「優しすぎる結末というふうに、プロモーションでよく言っていて、本当にそうだなと。愛を感じました」と。
「たくさんの人とハウが出会う中で、ふとハウが1匹でたたずむ後ろ姿に哀愁を感じて、胸がギューッとなるので、どういう人生を積んだらあの背中になれるんだろうか、と思わされるものがありました」と語りました。
宮本さんは「ハウの一途な一生懸命なところに胸をうたれる、ハウに癒されて元気になるというふうに感じています」と話しました。
田中圭のもう一度会いたい大切な人
イベントでは、ストーリーにかけて、「もう一度会いたい大切な人は?」と質問。
田中さんは「母ちゃん」と答え「たまに犬の散歩をしているのを見かけて、『可愛いね』って寄っていくときに『この子と何かあったの?』と驚くぐらい可愛がる人がいるじゃないですか」と切り出します。
「(母が)むちゃくちゃ犬好きで、そういうタイプだったんです」と明かし、「自分がベックと一緒に舞台挨拶に立っている姿をすごい見たかっただろうなと思いますね」と思いをはせました。
池田さんは学生時代を振り返り「駄菓子屋のおばちゃん」と回答。
「当時反抗期で、仕事も忙しくて、始発で福岡に帰ってきて、このまま学校に行くのが嫌というときは、通学路の途中にある駄菓子屋さんに行って、『学校に行くのがめんどくさいよ』という話を聞いてもらっていました」と振り返りました。
「あの空間がすごく好きだったなと思って、今でもLINEで連絡してるんですけど(笑)。なかなか地元に帰ることができないので、そろそろ会いたいです」と打ち明けました。
作品概要
婚約者にあっさりフラれ、人生最悪な時を迎えていた市役所職員・赤西民夫(田中圭)。横浜で一人空虚な日々を送る彼は、上司からの勧めで、飼い主に捨てられて保護犬になってしまった真っ白な大型犬を飼うことになってしまう。
犬はワンと鳴けず「ハウッ」というかすれた声しか出せない。とびっきり人懐っこいこの犬を、民夫は“ハウ”と名付け、1人と1匹の優しくて温かい日々が始まった。
民夫にとって最初は戸惑うことも多かったハウとの暮らしだったが、何をするにもいつも一緒な“2人”の絆は次第に深まり、いつしかかけがえのない存在となっていった。
ハウと民夫の最高に幸せな時間はずっと続くと思っていたのだが…。そんな時、突然ハウが姿を消す。あらゆる手段を尽くしてハウを探す民夫だが、無情にも「ハウによく似た白い大型犬が事故死した」という情報がもたらされる。
しかし、横浜から遠く離れた北の地でハウは生きていた!偶然のアクシデントが重なり、ハウは青森まで運ばれてしまったのだ。
ハウは、大好きな民夫の声を追い求め、「もう一度、君に会いたい」という一心で青森から横浜・798キロの道のりを目指す。民夫はハウがいないという現実に苦しみもがきながらも、少しずつ向き合おうとする。
民夫のそばで優しく寄り添う同僚の足立桃子(池田エライザ)の支えもあり、みんな、それぞれに悲しみを抱えながら生きていることを学んでゆく。
一方、ハウは民夫を探して走る道中で、悩みや孤独、悲しみを抱えた人たちと出会う。震災の風評被害に心を痛める女子中学生の麻衣(長澤樹)。愛する夫(石橋蓮司)を亡くし、ひとりで傘屋を営む老女・志津(宮本信子)。深刻なDV被害に遭い、修道院のシェルターに保護された若い女性・めぐみ(モトーラ世理奈)。
彼女たちに寄り添い心を癒していく。果たして、長い旅路を経てハウと民夫はもう一度再会することができるのか…。そこには、優しすぎる結末が待っていた。
映画「ハウ」は、公開中。
©2022「ハウ」製作委員会
配給:東映