2月22日(土)の『週刊フジテレビ批評』では、東日本大震災からまもなく丸9年となる宮城・気仙沼で、カフェを営みながら被災者と寄り添い続ける俳優・渡辺謙に話を聞く「The批評対談」の特別企画(前編)が放送される。

インタビューは渡辺謙が作ったカフェ「K-port」で行われ、聞き手は渡辺和洋フジテレビアナウンサーが務めた。

渡辺アナ:この場所「K-port」は、本当に謙さんにとって特別な場所だとお伺いしました。

渡辺謙:特別な場所として作ったんですけど、ある意味、僕にとっては非常に鎧を外して、ものすごくパーソナルな自分でいられる場所ではありますね。

自身にとっても「居心地よくしてくれる場所」と語るこのカフェで、渡辺謙は、1日皿洗いをすることもあるという。

きっかけは、被災地を回る中で、気仙沼にできた友人からの「もう、人が集まる場所がないんだよね」という一言。

そこからとんとん拍子に話が進み、「芝居小屋、テント小屋みたいに…」と、建築家・伊東豊雄氏にデザインを依頼。変形五角形のカフェ「K-port」が完成した。

さまざまな思いが詰まったこのカフェに、渡辺謙は、ほぼ毎日FAXを送っているという。

渡辺謙:そんなに大層なことではなくて、1日のうちに5分だけ、それを書いている時間だけ「僕は気仙沼のことは忘れてませんよ」ということを紙に託すというか…。

ロンドンにいても、ニューヨークやボストンにいてもFAXを送り、撮影中は「撮影日誌みたいになってる」と言いつつも、欠かすことはない。

そんな渡辺謙の姿勢に、

渡辺アナ:やっぱり俳優・渡辺謙さんが、被災地の方と向き合うということ、非常に大きな意味があると思うんですけど…?

これに、渡辺謙は「僕は、“向き合う”っていうより…」と、慎重に言葉を選びながら自身の思いを語っていく。

渡辺謙は、東日本大震災直後から現在に至るまでの関わり方、当時の思い、また自身が病気療養中だった阪神淡路大震災の時のことなどを振り返りながら、未来にも目を向けている。

渡辺謙:この辺だと、石巻とか北上くらいまで行かないと映画館がないんですよ。常設で作るのは難しい中、80人くらいのキャパなんですけど、映画を上映する施設を作っていただきまして。ここ(カフェ)だけではなく、このエリア全体で何ができるかを模索する、スタート地点にきているような気がします。

この地で、昨年は舞台「王様と私」を上映。今年は、自身の最新作「Fukushima 50」(フクシマフィフティ) の試写会も行われた。 そんな取り組みも含め、 「エンターテインメントの人間として…」できること、考えていることについても言及する。

次週、2月29日の放送では、「The批評対談」の特別企画(後編)を放送する。