田中圭さんが出演する映画「ハウ」の完成披露上映会が、8月1日に行われ、田中さん、池田エライザさん、渡辺真起子さん、モトーラ世理奈さん、長澤樹さん、犬童一心監督が登壇しました。
この作品は、心に傷を負った、ちょっぴり気弱な青年・赤西民夫(田中さん)と、ワンと鳴けない捨てられた一匹の保護犬・ハウとの絆を描いたヒューマンドラマ。
イベントには、田中さんの掛け声で“ハウ”を演じた俳優犬・ベックが登場し、拍手で迎えられました。
田中さんは、ベックにマイクを向け、「『どうも、天才俳優犬のベックです!このハウを演じれて幸せでした。みんな、ありがとう』と言っています」と紹介しました。
田中圭、ベックとの撮影を振り返り「自由奔放さに癒された」
田中さんは、ベックとの撮影を振り返り「あのベックの可愛さなので、スタッフさんたちも『ベック!ベック!』ってやりたいんです。でも、監督が気を遣ってくれて、『僕たち(田中さんとベック)に短期間で絆を作ってほしいから』と、僕がいるときは、なるべく構うようにして、(優先的に)コミュニケーションをとっていました」と回想。
続けて、「散歩のシーンとか、(ベックは)まだヤンチャなので、突然マックススピードで走りだすんです。気を抜くと、事故になるくらいのスピードなんです。でも、僕はまだ体力的には自信がある方なので、『俺を振り切れると思うなよ!』という感じで一緒に走るんですけど、めちゃくちゃ速かったです」と。
「撮影中は、本気で走れる本番と、本気で走れない本番という感じで何種類かあったんです。ベックが本気で走りたいときは、『いつですか?いつですか?』としっぽを振っているのが印象的でした。すごく素直なベックの自由奔放さに癒された撮影でした」と語りました。
池田さんは、「撮影中は、おりこうさんにしてくれていました。現場の『よし!』という空気にすごく敏感で、OKがかかると、年相応の無邪気なワンちゃんに戻るんです。それも(表情)豊かで愛おしかったです」と明かしました。
また、本作の感動ポイントについて田中さんは、「ハウが、映画の途中に民夫と離れて、1人でいるときに、しっかりと1人の芝居をしているんです。あれはすごいと思いました。雨のシーンで、雨宿りをして鳴く時とか、“ズキュン”です。皆さん、覚悟した方がいいです。これを見た95%の方は、『犬を飼いたいな…』と思いますよ」と話しました。
池田エライザ、飼いネコに癒された瞬間「ズキュン!と来ました」
会場には、全国から寄せられた“癒し犬”の“最高に癒された瞬間”の写真を使用したモザイクアートが。
田中さんは、「一番最初に見たときに、『何の絵なんだろう?』と思ったら『あっ!写真だ』と。上の方まで見たいですね」とニッコリ。
そんな、本作にかけて「心を癒されるもの」を聞かれた田中さんは、「ベタですけど、赤ちゃんです。最近友達に赤ちゃんが生まれまして。すごくかわいくて、癒されています。(友達の子どもなので)1つ責任が違うじゃないですか。ただただ、かわいがればいい。なんの責任も感じずに『あぁ!かわいい!かわいい!』って」と目じりを下げました。
池田さんは、「ウチに小鳥が5羽とネコが2匹いるんです。後輩ネコがわんぱくなので、『先輩ネコのストレスにならないかな?』と心配していたんですけど、どんどん先輩ネコがお姉さんらしく、しっかり者になったんです。でも、後輩ネコがいない間に、フミフミしてきてくれて、それに癒されました。お姉さんぽくしていたけど、『変わってなかったんだな』と思って、ズキュンと来ました」と回答しました。
最後に田中さんは、「僕たちが見習わなければいけないことや、なかなかうまく出来ないことを、真っすぐぶつけてくるハウがそこにいます。『自分もこうなりたい』と思えるし、『こういう世界がいいな』と映画を見終わった後に思いました。ハウから学ぶことが、たくさんある映画でした。ぜひ、映画を見終わった後の幸せな気持ちを持ち帰っていただければ」と締めくくりました。
作品概要
婚約者にあっさりフラれ、人生最悪な時を迎えていた市役所職員・赤西民夫(田中圭さん)。横浜で一人空虚な日々を送る彼は、上司からの勧めで、飼い主に捨てられて保護犬になってしまった真っ白な大型犬を飼うことになってしまう。
犬はワンと鳴けず「ハウッ」というかすれた声しか出せない。とびっきり人懐っこいこの犬を、民夫は“ハウ”と名付け、1人と1匹の優しくて温かい日々が始まった。
民夫にとって最初は戸惑うことも多かったハウとの暮らしだったが、何をするにもいつも一緒な“2人”の絆は次第に深まり、いつしかかけがえのない存在となっていった。
ハウと民夫の最高に幸せな時間はずっと続くと思っていたのだが…。そんな時、突然ハウが姿を消す。あらゆる手段を尽くしてハウを探す民夫だが、無情にも「ハウによく似た白い大型犬が事故死した」という情報がもたらされる。
しかし、横浜から遠く離れた北の地でハウは生きていた!偶然のアクシデントが重なり、ハウは青森まで運ばれてしまったのだ。
ハウは、大好きな民夫の声を追い求め、「もう一度、君に会いたい」という一心で青森から横浜・798キロの道のりを目指す。民夫はハウがいないという現実に苦しみもがきながらも、少しずつ向き合おうとする。
民夫のそばで優しく寄り添う同僚の足立桃子(池田エライザさん)の支えもあり、みんな、それぞれに悲しみを抱えながら生きていることを学んでゆく。
一方、ハウは民夫を探して走る道中で、悩みや孤独、悲しみを抱えた人たちと出会う。震災の風評被害に心を痛める女子中学生の麻衣(長澤樹さん)。愛する夫(石橋蓮司さん)を亡くし、ひとりで傘屋を営む老女・志津(宮本信子さん)。深刻なDV被害に遭い、修道院のシェルターに保護された若い女性・めぐみ(モトーラ世理奈さん)。
彼女たちに寄り添い心を癒していく。果たして、長い旅路を経てハウと民夫はもう一度再会することができるのか…。そこには、優しすぎる結末が待っていた。
映画「ハウ」は、8月19日(金)より、全国公開。
©2022「ハウ」製作委員会
配給:東映