ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩(きつねせいめいきゅうびがり)」の初日舞台挨拶が、6月24日に行われ、中村倫也さん、吉岡里帆さん、向井理さんが登壇しました。

この作品は、2021年に上演された劇団☆新感線による舞台、いのうえ歌舞伎「狐晴明九尾狩」を映像化した伝奇時代劇。

中村倫也×向井理SPインタビュー!

狐霊のタオ役を演じた吉岡さん。劇団☆新感線に初参加した感想を、「本当にすべてが初めてだったんです。でも、劇団員の皆さんがすぐに仲間に入れてくれて、稽古もすごく楽しかったです。本番を迎えても、ファンの皆さんの温かさを劇場で感じて、参加できて光栄な仕事でした」とコメント。

しかし、ハードな立ち回りのある役だったそうで、「(舞台が)終わってから半年くらい、節々が痛かった。それが心に残っています。強くなるのを実感するような、やり切った感のある痛みでした(笑)。パワフルですね、新感線は!」と明かしました。

また、吉岡さんは「狐の衣装が想像と違っていたんです。耳としっぽの重さで殺陣(たて)の動きがついて行かないときがあって。稽古のときは、軽い発泡スチロールのようなものを着けていたので、それに合わせて殺陣をやっていたので、本番用のを着けたら、急に難易度が上がりました」と苦笑い。

これに対し、向井さんも、「(衣装の)重量があまりにも重くて、途中で替えてもらったんです。(舞台は)二幕構成で、二幕の最後が一番重いんです。その衣装は替えてくれなかった」とぼやきました。

中村倫也、吉岡里帆のテンパっている姿に「その状態を見るのが好き」

また、イベントでは、お互いの印象を語る場面も。

中村さんは、吉岡さんについて「劇団☆新感線で、メインに出る女性のキャラに求められる要素って大変なんです。コミカルさも、愛嬌も、ひたむきさも、それを演じるのにはめちゃくちゃ体力が必要なんです。今回は、殺陣での立ち回りも多くて。みんな知っていることなんですけど、劇団☆新感線は、客演の女優さんに大変なことを求めているんです。ただ、最初(吉岡さんは)あまりわかってなかったんです(笑)」と。

続けて、「もちろん不安はあったと思うのですが、あまり人に弱い部分を見せない人なので、『大丈夫です!』って言って、大丈夫ではない状態になっていく(笑)。でも、これだけ一生懸命やれる人は少ないですし、立派な女優さんだと思います」と説明すると、吉岡さんは「ありがたき、お言葉です」と恥ずかしそうに返しました。

また、中村さんは「やることが多いので、稽古や、本番中に頭や体が追いつかない状態の里帆ちゃんを見ました。その抜け殻みたいな状態の里帆ちゃんを見るのが、僕は好きだったんですけどね」とニヤリ。

吉岡さんが、「演出のいのうえ(ひでのり)さんは、人間離れした演出を、出来ると信じているんです。『君たち役者なんだから出来るよ!』みたいな(笑)。だから、頑張るしかないんです」と明かすと、中村さんは「一生懸命セリフを言っている里帆ちゃんはいるけど、『魂はどこかベッドに行っているな』っていう瞬間がありました」と語り、会場に笑いを誘いました。

作品概要

ときは平安時代の中頃。貴族たちが雅な宮廷生活を送る京の都。

そこで宮廷陰陽師として仕える安倍晴明(あべのせいめい/中村倫也)。 人並み外れた陰陽道の才能ゆえに「人と狐の間に生まれた」と噂され、“狐晴明”と呼ばれている。

ある夜、九つの尾を持つ凶星が流れるのを見た彼は急いで参内する。 それは唐の滅亡以降、大陸を戦乱に陥れた九尾の妖狐が日の本に渡ってきた印であった。

しかし、宮廷からうとましく思われている彼は退けられ、九尾の妖狐退治は大陸で学問を修めて戻った陰陽師宗家の跡取り、賀茂利風(かものとしかぜ/向井 理)に命じられる。

だが、すでに九尾の妖狐は利風を倒し、その身体を乗っ取り内裏に侵入していた。それを見抜いた晴明は、九尾の妖狐を倒さんと動き出す。

しかし、妖狐も利風の記憶や術を利用して、晴明の息の根を止めようとする。 晴明には大陸から妖狐を追ってきた狐霊のタオ(吉岡里帆)たちが加勢。 だが、タオとの因縁を逆手に取った妖狐の策略に翻弄されてしまう。

混沌とする戦いは逆転、また逆転の連続に…。

狩られるのは妖狐か、それとも晴明か。術と頭脳、そして陰陽師の誇りを懸けた死闘が今、幕を開ける!

ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」は、6月24日より、3週間限定で全国公開。
著作:ヴィレッヂ/劇団☆新感線
配給:ヴィレッヂ/ティ・ジョイ