3月12日 (木)のフジテレビ『直撃!シンソウ坂上』は、事故10年目の福島第一原発を特集。

2011年3月11日に発生した東日本大震災。この時、福島第一原発は巨大な津波にのみ込まれた。原子炉建屋では、水素爆発が立て続けに起こり、放射性物質が拡散されてしまう非常事態だった。

事故10年目を迎えた今、世界最大レベルの原子力事故を起こした福島第一原発に迫るため、東京電力の全面協力のもと、番組MCの坂上忍が直撃取材。現在の福島第一原発の内部を民放ゴールデン帯で初公開する。

震災当時のままの建物…

取材のため、まず坂上が向かったのは、東京電力から指定された福島県富岡町。

3年前に避難指示が一部解除されたばかりの富岡町で東京電力の担当者と待ち合わせ、坂上は福島第一原発へ。

車で5分ほど走ると、「帰還困難区域」という看板が。「帰還困難区域」とは、人が住むことのできない立ち入りが制限された区域。そこには、震災当時のままの建物や、人がいなくなった住宅での盗難事件が相次いだためにバリケードが設置された民家などがむき出しのまま残っていた。

福島第一原発に到着した坂上は、施設内で原発に入るための厳重な準備を行う。

用意されていたのは3足の靴下。担当者によれば、これは放射線に汚染された場合に備え、1足ずつ脱げるようにするための対策。

また、「ホールボディーカウンター」で体内に蓄積されている放射能を測定。事前に測定しておけば、取材後のデータと比較することで、どの程度の放射性物質を体内に取り込んだかが分かるという。

さらに専用ベストを着用すると、被ばく量を測る線量計が手渡される。

およそ30分かけて入念な準備を終えた坂上は、原子炉建屋へ向かう。

9年間の変化と課題

道中、春になると400本の桜が咲き誇るという「さくら通り」へ。原子力事故当時、敷地内は防護服を着用しなければ歩くことができなかったが、10年目を迎えた今では私服や軽装備での行動が可能になっている。

その理由は敷地内の放射能で汚染された土を取り除き、一面モルタルに変えるフェーシングという作業をするなど、放射性物質の拡散を防ぐ対策が進んでいるため。

元々、敷地内は土がむき出しになっており、放射能で汚染された土ぼこりで放射能を体内に取り込んでしまう危険性があったが、フェーシングにより、その危険性が大幅に軽減したためだという。

そして、坂上の目に飛び込んできたのは、およそ1000基もの大型のタンク。そのタンクには、「汚染水」から大部分の放射性物質を取り除いた「処理水」が入っている。

このまま「処理水」が増え続けると、あと2年半で敷地にタンクを置く場所がなくなってしまうという。こうした「処理水」だけでなく、今後も解決が困難な福島第一原発の課題が明かされていく。

坂上忍が原子炉建屋へ

そして、いよいよ坂上は9年前に水素爆発が起きた原子炉建屋へ。

建屋を間近に見て「(遠目から見ていたのとは)迫力が全然違う」と坂上が息をのんだ光景とは。

そして、坂上は防護服を着た上に全面マスクをつけるという完全装備で原発内部へ。

今回は、水素爆発を起こした1号機と、最も危機的状況といわれた2号機の原発建屋の中への取材が特別に許された。

中でも、1号機と2号機の原子炉からわずか20m、原発の心臓部である中央制御室では、事故当時に最前線で闘い、命がけで復旧作業を続けた作業員の奮闘の痕跡が生々しく残っていた。

津波により水没した建屋内部の現在の様子とは…。

さらに、坂上が「まさか見られると思っていなかった」ともらした、使用済みの核燃料棒を保管する共用プールにも。

徹底した現場取材から、9年前に起こってしまった世界最大レベルの原子力事故の真相と福島第一原発の今後に迫っていく。

スタジオゲストとしてカズレーザー(メイプル超合金)、川田裕美が出演する。