3月19日(木)、東京・北青山にて、ファッションブランド「SREU」が自社で製作した布マスクの無料配布「2020A/W free MSK」を行った。
これは、新型コロナウイルスの感染拡大により、3月に開催予定だった東京コレクションが中止となったことを受け、ブランドが「何かできることはないか」を考えて行動を起こしたもの。
同ブランドの企画に賛同したモデルの箭内夢菜(やない・ゆめな)、葵揚(あおい・よう)、月山京香(つきやま・きょうか)、三根有葵(みね・ゆき)が先頭に立ち、街ゆく人に声をかけた。
フジテレビュー!!では、マスクを無料配布する様子を取材するとともに、この企画を立ち上げたSREUのディレクター米田年範氏に企画に至った心境や実際に配布した感想を聞いた。
マスクの無料配布は、モデル自身が事前にSNSなどで告知をしていたこともあり、スタート時は、多くのファンが殺到。
その後、「マスクお配りしています」「洗って使えるマスクです」などとモデルたちが呼びかけると、通りかかった会社員、散歩や買い物中の老若男女さまざまな人が集まり、30分とたたず300枚のマスクを配布し終えた。
マスクを手にした人からは、「え、何回も使えるの?」「すごい!かわいい!」「本当にマスクがなかったから助かった~」などの声が聞かれた。
現状が収束したら「コレクションを歩きたい」(三根)
マスクの配布を終え、取材に応じた箭内は「たくさんの方が来てくださって、あっという間にマスクがなくなってしまいました。これは洗って何度も使えるので、何度も使ってほしいなと思います」とニッコリ。
現在、新型コロナウイルス感染拡大が懸念され、イベントなどが中止となるなど、自粛ムードが高まっている。そんな現状が収束したらやりたいことと聞かれると、三根は「東京コレクションが中止になってしまったので、コレクションを歩きたい」、月山は「今回コレクションができなかった分、またいろんな人とクリエーションができたらいいなと思います」(月山)と、東京コレクションへの思いを吐露。
一方、箭内は「今は学校も休みで。私には弟が3人いるんですが、ずっと家にいるので早く学校が再開されて友達に会えるようになったらいいなと思います」と弟を想い、葵は「特別何かをするよりも、それぞれの日常に戻ることが一番なのかなと思います」と語った。
<SREUディレクター・米田年範氏インタビュー>
――実際にマスクの無料配布をしてみて、手ごたえなどをお聞かせください。
思ったよりも人が来てくださって、通りすがりの人もマスクを受け取ってくれたので、街の人にもこの行動が伝わったかなと思います。
――そもそも、マスクの無料配布をしようと決めたキッカケは何だったのでしょうか?
いろいろな要素はありますが、一番大きいかったことは、最近、暗いニュースが多いことですね。テレビをつけると新型コロナウイルス関連のことばかりですし。その中で、ファッションブランドとしてできることは、「楽しさを伝えること」かなと思い、今回の企画を立てました。
――東京コレクションの中止を受けてから企画されたのですか?
そうですね。その後の日々の打ち合わせの中で、「暗いニュースが多い」ということがよく話題になっていました。そして、ふとした会話から、「洋服も作れるのでマスクも作れるはずだ」ということになり、実際に動き始めました。
――どれくらいの時間をかけ、今日を迎えたのでしょうか?
企画が具体的に動き始めたのは、1週間くらい前からです。もちろん、他の通常業務もあるので、それとは別途で動いていて。
16日(月)からは、3日間は集中した時間をとり、300枚のマスクを製作しました。
――今回配布したマスクへのこだわりは何かありますか?
古着もそうですが、いろいろな生地で製作しています。それは、僕らのブランドが使っていて残ってしまった生地や、企業で残ってしまった生地で。そういった一度不要になったものを、デザインの手で再び使えるようにしたことが一番のこだわりですね。
さまざまな生地を使ったことで、柄も豊富ですし、重々しいイメージのあるマスクを“楽しめるもの”に転嫁できていたらいいなと思います。
――今回行動したことで、何か得たことはありますか?
今日参加してくださったモデルたちも、周囲のスタッフも含めて、快く皆さん参加してくださいましたし、街の皆さんも集まってくださったので、1回で終わらせてはもったいないなと思いました。
今後も何かタイミングがあれば、マスクだけではなくいろいろと考えて行動していきたいなと思います。