『やんごとなき一族』第8話完全版

深山佐都(土屋太鳳)は、健太(松下洸平)との子どもを身ごもる。2人から報告を聞いた義父・圭一(石橋凌)は喜ぶが、そこにはある思惑があった。

<ドラマ『やんごとなき一族』これまでのあらすじ完全版>

それは、健太と秘書・立花泉(佐々木希)を結婚させ、佐都を深山家から追い出すこと。

その思惑は環境大臣に就任した泉の父・隆(篠井英介)とも一致。深山家と立花家を強く結びつける2人の計略は実行に移され、泉も健太に積極的なアプローチを開始した。

圭一は佐都に、産まれた子どもとともに深山家から出ていくよう厳命する。佐都は抵抗するが、話を聞いた佐都の母・良恵(石野真子)は、「これ以上娘をバカにするな」と激怒。良恵は駆けつけた健太に、「佐都と別れてほしい」と頭を下げた。

それでも、2人がお互いを思い合う気持ちは変わらない。健太は良恵に会い、自分がもっと強くなり佐都と子どもを守ると宣言。そんな健太に、良恵は絶対に負けないことを約束させる。

同じ頃、泉が佐都の病室を訪れる。健太と別れるよう促す泉に、佐都は絶対にギプアップしないと宣言して、彼女を追い返す。

そんな2人のやりとりを、ちょうど佐都の見舞いに来た大介(渡邊圭祐)が聞いていた。大介は健太に事態を報告。さらに、大介はマダムキリコ(長谷川京子)にも話してしまった。

健太は、立花によって取り消された新事業のための温泉掘削許可を直接求めに行くが、「あくまでも泉と結婚することが条件だ」と相手にされない。

さらに、泉も健太に追い打ちをかける。会合と称して同行したホテルの会議室でウエディングドレスの試着までして、泉は健太に結婚を迫った。

泉の行動の裏には、父親から常にパーフェクトでいることを求められる娘の意地も見え隠れする。

その夜、疲れて帰宅した健太を、佐都だけでなく大介とキリコが迎える。なんとキリコは、健太が進める事業の温泉掘削許可を取ってきたのだ。

キリコは、立花がこれまでパワハラを隠ぺいしてきた事実を握っていた。

しかし、キリコが握っていた立花の弱みはそれだけではない。泉が、フランス留学中に別れ話のもつれから交際相手を刺して殺人未遂に問われていた、というのだ。立花が相手に示談金を支払うことで表沙汰にはならなかったと言うキリコ。

また、かつてキリコの恋人が立花の秘書をしていたが、パワハラが原因で自殺したことも明かす。これが、キリコが立花を許せない最大の理由だった。

一方、キリコに弱点を突かれた立花は、泉を責めた。

追い詰められた泉は、一度は自分から断った美保子(松本若菜)に救いを求めるが、断られてしまう。

そして、激怒したのは立花だけではない。温泉掘削の許可が下りたことを知った圭一は、佐都と健太を呼びつけて「何をした」と怒る。

そこに美保子がやって来た。虫の居所が悪い圭一に冷たく追い返されそうになり、とっさに妊娠したと告げた美保子。喜ぶ圭一だが、美保子の手は微かに震えていた。

妊娠は、深山家に留まるための美保子の嘘だった。

健太が温泉施設候補地の視察に行くと、泉から電話が入る。視察に同行して最後の挨拶をしたいという泉を健太は断った。だが、泉はすでに現地にいると言う。健太が辺りを見回すと、空き団地の屋上に泉がいた。

慌てて泉の元へ駆けつける健太。途中、佐都から電話が入るが、健太は少し待つよう言って通話を繋いだまま急ぐ。

健太が屋上に着くと、泉は何かを覚悟したように転落防止柵の外側に立っている。健太は泉を説得するが、もはや言葉は通じない。泉は、健太が伸ばした手に手錠をかけて自分の手に繋ぐ。そして、泉は健太を引っ張り一緒に転落してしまった。

佐都は、その一部始終を電話で聞いていて…。

2人が運ばれた病院に佐都が行くと、圭一と義母・久美(木村多江)も来ていた。幸い健太は軽傷で命に別状はない。泉も手術は受けたものの命を失うことはなかった。

それから毎日のように健太の病室は見舞い客で賑わうが、佐都は泉の病室に誰も訪ねていないことに気づく。

そんな時、深山家に立花が謝罪に来た。立花は圭一から「深山家とは何も関係ない」と言われ、今回の事態を内密に処理するよう命じられる。

肩を落として帰ろうとする立花に、佐都は「なぜ泉の見舞いに行かないのか」と疑問をぶつけた。すると立花は、できの悪い娘だと泉への恨み言を言い、自分とはもう関係ないと立ち去ってしまう。

健太が退院する日、佐都は泉の病室へ行き、泉がしたことは絶対許さないと告げる。だが、泉は「もう同じ事をする気はない」と答えた。

「誰も自分を気にしない」と、自暴自棄になる泉を叱る佐都。「自分がしたことにちゃんと向き合って」と佐都は言う。また、佐都は、泉はまず「パーフェクトでいなければいけない」という呪縛から逃れないとダメだとアドバイス。「呪いを解けるのは、泉だけ」と佐都は話した。

そんな2人の会話を、健太は廊下で聞いていた。

後日、退院した泉が家に帰る。立花はパワハラの件が公になり、議員辞職をしていた。

そのことをも泉に責任転嫁しようとする立花。そんな立花に、泉は静かに別れを告げた。泉は佐都と健太にも父親との訣別を報告する。

こうして佐都と健太は夫婦の、そして間もなく誕生する子どもと3人の絆をさらに深め、ようやく嵐は過ぎ去ったように思えた。

だがその裏で、妊娠を宣言した美保子の決断と、それ以上の暗雲が再び襲い掛かろうとしていることに佐都たちは気づくはずもなく…。

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