この夏フジテレビでは、市川海老蔵の十三代目市川團十郎襲名を記念した特別企画ドラマ 『桶狭間 OKEHAZAMA~織田信長~』(仮)を放送する。

今川義元の大軍を数的に劣る織田軍が打ち破り、日本史上最大の逆転劇と謳(うた)われ、織田信長を一躍戦国時代の主役に押し上げた伝説の一戦、“桶狭間の戦い”を題材とした本格時代劇だ。

市川海老蔵が織田信長を演じることが発表されているが、このたび、堀田道空役に竹中直人、木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)役に中尾明慶、信長の父・織田信秀役に北村一輝が決定した。

竹中演じる堀田道空は、尾張の商いを支える湊町・津島の頭領で斎藤道三の重臣の一人と言われているが、資料は少なく、その存在は謎に包まれている。今作では、信長の武士としての器量に誰よりも早く気づき、斎藤道三との仲立ちをしたキーマンとして描かれる。

竹中は、1996年にNHK大河ドラマ『秀吉』で主演・秀吉役を好演して以来、映画『熊本物語』(2002年)、『敵は本能寺にあり』(2007年 テレビ朝日)、『軍師官兵衛』(2014年 NHK大河ドラマ)と何度も秀吉役を演じてきた。

そして先月発売されたゲームソフト『仁王2』では秀吉のキャラクター役も演じている。今回は、若き信長の最大の後援者であり、信長に多大な影響を与えた重要な役どころを演じる。竹中と海老蔵の共演は、映画『一命』(2011年)以来となる。

中尾演じる木下藤吉郎は、尾張の貧しい生まれの商人で、一度は今川義元に奉公するが、信長への強い憧れから信長に命がけで近づき、運よく家臣団に加えられた。信長は身分の低い者でも見どころがあれば重用したことで知られるが、藤吉郎はその象徴として描かれ、桶狭間の戦いでは、尾張の商人と化して義元の本陣を確かめ、信長の勝利に大きく貢献する。

中尾は、数々のドラマ・映画で活躍。昨年放送された『監察医 朝顔』では、明るく天真らんまんな臨床検査技師を演じた。また、『軍師官兵衛』では、竹中演じる秀吉の後を継承する、甥の秀次役を演じている。中尾と海老蔵は、今回が初共演となる。

北村演じる織田信秀は、“うつけ者”と言われた幼き吉法師(信長)に織田家の頭領としての才覚を見いだし、領主としての生き方を伝授する。今作では、信長に生涯で最も影響を与えた人物として描かれている。

<竹中直人コメント>

――撮影はいかがでしたか?

僕は、撮影現場は音楽でいう“セッション”のようなものだと思っています。譜面があって、譜の部分を自分が演奏するような感覚で演じさせていただきました。

――海老蔵さんが演じる“織田信長”の印象は?

もうそのまま“信長”でしたね。海老蔵さんならではの信長になっているなって感じました。

――中尾さん演じる“木下藤吉郎(秀吉)”の印象は?

中尾君とは『軍師官兵衛』の時も一緒でしたし、昔からよく知っていて。今回久しぶりに会うので、とても楽しみです。「久しぶり!秀吉なんだ!」ってね(笑)。共演のシーン、とても楽しみにしています。

――このドラマの見どころをお願いします。

なんと言っても、“海老蔵さんの信長”だと思います。広瀬(すず)さんとは昨年ずっと舞台「Q:A Night At The Kabuki」で一緒でしたが、とてもエネルギッシュでパワーを感じる女優さんだなと思いました。今回が初時代劇だとは知らなかったです。広瀬さんの“濃姫”も楽しみですね。

中尾明慶コメント>

――今回の話が来たときはどう思われましたか?。

「とにかくやらせてください」その思いだけでした。秀吉様となると…もしかしたら僕ではなかったかもしれませんが、あくまで木下藤吉郎ですからね。

たくさんの想像を膨らませて、のちの秀吉様という期待感も持ちながら、全力で演じたいと思います。

(竹中さんのコメントを受けて)竹中さん、そんなこと言うてくださってうれしいです。

――海老蔵さんが演じる“織田信長”の印象は?

すぐ目の前に信長様がいると日々感じています。まさに“殿”という言葉がぴったりで、連絡先を交換させていただいたのですが、電話帳にも“殿”と入れております。しびれるお芝居をすぐ真横で見られることがうれしい限りです。

――視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。

戦国だからこその人々の想いを感じていただけたらなと思います。