先日、「第94回アカデミー賞」で国際長編映画賞を受賞した映画「ドライブ・マイ・カー」。
その凱旋舞台挨拶が4月5日に行われ、西島秀俊さん、三浦透子さん、岡田将生さん、霧島れいかさん、濱口竜介監督が登壇しました。
西島秀俊、アカデミー賞でアンソニー・ホプキンスと自撮り
濱口監督はアカデミー賞授賞式を振り返り「どこを見ても伝説のような人が歩いている」と言いつつ、授賞式のビンタで話題となっている「ウィル・スミスも歩いていて…。『この世界は何なんだ!』と言う感じでした」と語りました。
西島さんは、「意外に緊張しなかったです。映画の作り手の方が集まっているので、作品賞にノミネートされているのを、皆さん映画を見てくださっていて、ホテルでも『応援しているよ』、『素晴らしかったよ』などと言ってくれました。アンソニー・ホプキンスさんに『おめでとう』と言ってもらえて、握手をして自撮りで写真を撮ってもらいました(笑)。お互いに称え合う場で、不思議と緊張せずに式に参加していました」と振り返りました。
昨年の8月20日の公開初日から7ヵ月を超えるロングヒットランとなった本作。
興行収入が10億円を突破したことを告げられると、濱口監督は「自分が作った映画が興行収入10億円を突破するとは、思ってもいませんでした。それは、見に来てくださった、皆さんのおかげだと思っています」と感謝。
西島さんは、「ロングランで長く映画が上映されるのは、映画に携わる者として一番嬉しいことです。この作品は、ゆっくりと見た方に伝わるものだと思っているので、長く上映していただき、観客の皆さんが見に来てくださることは、とても幸せなことです」と語りました。
また、イベントにはオスカー像が登場する場面も。
三浦透子の“筋力”「オスカー像はそんなに重くない」
オスカー像を持った感想を聞かれた濱口監督は「持ってみたら意外と重いもので、2年前にポン・ジュノ監督が片手で軽々と挙げていたので、軽いものだと思っていました。ポン・ジュノ監督の筋力がすごい」と明かしました。
また、ほか登壇者がオスカー像を持ったことがあるか質問されると、軒並み「とても重たかったです」との感想が。
仕事の関係でアカデミー賞に出席できなかった三浦さんは持ったことがないそうで、濱口監督から「持ってみる?オスカー像の重みを感じて」と提案。
三浦さんは恐る恐るオスカー像を持ち上げると、「そんなに重くなかった」と感想を述べて、会場に笑いを誘いました。
これに対し濱口監督は、「三浦さんの筋力はめちゃくちゃある」と返し、さらに会場に笑いを誘いました。
最後に西島さんは「この現場は本当に素晴らしい現場で、今思い返してもキャスト、スタッフがお互いに尊重し合って、大切に時間をかけて作った作品です。もう一度、戻れることなら戻りたい。『映画は観客の皆さんに見てもらい完成する』と言いますが、観客の皆さんに今も育てられている映画だと思います。本当に心から感謝しています」と締めくくりました。
作品概要
物語の主人公は、俳優であり演出家の家福(西島秀俊)。愛する妻(霧島れいか)と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう。2年後、演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさき(三浦透子)と出会う。行き場のない喪失を抱えて生きる家福は、みさきと過ごすなかであることに気づかされていく――。
映画「ドライブ・マイ・カー」はロングラン上映中。
©2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会