フジテレビ・フィギュア班が取材動画を毎日配信!Vol.39

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、カナダ・モントリオールで開催予定だった「世界フィギュアスケート選手権2020」(以下、 「世界選手権」 )が中止に。シーズンのクライマックスの舞台は失われ、様々な活動も停止する状況になってしまったが、来季までの想いを繋ぐべく、フジテレビ・フィギュア班が取材した動画が3月23日から毎日配信されている。

シーズン中に放送しきれなかったインタビューや取材動画、特別動画が続々と登場するので、フジテレビュー!!でもその内容を紹介していく。

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世界に向け「“強い自分”に戻して戦いたい」(羽生)

世界フィギュアスケート選手権2020日本代表記者会見

2019年12月22日、「世界選手権」( 2020年3月に開催予定だったがのちに中止が決定)に出場する日本代表選手10人が発表され、記者会見が行われた。

大会は中止となってしまったが、出場が決定していた10人のスケーターたちの決意の言葉を残すべく、フジスケでは、当時フジスケInstagramで生配信した映像を再び公開した。

日本代表に選ばれたのは下記の選手たち。

男子シングル:宇野昌磨選手、羽生結弦選手、田中刑事選手
女子シングル:紀平梨花選手、樋口新葉選手、宮原知子選手
ペア:三浦璃来選手&木原龍一選手
アイスダンス:小松原美里選手&ティム・コレト選手

左から)木原龍一選手、三浦璃来選手、宮原知子選手、樋口新葉選手、紀平梨花選手、
宇野昌磨選手、羽生結弦選手、田中刑事選手、小松原美里選手、ティム・コレト選手

――世界選手権の代表に決定した今のお気持ちをお聞かせください。

宮原「世界選手権」日本代表に選んでいただいて出場できることはラッキーだと思っているので、自分が出せるすべての力を振り絞って頑張りたいと思います。

樋口:去年、一昨年と悔しい思いをして、今年は「全日本フィギュアスケート選手権」(以下、「全日本選手権」)に照準を合わせて来ました。「世界選手権」では自分が納得できる演技と結果をしっかり残せるように頑張りたいです。

紀平:「全日本選手権」で優勝して「世界選手権」日本代表に選んでいただきました。ショートもフリーも完璧ではなかったので、まずはショートを完璧にして、フリーもさらに構成(の難易度)を上げてもっと高い点数を狙えるようにしたいです。

宇野:今年は、「全日本選手権」で頑張らないと「世界選手権」には絶対に選ばれないと思っていたので、良い結果を出して今回選ばれたことがうれしいです。ここ数年「世界選手権」ではあまり良い演技ができていないので、「全日本選手権」に臨んだような気持ちで良い演技ができたらなと思います。

羽生:「世界選手権」に選んでもらえたことで、これからどれだけ頑張りきれるか。時間はもちろんかかることもありますし、かからないこともありますし、その両方ともしっかりと作り上げて、世界に向けて“強い自分”に戻して戦いたいなと思います。

田中:まだまだ自分の力が足りない部分をたくさん感じているので、どこまで自分を追い詰めて、今年掲げている「攻める」という気持ちを「世界選手権」の場で出しきりたいなと思っています。

木原:(三浦選手とは)8月にチームを結成したばかりで、正直「全日本選手権」にも出られるか分からない状態でスタートしたので、今回選んでいただいて、本当にうれしく思います。今のままでは勝てないと思うので、もう一つレベルアップできたらと思います。

三浦:今回初めて「世界選手権」に選んでいただけて、とてもうれしいです。自分たちのできることを精一杯頑張りたいと思います。

小松原今シーズンは怪我で悩まされましたが、「世界選手権」に選んでいただけたので、しっかり日本代表として調整してベストを尽くしたいです。

コレト:いつも日本の選手として出場できてうれしいです。いい成績を残したいと思うので、頑張ります。

――(羽生選手に質問)「四大陸フィギュアスケート選手権2020」( 2月4日~9日。以下「四大陸選手権」 )出場は珍しいと思うのですが、なぜ出場しようと思ったのですか

羽生:「四大陸選手権」への出場を希望したのは、まずそこに全力で当たりたいという気持ち、もちろんタイトルを獲りたいという気持ちが強くありました。一つのステップとして、「四大陸選手権」に出た方が自分としても成長できるんじゃないかなと感じて希望を出しました。

やっぱり試合を経るごとに、いろんなことを経験して、吸収しながら強くなっていけると思うので。

――(羽生選手に質問)今年、壁がいろいろあったと思うのですが、それをどのように乗り越えていくのか教えて下さい。

羽生:「四大陸選手権」は、僕の一つの壁なので…。そこでネイサン(・チェン選手)と当たるかもしれないですし。まずは今(「全日本選手権」で)負けてしまった昌磨という壁があるので(笑)、ベストコンディションで思い切りぶつかりたいなと思います。

羽生選手から「壁」と言われ、「壁」の高さ(低さ!?)を手で表現して笑う宇野選手

――(羽生選手に質問)「四大陸選手権」に出場するということで、新たなジャンプの練習に当てる時間が減ってしまうのではないですか?

羽生:「四大陸選手権」に出ることで“それ”※も習得するステップにしたいなと思っています。“それ”って、何かは言わなくてもわかっていると思うんですけれど。  ※羽生選手は前人未到の“4回転アクセル”習得を目指している。

今、(僕には)圧倒的な武器が必要で。4回転ルッツに比べたら1点くらいしか違いがないですし、価値があるものなのか。それなら4回転ルッツを2回跳んだほうがいいんじゃないか、と自分自身も思います。

ただ、でもこれは僕自身のプライドなので、今のスケートを支えている芯なので、絶対に跳びたいと思っていますし、それも含めた上で「四大陸選手権」をどのようにこなしていくか、どれだけ成長できる場にするかということを考えてエントリーを希望しました。

ほかにも、新しいジャンプの習得に挑んでいる樋口選手、紀平選手、宇野選手、羽生選手に「世界の舞台で、自分の最大の武器で挑んでいくのか」と問われる場面も。

樋口新葉選手

「全日本選手権」でトリプルアクセル挑戦が転倒という結果に終わった樋口選手は、「これからの大会では確実に跳べるようにしていきたい」と意気込み、「世界選手権にピークを合わせるために、4回転サルコウをとっておいた」という紀平選手は、「試合できれいに跳べないと入れる意味がない」と目標を高く掲げた。

紀平梨花選手

また、サルコウ、ループ、アクセルの練習をしている宇野選手は、「もう一種類は最低入れたいと思っているのですが、ステファン(・ランビエール)コーチと相談しながらできるだけ多くの4回転を入れたい」としつつも、「今やっているプログラムをノーミスでできる土台があってこそ挑戦できるもの」と冷静に語る。

宇野昌磨選手

羽生選手は「本当に跳べるというところまで、もし来たのだったら…」と、4回転アクセルへの挑戦を示唆したが「アクセルのあと(の構成)をどうすればいいのかまで、一つ一つ考えないといけない」「アクセルを入れる意味と言うのは、『新しい種類の4回転が増える』ということ。それをうまく利用できないのであれば、やる意味はないと思っています」とコメントした。

記者会見の動画はこちらからチェック!