いやー、前回の放送、みなさんいかがでしたか?
開始41分頃に訪れた…
ママ「二人とも…、本当の娘として育ててきたんですものね…」
その8分後…
パパ「キャプテンが、好きなんです!!」
その30秒後…
アナウンサー「巨大彗星が向きを変えました!!!」
あー面白い。
ドラマ史に残るトゥービーコンティニュー3連発でしたね!
今回の第5話を見る前に、あの興奮を味わいたくてもう1回見ちゃいましたよ。そして何回見ても笑う。
特にパパ(天野ひろゆき)がキャプテン(中村俊介)に告白した直後「その時、隕石の向きが少しずれた…」という結月ちゃん(北香那)のモノローグが最高。
このドラマの最大の肝、“隕石衝突のスペクタクル”をこうも簡単に解決させてしまうなんて、本当なら「おいおいテキトーかよ!」っていうツッコミが入っちゃうはずなのに、パパの告白の動揺がその直前にあるもんだから「そら隕石もずれるわ!」って逆のツッコミをこっちから入れちゃうもんね。筋書きとしては全然納得できないはずなのに、前後の配置がうますぎ過ぎてこのドラマにおいては完全に納得できちゃうというすごさ。
あと結月ちゃんの声のトーンが絶妙ですよね。こっちはパパの告白も突然の隕石回避も相まって興奮しまくってるのに、あまりにも冷静すぎるモノローグなもんだから、その温度差でどうしても笑っちゃう。興奮してるのは僕ら視聴者か、「隕石家族、このあとすぐ!!」のナレーターさんだけですね!
さて、前回突然に笑いと共に訪れた“隕石回避”ですが。これ、普通だったら最終回の出来事ですよね。世界も家族も平和を取り戻した――みたいな。隕石なんていうデカいものさえ回避できれば、家族単位の小さい個の出来事なんて強引にハッピーエンディングにできてしまう…はずなのに、やっぱりこのドラマが描きたいのは、隕石は単なるきっかけであって、そこから発展していく人間ドラマなんですね。そして、今回の第5話は、“隕石回避”によって平和を取り戻すどころか、「あれ(隕石衝突)の時の方が暮らしやすかったわよ」とまで言わせちゃう、隕石衝突も人々の日々の営みも同じだけ一大事…という世界を細かく描いていきます。細かい描写でビックリしたのが、前々回の第3話に出てきたエピソードで、もうその伏線は回収されたはずだった“作文書いたら1億円”が、ここへきて尾を引き、ちょっとした波を起こすんです。そのぐらい“隕石”をきっかけにして様々な事象がジワジワと、平和を取り戻したはずの世界に浸食してくるのです。
そして今回も、やっぱりパパが良かった。パパとキャプテンとの出会いから、好意を持つようになり、好きへと発展していくその機微が短い映像の中でもすっごく伝わってくるのです。ここはもうママ(羽田美智子)の純愛を超えちゃってんじゃないのって思うほど。で、もっといいのが、そのあと、パパの心がグラグラと揺れ動いていく様子。家族か、純愛か…だけど結局やっぱり家族だよね!みたいな、安易な展開になりかけて、純愛パートに心底共感してた僕は、は?パパ、何言ってんの?ここまでこっちをその気にさせておいて、急にやっぱ家族だわとか言ってんじゃねーよ!純愛どうした!!と、結構怒ってたんですが、このドラマは最後まで観ないとダメですね。最後の最後、パパはやっぱり本気の純愛だった…ホッ…って安心しかけた次の瞬間…。キャプテン○○!!ってなります。○○には暴言が入ります。キャプテン、マジで○○です。だから最後まで油断できません!
またしてもパパの話題で盛り上がってしまいましたが、今回の第二の主役は結月ちゃんと翔太くん(中尾暢樹)です。ここのエピソードのオチは、前回の予告で、ある程度わかってはいるんですが、わかっているからこそ、家族が結月ちゃんを持ち上げて持ち上げて有頂天にさせ、その後真っ逆さまに突き落としてしまうくだりがなんとも残酷です。初回に感じた家族たちの“ノンキ”が、こうも無自覚に、知らぬ間に人を傷つけることにもなるなんて…。
だけど、僕はこの二人、何にも心配していません。なぜなら、今回僕は、とんでもないことを予見しちゃったんですよね…。バカみたいな予見なので勇気をもって告白しますが…。
翔太くん…、宇宙人ですね……。
いまこの人何言ってんの?って思いました?
だってだって!翔太くん、宇宙について超詳しいし、宇宙にメッセージ残す謎の装置持ってるし、神レベルに達観してるし、劇中に登場するLINEっぽいツールのアイコンも月だし、かぐや姫的な?それ系の?宇宙人なんですよ!きっとそうなんですよ!!見た目もなんだか宇宙少年?みたいじゃない?!だから結月ちゃん大丈夫!
…翔太くんが万が一宇宙人だったとして、何が大丈夫なのか?その辺の根拠は一切ありませんが…。ただ、登場人物の一人が実は宇宙人!っていう予想もなんら不自然じゃない、そこまでの想像力を働かせて楽しめちゃうのが「隕石家族」!
text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)