2020年3月に全国10カ所で開催予定だった「伝統芸能 華の舞」公演。初日の福岡・大濠公園能楽堂での公演以外は新型コロナウイルス感染拡大防止のため一部中止、東京大阪などの計6カ所での公演は10月へ延期に。

このたび、東京・千葉・神奈川・宮城・愛知・大阪での延期公演に加え、山梨・新潟・石川も加わり全国9カ所で公演されることが決定した。

市川右團次、市川右近親子が披露するのは、ラグビーワールドカップの開幕式でも披露した「連獅子」。「獅子は我が子を谷底に落とし、這い上がって来た子だけを育てる」という伝説を基にした舞踊だ。右團次と右近は実の親子。子の成長を思いあえて突き放す親獅子の姿が、歌舞伎の道を極める厳しさと重なり感動を呼ぶ。

また、市川海老蔵の一門である市川九團次と大谷友右衛門の次男、大谷廣松は歌舞伎舞踊の名作の一つ、連れ舞が美しい「二人椀久」を披露。

椀屋久兵衛(通称:椀久)が恋に焦がれる遊女の松山太夫と過ごした日々を懐かしむところに松山が現れ、2人で連れ舞を踊る。しかし、いつしか松山は姿を消してしまい…。椀久は松山が幻だったと悟り、その場に泣き伏す。甘さと切なさを湛える名曲だ。

そして、市川右團次の一門である市川右若、市川右左次、市川右田六は江戸時代の廓(くるわ)の雰囲気を描く風俗舞踊「吉原雀」を披露する。

<市川右團次 コメント>

本年、3月に市川九團次さん、大谷廣松さん、私のせがれの市川右近、そして私の一門の若手による「伝統芸能華の舞」は全国10か所17都市をまわる予定でした。しかし、初日の福岡公演のみ行わせていただき、その後の公演が中止・延期という形になりました。

これもすべてのお客様のお身体のことを考え、そして一座一党の安全を考えまして苦渋の決断ではございましたが、このような形を取らしていただきましたこと、ご理解いただき誠にありがとうございます。

新生の「伝統芸能 華の舞」は10月に延期ですが、新たな場所にもおうかがい出来ることが決定致しました。一座一丸となりこの時間を精進の時間と心得て、なお一層充実させた「伝統芸能 華の舞」を皆さまにお届けしたいと思っております。

私とせがれの右近が演じます「連獅子」は、「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とし、そこから這い上がって来る子だけを育てる」という中国の古事にならった歌舞伎舞踊でございます。

私も指導の段階から、まさに親獅子の気持ちで自分の子どもを研鑽(けんさん)させて参りました。この度も更に研鑽を積みまして良い舞台を、そして感動の舞台をお客さまにお見せしたいです。

また市川九團次さん、大谷廣松さんによる長唄の名曲「二人椀久」もございます。そして私の一門、若手俳優陣の「吉原雀」をご覧いただけます。

半年近い延期の公演にも関わらず、チケットを握りしめて「待っているよ」と言ってくださるお客さまが多くいらっしゃいます。10月のことですので予定が立たない中、楽しみにしてくださっているお客さまのご厚意に心より感謝しております。

また、やむなくキャンセルをされたお客さまもいらっしゃると思いますが、再度ご覧いただけますよう願っております。たくさんのお客さまにご来場いただきますよう、何卒宜しくお願い致します。

更に新しく、甲府・新潟・小松にもおうかがい出来ることになりました。パワーアップした「伝統芸能華の舞」公演をぜひ宜しくお願い致します。

<市川右近 コメント>

父とともに10月に向けて全力で頑張って稽古を積みます。ぜひ会場にお越しください。

<「伝統芸能 華の舞」の詳細>

最新情報は、「伝統芸能 華の舞」 公式ホームページまで。