5月14日、緊急事態宣言が39県で解除された。解除後もいわゆる“3つの密”を避けること、繁華街などへの出入りなどは控えるよう呼びかけられているが、気が緩んでしまう人も増えると予想される。これまで利用頻度を抑えていたスーパーでも、買い物客の増加が見込まれている。
そんな中、小売業界の12団体は、5月14日同日に「小売業の店舗における新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」を発表。「新しい生活様式」を踏まえて、店舗での感染予防対策や、従業員の感染予防と健康管理、買い物エチケットに関する顧客への協力依頼・情報発信などをまとめた。
フジテレビュー!!では、イオン株式会社と株式会社セブン&アイ・ホールディングス、株式会社ライフコーポレーションの広報担当者に取材し、もっとも身近なスーパーで感染拡大を起こさないため、今からでも私たちにできることを聞いた。
現金のやり取りによる感染を防ぎ、買い物を時短化するキャッシュレス決済の利用を
分散来店と店内の混雑緩和のために各社が共通して対応しているのは、下記の通りだ。
- チラシ配布の中止
- 試食、惣菜などのバラ売りの中止、イートインコーナーの利用中止や制限。また、イオンではフードコートの座席数を減らして、席間隔を確保。
- 混雑時間帯のアナウンスや一時的な入店制限
- レジ待ち時の立ち位置の表示、エレベーター使用時の注意喚起
- 少人数での来店呼びかけ
セブン&アイの担当者が、「混雑を避けるために参考にしてほしい」と挙げていたのが、グーグルが提供している混雑情報。店舗名で検索をかけると、混雑しがちな時間帯がひと目でわかるので、買い物に出かける前に確認するのも手だ。
また、ライフでは、開店から1時間程度を「高齢者、妊婦、身体の不自由な方とその介助者への優先時間」に設定。ポイント倍付セールや優待パス(シニアの顧客への優待)なども中止しており、セブン&アイでもカード会員やアプリ会員の優待セールを休止しているが、混雑を緩和するために通常のサービスを提供できないことに対して、理解を呼びかけている。
セブン&アイの担当者は、「少人数での来店呼びかけ」について「お客様ごとにご事情があることと思います。可能な限りのご協力のお願いですので、その点はご理解いただきたいです」と補足した。
ほか、買い物客側が是非協力したいのが、キャッシュレス決済の利用だ。現金のやり取りによる感染を防ぐことができる上に、買い物時間の短縮につなげることもできる。
日常生活に欠かせない場所だからこそ、感染しない/させない努力を
各社が、感染拡大防止策として実施しているのは下記の通りだ。
- レジ周りに飛沫防止シートを設置
- 従業員のマスク、手袋着用、及び徹底した体調管理
- カートや買い物カゴなどの消毒
- お客様用消毒液の設置
- 店舗の出入り口の開放など、換気の実施
セブン&アイでは「レジ係によるマイバックへの袋詰めを控える」「お客様へのお声がけは極力控える」などの対策を取っているが、買い物客側も店員への問い合わせを最小限にするなど、協力していきたいところだ。
「1人でも多くのお客様に商品をお届けできるよう、一部商品に点数制限を設けている場合もある」というライフの担当者は、「買い占めはお控えいただけますよう、お願いいたします」と言葉を添えた。
また、イオンの担当者はこう言う。「新型コロナウィルスへの対応を実施するにあたり、お客様に大変ご不便をかけております。一日も早く日常のお買い物ができるようご理解をいただけると幸いです」。
日常生活に欠かせないスーパーマーケットは、私達と同じく日常生活を送る従業員の努力によって支えられている場所だ。緊急事態宣言が解除された後も、お互いへの思いやりを忘れず、店舗ごとのルールに従って、気持ちよい買い物タイムを過ごしたい。