齊藤工さんが監督を、窪田正孝さんが主演を務める映画「スイート・マイホーム」が、2023年に公開されることが決定しました。

映画「スイート・マイホーム」は、作家・神津凛子さんのデビュー作である同名小説が原作。2018年に「第13回小説現代新人賞」を受賞したこの作品は、選考委員全員が戦慄したと言われています。

本作の映画化にあたり、監督を務めるのは、俳優として活動する一方、長編映画初監督作「blank13」が「第20回上海国際映画祭」で最優秀監督賞を受賞するなど、世界的にも評価を得ている齊藤さん。

齊藤さんは、他にも「COPLY+-ANCE」、「ゾッキ」など、監督やプロデュース業など活躍の場を広げ続けています。

齊藤監督とタッグを組み主演を務めるのは、窪田さん。近年、「東京喰種 トーキョーグール」シリーズや「初恋」などの話題作で主役を演じ、また、ドラマ「ラジエーションハウス」(フジテレビ系)や NHK 連続テレビ小説「エール」での好演が記憶に新しい窪田さんが、奇妙な事件に巻き込まれていく主人公・清沢賢二を演じます。

ドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」(日本テレビ系)でバディ役で共演以降、いつか共に作品を作ることを約束してきた2人が監督と俳優として相まみえ、これまでに見たことのない化学反応を創出していきます。

現在、撮影中の現場で窪田さんは「不思議な感じがある」と語り、「(齊藤)工さんが俳優部から監督・演出部にポジションが変わった時、映像を通して見てもらっているという意識、感覚がとても新鮮」、「台本からインプットしたものをアウトプットする時、掛け算や足し算をしていくけれど、監督はお芝居を引いてくれる」と、俳優としての顔を持つ齊藤監督への信頼を寄せています。

そんな窪田さんに対して齊藤監督は「撮影中、窪田さんに些末な言葉で漠然と芝居のイメージなどを伝えてしまっているのですが、それを見事に、微細なさじ加減を体現してくださっている」とコメント。「スタッフも窪田さんを絶賛されている」と現場での立ち居振る舞いや広い視野、集中力の高さを称えています。

また、原作者である神津さんからは、「文字から立ち上がる世界を映像で観られるというのは、異なる世界を旅するようでワクワクします。それが齊藤工監督の素晴らしい感性と窪田正孝さんの卓越した演技で描かれるとなればなおさらです」と期待のコメントが寄せられています。

<齊藤工監督 コメント>

──数多くの作品で共演をしている窪田さんの今回改めて感じた魅力や新たな発見はありますか?

窪田さんとはさまざまな現場でご一緒してきたので現場での立ち振る舞いや些細な配慮、視野の広さ、集中力を見てきました。逆に言うと奥の奥があるというのを知っているので、窪田さんをモニター越しで見ながら、このシーンではもう一個奥まで行ってもらおうと、すごく漠然と伝えても、微細なさじ加減で計算的ではない形にしてくれます。

原作で完結しているものをあえて実写化するのであれば、それを丁寧になぞるのではなく、生身の人間でまた別の世界観を創りあげるべきだと思っています。主人公・清沢賢二像がこの映画のライフラインでありますが、窪田さんはコアな部分を捉えてくださっているので、本当に注文がほぼないです。

撮影スタッフからも窪田さんの賢二は絶賛されていて、この時の賢二の表情が見たいということでシーンが増えていくほどです。例えば、相手役に向き合う窪田さんの肩だけが映っているシーンがありましたが、肩だけでも十分に伝わってきたんですよね。どのパーツでも表現出来るのだなと思いました。

足の小指のみでも窪田正孝は成立させられるという、部位俳優ですね。全身がその状態になってくれているというか。本当に感動しました。

──この映画を楽しみにしている方々に対するメッセージをお願いします。

本作が企画からクランクインするまでに約3年程かかりました。監督という立場としては、何よりクリエイティブファースト・作品至上主義という形で強度のある作品にしていかないと、窪田さんをはじめ関わってくださった全てのキャスト・スタッフに本当の御礼にはならないことを肝に銘じています。

監督が「齊藤工」ということが独り歩きするような作品では僕は失敗だと思っています。国内はもちろんですが、斎藤工なんて存在や情報を知らない海外の厳しい映画ファンたちに突き刺さるような作品になって初めて、出演や関わっていただいた方たちへの唯一感謝の意になると思います。

我々でしか生まれない化学反応、そういった意味合い、必然性のある強度をもった作品に創り上げたいなと思っています。

<窪田正孝 コメント>

──齊藤組の現場の雰囲気をどう感じていますか?

ちょっと不思議な感じはありますね。ドラマでも相方役をやらせてもらって、工さんといると安心感があります。でも俳優部から監督に変わった時に、ポジションが変わるだけで、映像を通して表現者に見てもらうというまた違う感覚があるのが新鮮です。

特にこの作品では、僕の演じる役がいろんなところに振り回されたり、(主人公として)視聴者目線だからこそいろんなものを背負わなければいけないので、どうしても台本からインプットしたものをアウトプットする時に、掛け算とか足し算をしていくんです。

監督はそれを引いてくれるんです。非現実的だけど現実のほうに行ってしまったり、嘘になりすぎてしまうようなところにブレーキをかけてくださって、ナビゲートしてくれています。

──この映画を楽しみにしている方々に対するメッセージをお願いします。

今、この作品のテーマでもある主人公のホームの撮影に入っていて、いろんなことを疑似体験させてもらっています。父という目線もそうだし、子どもがいるという感覚だったり、いろんな感情が出てきたり爆発したり消化不良を起こしています。

この距離だからこそ工さんを通して、俳優部からではない視点から見えたりすることもすごく新鮮だったり、いろんな感じたことのない気持ちを日々感じています。それを表現できるように、目下頑張っています。

僕なんかには想像もできない視野の広さが監督にはあるので、何か一つでも残せるようにちゃんと自分の仕事を全うできるようにして、作品がどんどん大きくなって、いろんな色を帯びて愛される作品なったらいいなと思います。

<ストーリー>

冬が厳しい長野。スポーツインストラクターの清沢賢二(窪田正孝)は「まほうの家」と謳われた一軒のモデルハウスに心を奪われる。

寒がりの妻と娘のために、たった一台のエアコンで家中を隅々まで暖められるというその家を建てる決心をする賢二。新居が完成し、家族に2人目の娘も加わって、一家は幸せの絶頂にいた。

ところが、その家に越した直後から奇妙な出来事が起こり始める。赤ん坊の瞳に映るおそろしい影。地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘──。

「家」を取り巻く恐怖の連鎖は家族だけに留まらず、関係者の怪死などに波及し始め、そして予想を超えた衝撃の結末に向けて加速していく。

映画「スイート・マイホーム」は、2023年全国公開。
©神津凛子/講談社

最新情報は、映画「スイート・マイホーム」公式サイトまで。