尾道で撮影された撮り下ろしカットには、自然体のアンゴラ村長さんが写し出されています。「内面を出せることに自信がついてきた」と語る変化について聞いてみると…。

被写体としての魅力「普通でも自信を持って誇っていいんだ、という気持ち」

――自分を被写体として見た時の魅力はどこだと思いますか?

等身大な感じでしょうか。前作でも意識したんですが、撮影してくださるカメラマンさんに「10年来の友達」みたいな眼を向けて、いつも通りな自然な自分を撮ってもらおうと頑張りました。

こういう写真集の中で、気を遣っている目は見せられないので、「自分の自然にいられる相手」という気持ちでカメラに向かっています。「一緒に旅行した」みたいに感じさせられる自然な表情が出ていたら、それが魅力かなとは思います。

自分の容姿については、幼い頃、憧れていたアーティストと自分の顔が正反対というほど違っていて、その事実に愕然としましたが、だんだんと憧れよりも似合うものを見つけて生きてきた結果、自分なりの良さを見つけられるようになってきました。

今回の写真集はタイトルが『標準体型』で、体型を全面に押し出した感じになっていますが、でもそういった体型とか見た目以外にも「ご飯をおいしそうに食べている女性ってかわいいよね」とか、「楽しそうにしている女性っていいよね」とか人にはそういうかわいさもあると思ったので、内面の魅力も出るように頑張りました。

撮影で伺った尾道が、本当にきれいで食事もおいしくて、楽しい町だったこともあり、心から楽しんでいる内面が写真にもにじみ出たというか。自分の中でも、そうやって内面を出せることに自信がついてきたかなという部分もあります。

『標準体型』撮影:東京祐 ©講談社

――前作ではコンセプト以外は「ほぼお任せ」だったそうですが、今作ではアンゴラ村長さんの希望やアイデアは盛り込まれていますか?

尾道ラーメンや広島焼きを食べていたり、お酒を楽しそうに飲んだりしているカットが特に気に入っているのですが、「ご飯をおいしく食べている女性ってかわいいよね」というのが自分の中であり、「ご飯を食べているシーンはあったほうがいい」という希望は出させてもらいました。

居酒屋さんに行ってビールを飲んだ時に、カメラマンの東(京祐)さんが「乾杯!」って1枚だけ撮って、その日の仕事を終了しようとしていたので、「いや、まだ待ってください。ご飯を食べているシーンを撮りたいんです!」とお願いしました(笑)。

撮影:東京祐 ©講談社

――衣装や撮影シチュエーションについてはいかがですか?

衣装やヘアメイクに関しては、前回同様にプロフェッショナルな方々にお任せしています。例えば、黒い衣装や下着のカットがありますが、スタイリストの筒井葉子さんは、「いきなり下着カットだともったいない。最初は何か羽織っていて、それを脱いで下着になったほうが物語が生まれる」とそこまで考えて衣装を選んでくださっていて「なるほど!」とプロの技を感じました。

――「写真集は今作で最後」と宣言されていますが、理由を教えてください。

「標準体型の良さを世に広められるなら」という思いで前作を出させてもらい、思ったよりも反響が良かったので、「じゃあ次は紙でもう1回」みたいな流れで今作を出させていただきましたが、次作を出すとなった時には「意味を見つけるのが難しい」と考えちゃうタイプなので。

――これで最後というのはもったいない気がします。もう1センチ伸びたらやるとか?

『キングオブコント』で優勝したらとか、何か意味がないとやらないと思います。逆に40歳になって…みたいなことは、もしかしたらあるかもしれないですね(笑)。

スタイリング/小西沙良
ヘアメイク/鈴木かれん

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