「三度の飯より肉が好き♡」

そんな肉への熱い思いを抱える“肉食系女子”のみなさんに送る【肉loverの感覚レシピ】。キャンプで塊肉を焼くのが一番のストレス解消法という、自身も大の“肉lover”の料理家・今井真実さんが、“だいたいの感覚”で作れる肉レシピを綴ります。

<【肉loverの感覚レシピ】過去のレシピ>

第17弾となる今回は、「ビフカツ」を紹介。神戸出身の今井さんの、幼少のころからの思い出の味、大好物のひとつだそうです。

切り落とし肉を使った、おうちで簡単に作れるビフカツ

私が小さいころの好物といえば「ビフカツ」です。

母が作ったもの、お肉屋さんで売っている揚げたて、デミグラスソースがたっぷりかかった洋食屋さんで食べるビフカツ。神戸では身近にビフカツがありました。

上京したばかりのころ、それをどこかで話したら「牛肉を揚げるなんてもったいない。そんな料理はありえない」と笑われたことがありました。その時の悔しさったら。

今となっては、東京でも「牛カツ」のお店も増えましたね。だって、やっぱりおいしいんですもの!

今日は、切り落とし肉を使った、おうちで簡単に作れる「ビフカツ」のレシピをご紹介します。

材料(3〜4人分):牛肉切り落とし300g、小麦粉適量、パン粉適量、塩小さじ1/2弱、にんにく1/2かけ、バッター液(卵1個、小麦粉大さじ3、水大さじ2)、植物油(今回は米油を使用)

牛肉が入っているトレイが綺麗で使えるようであれば、そのまま利用してしまいましょう。

牛肉に、ペーパーをかぶせ、水分を抑えるように拭き取ります。裏面も同じようにペーパーで抑えます。

塩を両面にかけます。さらさらっと軽く全面にかかれば大丈夫です。分量では、小さじ1/2弱としています。

食べるときに、好みの調味料も使うだろうし、気持ち控えめで。

お肉に直接、小麦粉をかけて、一口サイズにお箸でまとめていきます。

小麦粉をかける量は、だいたい小さじ2〜3(大さじ1程度)です。 

小麦粉を混ぜるというよりは、全体にさっとまぶすイメージで。

次に、バッター液を作ります。卵1個、小麦粉大さじ3、水大さじ2をよく混ぜて、ホットケーキのタネや、とろろくらいの粘度になればOK。さらさらしすぎていたら小麦粉を足し、どろどろならお水を足すといいですよ。

バッター液に、にんにく1/2個のすりおろしを入れ、混ぜます。このにんにくがお肉の臭みを抑え、香ばしい風味をつけてくれます。

お箸で牛肉をなんとなく一口サイズにまとめながら、バッター液をたっぷり絡めます。

バッター液が接着剤になり、お肉をひとまとめにしてくれます。

いくつかバッター液をつけた牛肉をパン粉の上に並べたら、スプーンで表面にもパン粉をかけます。

この一手間で、衣づけでも、手があまりべたつきません。

スプーンでパン粉を“追いかけ”することがポイント

手に取り、厚さ1〜2cm程度の丸型に整えます。

私は、いつも衣づけはタッパーでやっています。300gくらいの量なら、タッパーのふたに置いてしまいます。

タッパーのふたを利用すれば洗い物も減らせます

さあ、揚げていきましょう。

といっても、油(今回は米油を使用)はフライパンの高さ5mm程度も入れたら十分。揚げ色はムラになりますが、火もちゃんと通りますし、カラッと仕上がります。

油をフライパンに入れたら、火はつけずにビフカツを並べます。この油の少なさだとすぐに温まりますし、怖くないでしょう?

フライパンに入れられるだけ並べたら、弱目の中火にかけます。

ぶくぶくと大きな泡が出て、パチパチと跳ねるような音がしたら、火が通ってきている証拠です。衣が狐色になったら、裏返しましょう。

だいたい、4分揚げて、裏返してから1分半程度で油切りバットに引き上げましょう。

揚げ色はムラになっても大丈夫

できたては、肉汁が溢れるので5分程度、休ませます。このくらいの大きさですと、切らなくても大丈夫。中はこのようなでき上がり。

わざわざ重ねなくても、お箸でまとめるだけでミルフィーユカツのような仕上がりになり、食感もやわらかです。

余ったビフカツも、同じように揚げていきます。

フライパンに入れるとき、油は足さずに一旦火を消して並べましょう。

中濃ソースも合いますが、私は辛子醤油で食べるのが大好き。ごはんがすすむおかずになります。

リーズナブルな切り落とし肉だと、ビフカツもチャレンジしやすいですよね。衣をつけるとボリュームも出ます。隠し味のにんにくが香り、なんとも食欲をそそるのです。

もう少し洋食寄りに作りたい方は、パン粉にパセリなどのハーブを混ぜると、また雰囲気が変わって素敵ですよ。

<動画はこちら!>

今井真実(いまい・まみ)
料理家。神戸市生まれ。三度の飯より肉が好き。雑誌、web媒体、広告などでのレシピ作成、スタイリングも担当。東京都世田谷区でソーセージなどの料理教室を不定期で開催。noteで発表したカルボナーラのレシピも大きな話題に。初のレシピ本「毎日のあたらしい料理 いつもの食材に「驚き」をひとさじ』」(KADOKAWA)が発売中。Twitter:@imaimamigohan

写真/今井裕治