フジテレビ・スケート班が取材した動画を毎日配信!Vol.61

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、カナダ・モントリオールで開催予定だった「世界フィギュアスケート選手権2020」(以下、「世界フィギュアスケート選手権 」=「世界選手権」)が中止に。シーズンのクライマックスの舞台は失われ、様々な活動も停止する状況になってしまったが、来季までの想いを繋ぐべく、フジテレビ・スケート班が取材した動画が3月23日から配信されている。

シーズン中に放送しきれなかったインタビューや取材動画、特別動画が続々と登場。フジテレビュー!!でもその内容を紹介していく。

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今回は、 フジテレビのフィギュアスケートアナウンサーによる「座談会」企画の第1弾(後編)で、中村光宏アナウンサーが開催を宣言していた「若手チーム座談会」の前編を。

参加したのは、木下康太郎アナウンサー、上中勇樹アナウンサー、今湊敬樹アナウンサー。 キャリアはそれぞれ違うが、3人とも2019₋20シーズンからフィギュアスケートの実況チームに加わった、“フィギュア実況1年目”だ。

そんな3人に、中村アナが熱血“中村塾”を開校!実況担当1年目ならではの、難しさや楽しさを赤裸々にトークする。

“スーさん”こと鈴木芳彦アナウンサーからも「彼らもいろいろと悩んでいるところがあると思いますので、中村くんが指導してあげると良いんじゃないかと思いますよ」と託され中村アナはスタートから張り切る。

フィギュアスケート担当1年目 実況チーム 若手座談会

まずは、参加する若手アナウンサーの自己紹介からスタート。

今湊アナ:入社3年目の今湊敬樹といいます。フィギュアスケートの好きなエレメンツは、ペアのデススパイラルです。

中村アナ:おお~!何で何で?

今湊アナ:デススパイラル、カッコイイなと思って。膝より下に頭があるというのが。感動したので。

中村アナ:あの、引き上げる瞬間がいいよね。スッとね。

今湊アナ:そうですね。

上中アナ:入社5年目の上中勇樹です。フィギュアスケートの好きなエレメンツは、サルコウジャンプです。よろしくお願いいたします。

中村アナ:ジャンプの中でもサルコウ?

上中アナ:はい。エッジでシュッと跳ぶ感じがカッコイイなと思います。

中村アナ:上中くん、ただでさえ部屋暗いから、ちょっとテンション高めでお願いしますね!

上中アナ:すみません(笑)。はい、わかりました。

木下アナ:今湊、上中と比べるとだいぶ先輩になりますが入社11年目、フィギュアを担当して1年目の木下康太郎と申します。よろしくお願いいたします。僕が好きなエレメンツは、ステップシークエンスかなと。

中村アナ:ステップ、何で?

木下アナ:ステップの時間って、何なんですかね、ちょっとこう時計が止まったかのような、僕の中で独特な。何かこう違うような時間が流れている気がして、気になっていました、ずっと。

中村アナ:もしかしたら、一番、美しさが凝縮されている時間かもしれないですからね。

フィギュアスケートの実況は、ほかのスポーツと比べて「声の出し方」が違う

中村アナ:若手チームということですけど、それぞれどのカテゴリーの実況をこれまで担当したかを聞いていきましょうか。今湊くん。

今湊アナ:はい。今シーズンは、主にジュニアの男子とシニアの男子の実況を…あの、アレですね、担当しました。

中村アナ:アレですねって何だい?緊張してるの?

今湊アナ:すいません、ちょっと…(緊張でガチガチ)

緊張でうまく言葉が出てこない今湊アナ(右)

中村アナ:入社3年目でしょ、まだ。すごいね、もう実況していて。

今湊アナ:さっきまた(自分が実況したものを)振り返ってみたんですけども、顔から火が出るような感じの復習になりました。

中村アナ:恥ずかしくなった?自分で見てみて。

今湊アナ:はい。選手に申し訳ないくらいの勢いで反省しています。

中村アナ:木下は何を担当したの?

木下アナ:僕は今回、「全日本 (フィギュアスケート選手権2019) 」(以下、「全日本選手権」)の男子のフリー前半をしゃべらせていただいたんですけど、確かに、今湊が言ったように、振り返ると、悔やんでも悔やみきれないエピソードしかないですね。

上中アナ:僕はジュニア、シニアの女子を担当しまして。「全日本ジュニア(選手権)」、「世界ジュニア(フィギュアスケート選手権)」、そして「全日本選手権」の女子を担当しました。

フィギュアスケートの実況は、ほかの実況と比べて声の出し方がちょっと違うので、はじめはそこが難しかったですね。

中村アナ(左)は目を閉じて実況の発声についてのアドバイスを

反省する上中アナの意見に、今湊アナも木下アナもうなずく。

フィギュアスケート独特の雰囲気や緊張感、会場がシーンとしている中で声を出す難しさ…塾長・中村アナは「わかる。気持ちが入ったり、熱くなったりすると、どうしても声がね…」「僕も昔、大きな声を出しちゃったことがあって」と共感しながら、先輩アナとしてのアドバイスを送る。

間近で見た、フィギュアの「泥臭さ」とテレビには映らない選手の姿

中村アナ:「実況として携わってみて良かったこと、楽しかったこと」は?どうでしょう、木下。

木下アナ:いい意味で「泥臭い競技」だなと思いました。

中村アナ:ほほう。どちらかというと、フィギュアスケートって、こう、綺麗で芸術性があって。

木下アナ:そうですね。みつさん(中村アナ)が言ったように、何か「フィギュア=すごく綺麗」っていう印象で。僕もこれまでずっとテレビで見ることしかなかったんですけど、美しく淡々と滑って淡々と帰っていくイメージだったのが、いざ近くで見ると、例えば羽生(結弦)選手なども、ものすごい汗をかきながら、すごく歯を食いしばりながらステップして…。

テレビだとすごく綺麗に見えているところが、近くで見ると選手の皆さん、ものすごい己との戦いで必死なんだなっていうのが伝わってきます。

これはちょっと、近くで見て衝撃でしたね。美しくもあり、過酷でもあり、その両方の要素を持っているって、「これは思っている以上に奥深い競技だ」と学びました。

中村アナ:どう、今湊?

今湊アナ:あの冷たい、冷え切った環境の中で終わった後、汗びっしょりになっていますので、やっぱり相当なエネルギーの消費ですよね。

中村アナ:なんか表現が…。「冷たい、冷え切った環境」でって、やめなさいよ!

木下アナ: あははは。

今湊アナ:(「やってしまった…」という顔に)僕らダウン着てるのに、選手はあのすごい薄い衣装で終わったあと、滝のように汗を流してらっしゃる。相当な運動量で、あの4分間すごいなぁと思うんですね。

中村アナ:上中はどう?

上中アナ:テレビで見るときは、その演技の瞬間しか見ないじゃないですか。でもその前に直前の練習であったり、あるいは前日の練習であったり、その大会を通して現場で見ることができた。

そして、選手も本当にその本番に向けて集中して準備している姿というのが、なかなかテレビ画面では見ることが出来ないので、これだけ準備をしてきているんだなっていうのは感じましたね。

中村アナ:確かに、公式練習などは、我々も伝えていかなきゃいけない部分なのかな。

そして中村アナは「公式練習」での取材のポイントを明かす。さらに「自分の場合だけど…」と中村アナ流フィギュアスケートの見方を熱弁、しかし後輩たちの反応に突っ込む事態に!

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