株式会社ハー・ストーリィ



 女性インサイト総研を有する株式会社ハー・ストーリィ(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:日野佳恵子)は、女性インサイトのコンサルティング専門会社として、2008年より継続実施している「男女購買行動診断」の2025年版最新分析結果を公開しました。

本レポートでは、17年間・約7万人分の購買行動データを分析し、「男性と女性の購買行動には明確な違いがある」ことを改めて示しています。同じ商品・販促でも「なぜ女性に響かない?」「なぜ男性に売れない?」といったマーケティングの“落とし穴”の背景には、この購買行動の差が影響している可能性があります。
◆調査概要
「男女購買行動診断」
調査期間:2008年6月~2025年5月
調査対象:67,593人(男性19,723人、女性47,870人)
調査方法:インターネット調査
調査会社:株式会社ハー・ストーリィ 
◆購買行動は3タイプに分類

出展:HERSTORY REVIEW7月号

本調査では、購買行動を次の3タイプに分類しています:
- 戦略型 スペック・機能・コストパフォーマンスを重視し、論理的に比較して選ぶタイプ
- 調和型「使う場面」「気分」も意識して選ぶ、論理と感覚のバランス型
- 平穏型「気分が上がる」「心地よい」といった感情価値を優先、“買い物そのものを楽しむ”タイプ

◆男性は「戦略型」、女性は「平穏型」が最多

出展:HERSTORY REVIEW7月

- 男性 51.0%が「戦略型」→ スペック・機能比較/効率重視の傾向
- 女性 63.5%が「平穏型」→ 感情・共感/気分を満たすことを重視

◆男性はスペック、女性はシーン。購買プロセス自体が異なる

出展:HERSTORY REVIEW7月号 男女の購買意思決定プロセス図



今回の分析では、購買プロセスそのものが男女で異なることが明確になりました。男性は「自宅でじっくり情報収集・比較検討し、“欲しい商品そのもの”をスペック優位性で選ぶ」プロセス。女性は「どんなシーンで、どんな気持ちで使いたいか」を重視し、“気持ちが良かった体験”を元に購入を決めるネットワーク型プロセスになる傾向があります。
◆17年分データが示す「社会変化の影響」

出展:HERSTORY REVIEW7月号 年代別 購買行動タイプ比較

- 女性はコロナ禍・物価高騰など社会情勢に合わせて柔軟に購買行動を変化
- 男性は近年「調和型」が微増 → 育児・家事参加の影響と推察

◆女性は分散型、男性は没頭型
男女間で差異が大きい購買行動ランキングでは、個別項目で男女の行動差が大きく出る傾向が確認されました。
【男性】
1位:電子マネーやクレジットカード、会員カードを沢山作って、ポイントを貯める方ではない
2位:ちょこちょこと買物するより、高価な物を買うと達成感がある
3位:モノ選びの際、他人のモノよりも「優れていること」が選択基準になることがある
4位:デジタル製品やメカ製品などの新商品については、まず「機能」「性能」が気になる
5位:自分が買ったものよりも、さらに性能が高いものを友達が持っていたら悔しいと思う

【女性】
1位:訳もなく、ちまちました雑貨などを「かわいい」というだけで買ってしまうことがある
2位:イライラしたり、嫌なことがあったときなど、買物でストレス発散をすることがある
3位:カラーバリエーションがたくさんあると、それだけで嬉しくなる
4位:長時間にわたり、いろいろな場所を見て回ったり、ショッピングするのは楽しい
5位:旅行のお土産を友達に買って帰ることが多い
- 「かわいいから買う」 女性:約8割が肯定/男性:ほぼ肯定せず
- 「カラーバリエーションが豊富だとうれしい」女性:約半数以上肯定/男性:「どちらでもない」が最多

これらの項目の背景には、男性は「商品自体のスペックや機能優位性」を重視するのに対し、女性は「購入後に自分や家族がどう感じるか」「気持ち・情緒的な価値」を重視するという構造の違いがあることが明らかになっています。
背景には、男性はスペックや優位性を重視、女性は感情価値・情緒的価値を重視する行動傾向があることが読み取れます。
◆女性の購買を左右する「6つの選択価値基準」

出展:HERSTORY REVIEW7月号 女性の6つの選択価値基準

本調査では、女性が商品選択時に重視する「価値基準」 も明確になっています。従来の「スペック・機能(基本的価値)」「価格(便宜的価値)」だけではなく、情緒的価値や共感的価値といった「感情や意味づけ」が購買行動に強く影響している ことが特徴です。
つまり、「何を買うか」だけでなく「どんな気持ちで買いたいか」が重要な購買動機 となっており、女性向けマーケティングでは「体験」「ストーリー」「共感」を意識した設計が求められる と言えます。
◆男女で異なる購買の“スイッチ”
17年の累積データからは、
- 男性は:機能性・合理性の高さが購買決定のスイッチ
- 女性は:感情や体験が購買を後押しするスイッチ

であることが明確になりました。特に女性の購買スイッチは社会変化やライフステージの影響を受けやすく、柔軟に変化する傾向が見られます。
企業のマーケティング・商品開発・販促設計においては、男女別の購買意思決定プロセスを意識し、
男性向けには:「スペック」「効率性」「問題解決性」の打ち出し
女性向けには:「色」「体験」「感情訴求」を重視した設計 が有効です。
さらに、単なる性差だけではなく、どの価値軸が購買を左右しているのか を把握し、
時代やターゲットに合ったコミュニケーション を設計することが、今後ますます重要になると考えられます。
◆本調査の詳細は『HERSTORY REVIEW』7月号でご紹介
女性インサイトレポート「HERSTORY REVIEW」は、HERSTORYが運営する法人クラブ「in her」の会員向けの会報誌です。in herでは女性インサイト研究に特化した定額サービスを展開しています。
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◆女性インサイト総研 株式会社ハー・ストーリィについて
女性の消費行動や深層心理を、ライフコース(職業・家族構成を加味した人生コース)とライフステージ(年齢・年代という人生の立ち位置)の交点から10のクラスターに分類し、定点的に研究・分析を行っています。そこから導き出した29の女性ペルソナをもとに、企業の商品開発や販促支援を行う、「女性インサイト」を活用したコンサルティング会社です。
【会社名】株式会社ハー・ストーリィhttps://www.herstory.co.jp/
【所在地】〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋1-37-8 ワコーレ三軒茶屋64ビル 3F
【TEL】03-6805-3743
【事業内容】女性視点マーケティング(R)事業(コンサルティング/研究調査/専門情報出版/マーケティング支援/人材育成支援)
【設立】1990年8月20日
【代表取締役】日野 佳恵子
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