2020年10月に現役女子高生の歌い手としてデビューしたAdo。デビュー曲「うっせぇわ」のミュージックビデオの再生回数は2億回を突破し、日本レコード大賞特別賞や新語流行語大賞でトップ10入りを果たすなど、デビュー後すぐに社会現象を巻き起こした。

今年も新曲「心という名の不可解」が月10ドラマ『ドクターホワイト』の主題歌になるなど勢いが止まらないAdo。1stアルバム「狂言」のリリースを前に『めざましテレビ』が単独インタビューを行うと、歌からは想像できない素顔を見せてくれた。

ここでは1月24日の放送では伝えきれなかった未公開部分も合わせてインタビュー完全版をお届けする。

名前「Ado」の由来は狂言だった

1stアルバム「狂言」(ユニバーサル ミュージック)

――(鈴木唯アナウンサー)1stアルバムのタイトル「狂言」にはどんな思いが込められていますか?

私の名前「Ado」の由来にもなっている伝統芸能の狂言からタイトルを付けました。狂言の役柄では主役を「シテ」、脇役を「アド」と呼ぶんです。デビューして1周年、歌い手としての活動は1月10日で5周年を迎え、それ以前から「Ado」という名前で歌っていて、「いつかはアルバムを出したりライブをしたい!」という思いがあったので、まだまだ活動は続けますが集大成にふさわしい名前を考えた時に「狂言」というタイトルがしっくりきました。

――狂言は好きでしたか?

もともとは小学5、6年生の時に狂言の演目「柿山伏」について学んで、日本の伝統芸能なのにカタカナで「アド」という名前があることに「かっこいい!」と思い、最初は響きだけで「Ado」と名前を決めました(笑)。活動後にもっと狂言や日本の伝統芸能についても知っていきたいという思いが出てきました。「アド」が脇役という意味であることを知り、「シテ」だったら主役だったのかと思いましたが、逆に脇役もかっこいいなと。私以外の人にとってはその人の人生があるので、歌を通して皆さんの人生を支えられる“脇役”として活動ができたら私はそれで十分だと思っています。

「誰かの人生の脇役になれたら」という思いで活動しているというAdo。彼女自身の原動力になっている“名脇役”は誰なのか聞いてみると――

うーん、そうですね。色々あります。いまこうして活動できているのも聴いてくれる方があってのことですし、それ以外でも大好きなボカロイドの曲や自分が聴いてきた歌い手さんですね。

「私自身コンプレックスを抱いている」彼女自身の心の叫びを歌った曲とは

――アルバムの収録曲の中で、今一番共感できる曲はどれですか?

いままでの楽曲だと3曲目にリリースした「ギラギラ」です。1曲目の「うっせぇわ」は“怒りの感情”を、2曲目の「レディメイド」は“大人だけにはなりたくない”という既成概念や固定概念を壊すところには歌を通して共感する部分がありましたが、どこか役になりきっている感情があったんです。「ギラギラ」は、私自身すごくコンプレックスを抱いていて自愛ができていない身なので、「正直言って私の顔は そう神様が左手で描いたみたい」という歌詞や、「もしも神様が左利きならどんなに幸せか知れない」など心の叫びの部分がありのままの私を歌っているような感情になりました。

2020年10月23日、17歳の最後の日にデビューし、「うっせぇわ」がいきなり社会現象になる鮮烈なデビューを飾ったAdo。一言で表すとどんな一年だったのだろうか?

「時間がもっと欲しかった~!」ですかね。自分が普通に生きていたら経験できなかったであろうことが身のまわりで起きて、1億回再生やレコード大賞、流行語大賞など評価していただく機会が多かったので、その事実を噛みしめてちゃんと浸る時間が欲しかったと思います。今は新しい物に目を向けていかないといけないので、どうしても1つ1つにありがたみを持って心にしまう時間がなく…そんなひとときが欲しかったなと思います。

――デビュー以来、変わったことはありますか?

中身や性格はあまり変わっていないと思います。相変わらずだらしないですし、家も散らかし放題で片付いていたら奇跡ですし(笑)、周りも私に対して態度を変えずに今までと同じように接してくれているのが嬉しいです。

私生活ではシール集めに熱中!

――最近はまっていることはありますか?

最近はアイドルグッズなどにあるカードを入れるケースにデコレーションをするためのシール集めにはまっています。私はトレーディングカードを持っていないんですが、ただケースをデコレーションする為だけにシールを集めているというよく分からないことをしています(笑)。ネットやTikTokなどを見ていると、自分の推しているアイドルなどのトレーディングカードを可愛く飾るためにケースをデコレーションしている動画があって、「え!面白そう」と思いデコレーションをすることに興味を持ってしまいました。トレカはないのに…蝶やバラのシールだったり、角度によって色が変化する物だったりと自分の家の近くではあまり売っていないようなシールをネットで見つけて貼って楽しんでいます!女子小学生みたいなことしていますね(笑)。

歌い手として活動5周年を迎えたAdoが、5年後はどんな将来を描いているのか聞いてみると、「今よりはもう少し大人になっていたらいいなと思います。5年後は24歳…せめて整理整頓ができていることを願っています(笑)切実に。」ともらした。