根津美術館
館蔵の中国画や日本中世の水墨画の中から、コレクションの中核をなす重要作品をまとめてご紹介


足利将軍家愛蔵の名品 牧谿筆「漁村夕照図」(国宝)と、雪村周継の個性あふれる「龍虎図屏風」(右隻)

【展示室1,2,5】
寛平6年(894)に遣唐使が停止されたあと、日中間の交流は限られたものとなっていましたが、中世には再び盛んとなり、交易を通じて様々な文物が日本へともたらされました。それらの中には中国の院体画や、牧谿ら画僧による水墨画の名品なども含まれていました。これらは「唐絵(からえ)」と呼ばれて日本で絵画制作の規範となり、とりわけ足利将軍家をはじめとする武家の間で尊ばれました。そしてそれらに倣った和製の唐絵も多数制作されることとなります。
根津美術館の所蔵品には、中国画だけでなく、室町幕府お抱えの絵師らが描いた水墨画など、唐絵の名品が多数含まれ、日本の私立美術館の中では最高レベルといえる質と量を誇っています。この展覧会では、当館コレクションの中核をなす特に重要な作品をまとめてご紹介いたします。名品を通じ、唐絵の魅力を感じていただければ幸いです。
唐絵の名品 

国宝 漁村夕照図 牧谿筆 中国・南宋時代 13世紀 根津美術館蔵

足利将軍家に伝来した「瀟湘八景図」のうちの1図。牧谿画は日本で水墨画の手本とされ、のちの画人に多大な影響を与えた。修理後初公開。


国宝 鶉図 伝 李安忠筆                中国・南宋時代 12~13世紀
南宋 院体花鳥画の代表格室町幕府6代将軍・足利義教の所蔵を経た作品。本作のような南宋の院体花鳥画は日本で大変愛好され、のちの花鳥画の規範となった。














重要文化財 披錦斎図 宗甫紹鏡他六僧賛 日本・室町時代 寛正5年(1464)
重要文化財指定後初公開ある人物が鎌倉・円覚寺の少年僧に贈るため、夢に見た美しい書斎の光景を描かせた佳品。今日より遅れて流行した、鎌倉における詩画軸の古例かつ代表作例である。2024年に重要文化財に指定された。




四季花鳥図屏風(右隻) 伝 狩野元信筆            日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵            
日本中世の水墨画柔軟な筆遣いが印象的な狩野派による行体花鳥画の優品。深い奥行きとともに横への広がりを感じさせる典型的な元信様となっている。



関連催事1.講演会「日本が愛した宋時代宮廷の書画」


関連催事2.スライドレクチャー


※いずれの催事も、7月15日(火)午後1時より、当館ホームページ「イベント情報」の申込フォームからお申込みください。参加は無料ですが、美術館入館料が必要です。
同時開催展:展示室6 涼みの一服
暑さ盛りのこの季節、涼を呼ぶ茶道具約20件の取り合わせをお楽しみください。

青磁平茶碗 龍泉窯 中国・南宋時代 12~13世紀 根津美術館蔵






夏に好まれる青磁の平茶碗。口が大きく開いていることから茶が冷めやすく、また、淡い青緑色の釉薬により、見た目も涼やかである。




開催概要


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