視聴者が“今最も見たい女性”に密着し、自身が課す“7つのルール=こだわり”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ、人生観を映し出す新感覚ドキュメント『7RULES(セブンルール)』。
6月30日(火)放送回では、夫・Tatsuyaとともに「ぐっち夫婦」として活動する料理家・SHINOに密着。手軽でおいしいオリジナルレシピを毎日発信し続け、Instagramでは45万人のフォロワーを抱える彼女。SNSを使いこなし、共働き・子育て世代の食を支える、SHINOのセブンルールとは。
ルール①:料理は20分以内で作る
雑誌「ESSE」に掲載する料理レシピの撮影日。ガパオライスを作るSHINOは、通常のレシピで用いられるタイの調味料・ナンプラーの代わりに大葉を投入。香りづけの役割を果たすそうだ。
これまでにも、鳥もも肉と餃子の皮を使った北京ダック風のレシピや、豚の角煮の代わりにひき肉を使ったルーローハン、ピザ生地の代わりに油揚げを使ってアレンジしたカルツォーネなどを紹介してきた彼女。一般的な家庭でも用意できる食材を使うことを意識しているという。
そして「誰でも作りやすいレシピ」にするため、工程は多くても4ステップまで。家に帰ってパパッと作れるようにと、調理時間も20分以内でできるものばかり。「手を抜きすぎず、でも手を抜いて美味しい料理。作ってもらってなんぼなので」と、レシピ作りのこだわりを明かした。
ルール②:ハサミで切れるものはハサミで切る
東京都板橋区に生まれ、青果店を営む祖父母のもとで育ったSHINO。将来は食に関わる仕事がしたいと、栄養士の資格を取り、大学卒業後は食品メーカーに勤務していた。
軽い気持ちでアップし始めたInstagramの料理写真に、作り方の問合せが来るようになり、以来、会社員として働きながら毎日レシピをアップしていたが、今年3月に会社を辞め、料理家の活動に専念することに。
そんな経歴を持つ彼女だからこそ、忙しい人たちの料理の負担を減らすため、缶詰やレトルト食品を使うレシピもいとわない。千切りになっているたけのこの水煮缶を積極的に使ったり、椎茸は手でちぎって入れる。
さらに、鶏肉は、まな板を洗う手間を省くためにハサミでカット。「せっかく美味しくて幸福感に浸っているのに、最後に(洗い物を)頑張るぞっていうのがちょっとな…と経験から思っていて。普段レシピを考えている時も、極力洗い物が少なくなるように意識しています」という。この意識こそが人気の理由だ。
ルール③:行き詰まったらちょい飲み
Instagramに日々アップするレシピから、毎週末行っている料理動画配信、さらに10本の連載を抱え、書籍のオファーも舞い込む売れっ子料理家のぐっち夫婦だが、その分、数多くのレシピを考えなければいけない。
作業時間は20分以内に、というこだわりが、レシピ作りの障害になることも。「作ってみたらマズかったこともありました。枝豆を使ったかき氷とか…」と、失敗談も明かした。
レシピの開発に行き詰まった時は、「ちょい飲み」でリラックスするのだという。じっくり考えすぎるよりも、ひらめきから生まれたレシピのほうが、読者の反応も良かったりするのだとか。
ルール④:ランニングするときは夫を並走させる
多くのレシピを生み出す以上、試作を繰り返すため、体重の増加は避けられないという。そんなSHINOの習慣は、週3回のランニング。この1年で体重が10キロ増加した夫のTatsuyaを気遣い、必ず並走させるようにしている。ただ、運動嫌いの夫は電動自転車。「意味ない」と笑いながら、「(運動しないと体調が)心配だよ」とこぼした。
ルール⑤:外食に夫は誘わない
休日、彼女がひとりで向かったのはネパールの民族料理店。スパイスの使い方や食材の合わせ方など、レシピの参考にするため、食べ歩きにも余念が無い。
「外で食べる時は1人のほうが好きで。色々考えられるし、夫は食べるのが早いし、なんだろう… 邪魔ですね(笑)」と言いつつも、「ちょっと離れて息抜きして、リラックスして、帰っていくとお互いに優しくなれる」と話す。仕事も生活もともにする2人にとって、この時間が夫婦円満の秘訣のようだ。
ルール⑥:料理の写真は完璧にしない
学校に通い、カメラの使い方も学んだというSHINO。機材を使いこなし、撮影は自分たちで。
作った料理を次々と写真に収めていく中、撮影中の料理を夫が一口。「食べちゃっていいんですか?」と驚くスタッフに「いいんです、食べたほうがリアル感が出るので」と、意外なこだわりを明かした。
盛り付けた状態から、少しくずしたほうが、自分が食べた時のイメージが想像しやすいのだという。料理を飾り立てるのではなく、いかに食べている気持ちになってもらうか。そんな“リアルさ”を大事にしているのだ。
ルール⑦:料理も夫婦もアツアツで
週末は、リビングに機材を並べ、ライブ配信の料理教室を開催する。多くの人に、家で料理を楽しんで欲しいという思いから始めたこの企画。本番直前は、準備の慌ただしさでピリピリとした空気が漂うこともあるが、それでもSHINOは、いつでも夫に顔を向け、幸せそうに笑う。
趣味の料理を通して意気投合し、3年前に結婚した2人に、「離婚しても活動は続けますか?」と、スタッフが直球の質問をぶつけると、「それはしないかな」「しないだろうね、ビジネス夫婦ではないからね」と笑った。
日々の献立に悩む人がいかに多いかということを、SNSを通して知ったという。“幸せ”を作り出すことのできるものである料理の魅力を伝えるためにも、彼女は、料理を楽しむ夫婦の姿を見せている。
「美味しいものを作って笑っていられたらそれでいいよね」と話す夫に寄り添いながら、「アツアツでいたいよね、料理も夫婦も」と語るSHINO。自分たちの姿をきっかけに、楽しく料理をしてくれればそれでいい。人々の食卓へ、アツアツな料理とともにそんな思いを届け続けている。
次回、7月7日(火)の『7RULES(セブンルール)』は、老舗銭湯「小杉湯」の名物番頭・レイソン美帆に密着。銀行員から転身し、「いるべきところが見つかった」と語る彼女の7つのルールとは。