<第1話あらすじ>

高校生の早川秀一郎(宇佐卓真)は、心にぽっかりと穴が空いたような虚しさを抱えていた。クラスの中心的存在である友人たちにも恵まれ、遊び相手もいる。けれど、大好きだった音楽を捨てた“あのとき”から、まるで息をしていないように感じていた。

ある朝、教室で強烈な息苦しさを感じた早川は、逃げるように校舎の屋上にかけ込んだ。他人の目など気にする必要もない、誰もいない屋上で、早川はようやく、自分を取り戻せた。

無意識に、歌を口ずさむ。次の瞬間、シャッターを切る音がした。カメラを構えていたのは、同級生・紺野遼平(平野宏周)だった。

「いい顔してたから撮った」

紺野の真っ直ぐな眼差しに、早川はなぜか心を奪われる。その日以来、二人は屋上だけで言葉をかわす“屋上友達”になった。

好きなカメラに夢中な紺野は、早川の友人にはいないタイプだった。早川は、紺野に憧れにも似た感情を持ちながらも、同時に強い劣等感を持つように…。

そんなある日の放課後、人気のない科学準備室でのある出来事をきっかけに、早川は紺野への気持ちが“ただの友情”ではない特別な感情であることに気づいてしまう。

左から)宇佐卓真、平野宏周
(C)苑生/大洋図書/「被写界深度」製作委員会
宇佐卓真 (C)苑生/大洋図書/「被写界深度」製作委員会
平野宏周 (C)苑生/大洋図書/「被写界深度」製作委員会
左から)宇佐卓真、平野宏周 (C)苑生/大洋図書/「被写界深度」製作委員会
左から)宇佐卓真、平野宏周 (C)苑生/大洋図書/「被写界深度」製作委員会