漫画家でモデルのペッペ、料理研究家のベリッシモ・フランチェスコ、オペラ歌手のパオロが、ドラマ撮影の裏側や二宮和也の印象を陽気に語った。
1月3日(月)21時よりフジテレビで放送される、二宮主演、有村架純共演の新春スペシャルドラマ『潜水艦カッペリーニ号の冒険』。本作は、第二次世界大戦中に運命的な出会いを果たすことになる、厳格な日本海軍軍人と陽気なイタリア人たちの国境を超えた友情と恋を実話に基づき描いた物語だ。
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フジテレビュー!!は、二宮演じる日本海軍軍人・速水洋平と出会うイタリア人、アベーレ役のペッペ、シモーネ役のベリッシモ、アンジェロ役のパオロにインタビュー。本作のオーディションを受けた経緯から、撮影の裏話、作品のテーマにちなみ「今、なんのために生きているか」などを聞いた。
<ペッペ、ベリッシモ・フランチェスコ、パオロ インタビュー>
仲良し3人組を演じたものの、本当は不仲!?
──まずは、皆さんがオーディションを受けた経緯からお聞かせください。
ペッペ:僕は、ちょうど漫画「ミンゴ」の連載が終わった時期に「オーディションを受けませんか?」とオファーがあって、本当に運命かと思った。週刊の連載をやっていたから、連載中にオファーをもらっても忙しくてオーディションも受けられなかったと思う。でも、タイミングが良かったから「絶対にやりたい!」と思った。
それに僕は、漫画も大好きだけど映画も大好き。映画監督もやってみたいと思っていたから、勉強になるんじゃないかと思って、一生懸命オーディションを受けました。そうしたら、おかげ様で決まりました!
パオロ:私はもともとオペラ歌手です。(新型)コロナの影響でライブがたくさんキャンセルになってしまって…その時期にオーディションの話が来てうれしかった。オペラ歌手は、歌と演技をするのが仕事だし、この作品には日本の歌、イタリアの歌を歌うシーンもあるので、オペラで学んだことを発揮できるチャンスをもらえてうれしかったです。
ベリッシモ:僕がオーディションを受けたのはたまたまですね(笑)。なんだか分からないまま参加させていただいて…まさか役をいただけるとは!実は…あまり台本を読まないでオーディションに行ったんですよ(笑)。
ペッペ:ははは(笑)。僕の逆ね!
ベリッシモ:イタリア人の役って言われてたから、イタリア語かと思ったら、オーディションのセリフは全部日本語だったんですよね。
パオロ:私、セリフなかった!オーディションは音楽の話を話すだけだったよ(笑)。
ペッペ:オペラ歌手を探してたんじゃない?
ベリッシモ:僕は、あまり台本は読まなかったけど、一期一会だから今後もしかしたらお仕事につながるかもしれないと思って、会場では「どーもー!」って明るくして頑張りました。そうしたら、受かったと聞いたから、本当にびっくりしたね。
──オーディションに合格し、アベーレ、シモーネ、アンジェロがこの3人だと聞いたときはどう思いましたか?
ペッペ:僕は「あの(非接触決済端末の)CMのパオロだ!」って思った(笑)。
ベリッシモ:もう大変有名な方ですから!
パオロ:そんなふうに言わないで!ベリッシモさんは、前に一緒に仕事したことあるんだよね。イタリアのイベントでね。覚えてる?
ベリッシモ:あるね!でも、交流はないよ(笑)。
パオロ:ははは(笑)。
ペッペ:だから今日、僕が2人の間に座ってるんですよ(笑)。僕がいなかったらケンカしちゃうよ!
一同:(爆笑)
本作のイタリア語翻訳を担当したペッペ「日本語がうまくなるし、翻訳大好き!」
──撮影では、主演の二宮和也さんや有村架純さんとのシーンが多かったと思いますが、お2人とお芝居をした感想をお聞かせください。
ペッペ:やっぱり近くでお芝居を見るのは面白かった。私も演技をしないといけないけど、目の前でうまく演じている人がいたら「演じてる!」って思って見ちゃうことがあって(笑)。「あ、僕もセリフ言わなきゃ!」って慌てることもあったし、すごく不思議な経験だった。
ベリッシモ:2人だけじゃなくて皆さんそうだけど、プロの…切り替えがすごいよね。シーンの10秒前まで全然違うことをやっていたのに、カメラが回るときは切り替えて役に入っていてね。私たちは切り替えるためにちょっと時間がかかるから大変だった(笑)。
──今回、ペッペさんはイタリア語の翻訳も担当されたと聞きました。大変だったことはありますか?
ペッペ:翻訳はもともと仕事でやっていたし、大学の卒論も本の翻訳だったので、大変ではなかったです。翻訳をすればするほど、日本語がうまくなるし、大好きな仕事です(笑)。
──撮影現場では、二宮さんにイタリア語をレクチャーする場面もあったと聞きましたが、二宮さんのイタリア語はいかがでしたか?
ペッペ:教えることはほとんどなかったです。セリフは全部覚えていたし、ただ発音がOKかどうかだけ見ました。現場では、僕に向かってセリフを言って、それを僕が「ここをもうちょっと強く言ったほうがいい」とか、イントネーションをちょっと伝えるくらいだったと思います。
何よりも二宮さんは、本当に休まないことにびっくりした。僕と2人のシーンの撮影で、リハーサルをして、本番を撮って、そのあとセットチェンジをしている間に「イタリア語を教えてください!」って言われて。休憩の時間もイタリア語の発音の勉強をしていたんです。僕は疲れて休んじゃってたのに(笑)。本当にすごいなと思いました。
──このドラマは、「トマトの一番おいしい調理法」の話題からスタートします。料理研究家のベリッシモさんが思う、「トマトの一番おいしい調理法」はなんでしょうか?
ベリッシモ:今回のドラマの中に料理が出てくるんですけど、その料理が一番ですよ。
──劇中の料理は、ベリッシモさんが監修しているんですか?
ベリッシモ:監修じゃないし、撮影のときはもういろいろ決まっていたけど、僕が助言をして調整してもらいました。もともと仕事で、昔の料理の研究もしているんです。それで「こういうふうにしたほうが、昔の料理に近い」ということをね、言っていました。
パオロ:玉ねぎの調理法が、ちょっと最初はフランスっぽかったね。
ベリッシモ:そうそう、それを直してもらって。でも、監督も柔軟性のある方で、話を聞いてくれたからよかった。だからね、ドラマの中に出てくるトマト料理が一番!今は何が出てくるかは言わないから、ドラマ見てください(笑)。
コロナ禍の撮影は大変!でも…「私たちしっかりルールを守って、静かにしていました(笑)」
──撮影現場で楽しかった出来事はありますか?
ペッペ:いっぱいあったね。
ベリッシモ:江戸村だったっけ?
パオロ:そうそう!
ベリッシモ:昔の日本の町が再現された江戸村みたいなところは、やっぱり外国人は楽しいんですよね。昔の建物とかを見て感動しました。
ペッペ:映画を撮ってる感じだったね。あとは、僕たち3人はドラマの撮影に慣れていないから、よくNGを出していたんです。でも、間違えてもみんな爆笑をしていたから、すごく楽しかった(笑)。
──NGを出しているのに、楽しくなって笑っちゃったということですか?
ペッペ:そうです。笑ってしまうんだけど、NGを出したあとのほうが、本番で楽しそうに映っていました(笑)。
ベリッシモ:そうだった(笑)。あとね、皆さん撮り方がすごくうまいんです。私たちはお芝居がうまくないから、セリフを言ったあとに笑ってしまっていたはずなのに、そこが映っていないんですよ!
ペッペ:魔法ですね。
ベリッシモ:あとは、誰かがマスクを外し忘れたこともあったよ。コロナ禍だったので、リハーサルではマスクをしていて、本番だけマスクを外してっていうことを繰り返していたから、大変だったよ。
ペッペ:リハーサルのときに頑張っても、マスクしてるから映像が絶対使えないし、もったいなかったよね。リハーサルのほうが「今、うまくいったのに!」っていうこともあったし(笑)。
パオロ:そうだったね。
ベリッシモ:マスクとフェイスシールドを外したときには、毎回ヘアメイクも直さなきゃいけなかったし。
ペッペ:外したマスクも、それぞれ「アベーレ」「シモーネ」「アンジェロ」って書かれたプラスチックバッグに入れてくれる担当の人がいたね。
ベリッシモ:コロナの責任者もいたでしょ。休憩中に「マスクしなさい!」って注意するの。
パオロ:「食べるときは話さないで」とか。
ベリッシモ:移動中のロケバスでも「話してはダメ」とか。
ペッペ:それ大変だったね。
ベリッシモ:ロケバスが一番盛り上がるじゃないですか。でも、私たちしっかりルールを守って、静かにしていましたね(笑)。
ベリッシモ「子どもとご年配の方のために頑張る」
──劇中にも出てきますが、イタリア人は「マンジャーレ、カターレ、アモーレ(食べて、歌って、恋をして)」、そのために生きていると言われています。皆さんは今、なんのために生きていますか?
ペッペ:僕はマンジャーレかな。食べること。おいしいものを毎日食べたい。食べることばっかり考えてる。最近一番好きな食べ物?なんだろう…。みんなは何食べてる?
ベリッシモ:牛丼!ワンコインで食べられるのはいいですよね!
ペッペ:ベリッシモさんは、なんのために生きてる?
ベリッシモ:ん~、みんなのためね。自分のためよりも、みんなの役に立てばいいなと思ってるよ。…いい話にしてみた(笑)。ほら、暗いニュースが多かったから、僕たちが明るくできたらいいなと毎日考えてる。あとは、環境に優しく、基本的に子どもたちと年配の方々のために一生懸命頑張ります!パオロは?
パオロ:私はカンターレ!私の仕事ですね。やはり歌は一番。最近、アニメやテレビゲームの歌を歌うお仕事もしています。僕はもともとオペラの勉強をしていますが、オペラはイタリアの文化。その文化を日本の作品に生かせることがうれしいなと思っていて…。
ペッペ:(頭を悩ませていたが、突然)梅干し!
パオロ:びっくりした!梅干しは、最近食べてるもの?
ペッペ:そう。梅干し味のものをいっぱい食べてる。前は梅干しのすっぱさが苦手だったけど、いきなり好きになった。なぜかは分からない…人生はおかしいね(笑)。あ…急に入ってごめんね!
パオロ:大丈夫です(笑)。
──では、最後にドラマの見どころをお願いします。
ベリッシモ:トリオがいると、みんなハッキリ役割があるじゃないですか。このドラマでパオロが演じるアンジェロは、「ドラえもん」で言えばジャイアン、「北斗の拳」で言えばフドウのような、大きくて、強くて、ちょっとおバカで、優しい役。
ペッペ:優しいジャイアント!
ベリッシモ:ペッペさんのアベーレは、典型的な明るい人。
ペッペ:チャラチャラしたキャラクターだけど、早季子さん(有村)に恋をして、すごくいい人になる(笑)。
ベリッシモ:私が演じたシモーネは、賢い役だね。
ペッペ:最初は日本が嫌いだったけど…。
ベリッシモ:でも、速水と会って心を開いて、物語が進むと日本軍に技術的な協力をすることになるんだよね。
ペッペ:そういう、そのそれぞれの役の個性も見てほしいし、僕は鼻血のシーンがあります(笑)。それも見てください!
パオロ:鼻血(笑)。僕は日本とイタリアの文化の融合を見てほしいですね。
ペッペ:パオロは、お風呂のシーンも見てもらわないと!
パオロ:お風呂のシーンは楽しみにしていてください(笑)。
ベリッシモ:あとは、潜水艦!セットなのに本物みたいで、細かいところまで作られていて、撮影がすごく楽しかったよね。もう存在しないし、誰も実際に見たことがないはずなのに、写真とかから研究して作ったと言っていて、すごいなと思った。
ペッペ:あれは、めちゃめちゃいいセット!
ベリッシモ:あまり表に出ることはないけど、日本の職人のすばらしさが見えると思う。
ペッペ:もったいないから、美術館に置いてほしいと思うくらいすごかった!そういうセットもじっくり見てほしいね。