編集部オススメの“麗しい男子”を紹介する「眼福♡男子」Vol.82は、井上祐貴(いのうえ・ゆうき)が登場。

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2017年、「第42回ホリプロスカウトキャラバン」の審査員特別賞受賞をきっかけにデビュー。2019年に『ウルトラマンタイガ』に主演、2021年は主演映画「NO CALL NO LIFE」「Bittersand」の2作品が公開。先日まで放送されていた『めざましテレビ』内のドラマ「めぐる。」にも出演し注目度が高まっている。

そして今年の締めくくり、12月31日(金)に出演映画「明け方の若者たち」が公開。

理想を抱き就活に励む大学時代から、新社会人となって現実を知り、絶望の中働く“沼”のような5年間が描かれる本作で演じる役について、撮影エピソードのほか、魅かれる女性の仕草や最近始めたという家庭菜園など素顔にも迫った。

演じた尚人に共感「周りにはかっこよく見られたい」

──まずは、映画「明け方の若者たち」の台本を読んだ感想をお聞かせください。

ところどころに共感できる部分があったり、自分と重なる部分があったりして、撮影するのがすごく楽しみでした。

──重なる部分というのは、具体的にどんなところでしょうか?

昔、友だちが高円寺に住んでいて、上京前に東京でオーディションがあると、よく泊めてもらっていたんです。この映画でも出てくる通りを友だちといろいろな話をしながら歩いたこともあったし、飲みに行くこともあったし。そういう場所が舞台の作品なので、懐かしくて。ただ、いざ撮影が始まるとうれしいんですけど、ちょっとソワソワするという、不思議な感じでしたね(笑)。

(北村)匠海くんも、ライブハウスに通っていたり、高円寺にはいろいろと思い出があるみたいで、思い出話で撮影中も盛り上がって、楽しかったです。

──演じる尚人は、どんな人物でしょうか?

自分の理想と、新入社員として会社に入ったときの現実のギャップに苦しみながら、でも、それすらも楽しみながら必死に、一生懸命生きている男の子ですね。演じるのがすごく楽しかったです。

節々に弱さが見えるけど、弱いからこそ周りにはかっこよく、強く見られたいという思いが垣間見えて、台本を読みながら「なんかわかるな」と共感しました。やっぱり自分のかっこ悪いところって、できるだけ見せたくないですし、どうせ見られるならかっこいいとこ見せたいという思いは誰しもあることですから。そこが僕自身と尚人の一番の共通点でしたね。

──尚人はそういう弱さを持ちながら、北村匠海さんが演じる“僕”を思って動ける人でもありますよね。

そこがかっこいいですよね。どうしたって、自分のことで精一杯になってしまう年ごろですから、演じながら、尚人の人柄に憧れてもいました。

苦手なバッティングのシーンがあると知り1ヵ月半の猛特訓!しかし…

──“僕”、“彼女”(黒島結菜)、尚人の青春感のある映像が全編を通して印象的な作品ですが、撮影をしながら「これは、青春だな」と感じた瞬間はありましたか?

いっぱいありましたね…中でも、バッティングセンターのシーンは特に青春を感じたかもしれません。“僕”と尚人が隣の打席でボールを打ちながら、恋愛の話をする、作品としてはすごく大事なシーンで。楽しみながら、大切に演じていました。

──劇中、とてもいい当たりを出していましたが、実際、バッティングは得意ですか?

バッティング…苦手です(笑)。僕、サッカーで育ってきたので、野球はやったことがなかったんです。野球はスポーツの中でも唯一、苦手意識もありましたし。だから、初めて原作を読んだときに「待って。バッティングのシーンある!」と思って、台本を読んだらバッティングしながら会話もしているし焦りました。しかも、尚人はカキーンといい球を毎回打つ流れになっているし、これは空ぶれない…と。

当てるだけではなくホームラン級の球を打たないといけないから、ヤバいなと思い、クランクインする1ヵ月半ぐらい前からバッティングセンターに通って練習しました。自分のせいで撮影が押すなんて、絶対に嫌だったので(笑)。

僕が通ったバッティングセンターは、20球でワンセットだったのですが、最初の頃は3球くらいしか当たらなかったです(笑)。本当にヤバかった。意地でも打てるようになって、しかもお芝居をしながら打てるところまで持っていかなきゃと思って、一生懸命練習をしたら、なんとか3球はずすくらいまで上達することができました。

それでちょっと自信をつけて、いざ現場に行ったら…まさかのCGだったという(笑)。よく考えたら、芝居中はカメラが目の前にいるから危ないですし、そりゃそうですよね。ただ、練習していたおかげでフォームは野球ができる人に見えていたので、ムダではなかったと思っています。それに、バッティングに対する苦手意識もなくなりましたし、今後につながればいいな、と。

──「私と飲んだ方が、楽しいかもよ?笑」という“彼女”の言葉がきっかけで、本作の物語が展開していきますが、井上さんご自身が「こんなこと言われたら(されたら)魅かれる」という言葉、仕草はありますか?

言葉は難しいのですが、魅かれる仕草はあります。あるあるかもしれませんが…髪を結ぶとか、髪ほどくとか、そういうちょっとした仕草は、どうしても気になってしまいますね。自分がしないことだからなのかな。

──逆に、自分が気になる人を誘うときのキラーワードやアクションはありますか?

え、どうしたら振り向いてもらえるか、教えてもらいたいです(笑)。今の僕は勉強中ということで!

──では、映画の見どころをお聞かせください。

新社会人になるとき、キラキラした理想を思い描いて社会人になると思うんですけど、やっぱり突き付けられる現実はそんなに甘くなくて。そういう現実に、北村くん演じる“僕”と、僕が演じる尚人はどう立ち向かっていくのか、どう乗り越えていくのか、乗り越えていけるのか。ぜひ劇場で見ていただけたらと思います。

花屋さんでサボテンと運命の出会い?

──携帯の中にあるご自身が撮ったお気に入りの写真と、そのエピソードをお聞かせください。

これは大葉と唐辛子なんですけど、ちょっと育ててみようかなと思って、家庭菜園を始めました。最初は、カプセルの中で乾燥しないように、少しずつ水をあげて育てて、大きくなったら鉢に移すそうです。

もともと、料理が好きなので、薬味系の何かを育ててみたいなと思っていたんです。薬味はなんだかんだでよく使うから頻繁に買うし、それが自分で育てられたら楽しいだろうなと思って。そんな話をしていたら、マネージャーさんが「こういうのあるよ」と教えてくださって、育て始めました。まだ始めたばかりなので、これからの成長がすごく楽しみですね。

──井上さんにとって、“眼福”なものはなんですか?

サボテンですね。面倒が見れるのかという不安もあって、今まであまり家に植物は置いていなかったのですが、増えたおうち時間の質を高めたいなと思ったことをきっかけに置くことにしました。

最初に何が家にあったらテンションが上がるかなと考えたときに、“生”を感じたいなと思って。でも、一人暮らしで家を空けることも多い僕がペットを飼うのは違うな、ということで行きついたのが植物だったんですよね。

それでいざお花屋さんに行ったらもう…サボテンしか見えなくて(笑)。どこに惹かれたのかは自分でも分からないのですが、ビビッと来るものがあって。運命的にサボテンと出会って、即決でした。

──では、最後に2022年の目標をお聞かせください。

「あの人が出演しているなら見てみよう」と言ってもらえるような俳優になりたいですね。そして2022年は、昔から憧れている警察官の役を演じる機会があるとうれしいな…いや、演じられるように頑張ります!

撮影:河井彩美