“人間ものまね”や“韓流あるある”動画で人気を博しているスクールゾーン(橋本稜、俵山峻)が、12月開催の舞台「THE EMPTY STAGE 〜THE NEWS SHOW〜」に出演。ニュース番組をモチーフとした即興コメディに挑む。
フジテレビュー!!では、舞台を控えたスクールゾーンの2人に単独インタビューを実施。「THE EMPTY STAGE」への意気込みを聞くと、「稽古でやることは本番で出さないんです」、「どんな舞台になるか、予想がつかない(笑)」と、彼ら自身も未知数(?)であるかのよう。さらに、2人が得意とする“ものまね”や“人間観察”についてもたっぷりと語ってもらった。
<スクールゾーン 単独インタビュー>
「予想がつかない」台本なしの完全な即興劇「THE EMPTY STAGE」とは?
――まずは「THE EMPTY STAGE ~THE NEWS SHOW~」について教えてください。
俵山:基本的にはアドリブがベースで、観客の皆さんからその場で“お題になる言葉”を出してもらったり、ミュージックディレクターさんにその場で音楽を入れてもらったりと、完全に即興の舞台です。
橋本:即興劇なのに、これから4回ぐらい稽古をするんですよ。稽古で出たネタは、本番では何も出ない(笑)。即興にあらかじめ体を慣れさせるだけの稽古です(笑)。本番ではカツラとか小道具も使えないので、事前に準備することもないんですよね。
俵山:その場で誰かが言った言葉に対して“全乗っかり”していって、チームが一体となって新しいものを作る感じだと思っています。どんな舞台になるのか、僕らも予想がつかないですね(笑)。
橋本:ふだん僕らがものまねコント動画を撮っているときも、オチだけ決めて、あとは即興劇になることが多くて。いつもは現場にカメラマンしかいないので、“お客さんの反応”が全くわからないんです。なので今回の「THE EMPTY STAGE」では、お客さんがどの部分でウケているのかを確認して、「今度はこういうコントが作れそうだな」とか、次に生かせたらと思っています。
――台本なしの即興劇を控えるということで、もっとソワソワしているのかと思いきや、お二人ともすごく冷静ですね。
橋本:そんなにギャーギャー騒がないんですよね、二人とも(笑)。
俵山:自発的にしゃべるタイプではないので、“ものまね”とか、何か役柄に入ったほうがテンションが上がりますね。
「人が愛おしい」スクールゾーンの“人間観察論”
俵山が小学生女子に扮し、YouTubeで127万再生を誇る人気動画「命の授業で発言する小5女子」や、橋本の韓流文化への愛が詰まった「事務所ごとに違うK-POPアイドルのあいさつ」など、さまざまな人間像を“完コピ”してバズり続けてきた2人。彼らはなぜそこまで“人間観察”に熱中するのだろうか?素朴な疑問をぶつけてみると…。
――お二人の“人間観察”のモチベーションは何でしょうか?
橋本:「人が好きだから」かもしれないですね。愛おしいというか。
俵山:電車でも、しぜんと目に入ってくるんです。たった一瞬の風景に何か違和感を持って、それをずっと覚えていて…という感じです。
橋本:意図的に「あの人を観察しよう!」とは思わないですけど、おもしろい人がいそうな場所に二人でふらっと行ってみたりはしますね。この間も、あるカップルが、居酒屋でずっと前のめりになって、ただただ手を握りあっていて。料理はもう届いているのに、(男女の様子を再現しながら)それでも、ずーっとこうやって手を握りあって。「なんでだろう…?」って。
俵山:あとは、喫茶店で僕らがネタ合わせをしていたら、近くの席に「コンバース」のスニーカーの形をした大きいバッグを持っている子がいて。「なんであのバッグを選んだのか?」っていう疑問が止まらなくなってしまって。服装はおしゃれな雰囲気なのに、バッグ1個だけその系統から浮いている。しかも、席に座っていてもずっと肩にかけたままで。めちゃめちゃ気に入ってたのかな?
橋本:しかも、靴はコンバースじゃないから(笑)、「あえてハズしてんのかなぁ?」とか考えてくるとキリがなくて。まだちょっと新しめのバッグだったし、15分くらいで店から出て行ったし、「何のために喫茶店に?」とかいろいろ考えてしまうんですよね。
“スクールゾーンのファン”もコントで完全再現!
――お二人のファンの方々のことも、気になりますか?
俵山:めちゃめちゃ見ています。コロナ禍以前は「出待ち」があって、劇場を出たらお客さんから差し入れをもらったり、一緒に写真を撮ったりしたんですけど、それを“そのまま”コントにしましたね(笑)。“騒がしい出待ちファンと、静かで引っ込み思案な出待ちファン”のコントを披露しました。
橋本:さすがにファンの皆さんに怒られるかなと思ったんですけど、意外と、全員が全員「自分のことじゃない」と思っているみたいで(笑)。僕のなかでは、コントのモデルにさせていただいた方が何人かいるんです。その方たちの特徴を混ぜてキャラクターにしていきました。
――お二人はフジテレビでもお仕事をしてきましたが、フジテレビ内で気になった人はいましたか?
俵山:僕らが出演させていただいた月9ドラマ『ようこそ、わが家へ』の現場でお世話になった、中江功監督ですね。
橋本:アロハTシャツを着て、薄いサングラスをかけて、ニヤッと笑いながら「おう」って。現場で有村架純さんを連れてきてくれて、「これ、スクールゾーン橋本」っていきなり紹介されて、「あ、こんにちは、よろしくお願いします…」って…。
俵山:僕ら、「それでどうしたらいいの?」って感じだったよね(笑)。
橋本:それを見て中江監督がケラケラ笑って、「じゃ!」って去っていって(笑)。役者さんの間で、中江さんに絶大な信頼があるからこそ大丈夫なんでしょうね。僕らにとっては優しいお父さんみたいな存在でしたね。
俵山:あとは、『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』の作家の小川浩之さん。オーディションを見ているときの体勢が小川さんだけ違っていたり、相づちも多くて。優しい人のほうがマネしたくなりますね、愛おしいなって。
橋本:練習では厳しく指導されて、でもいざ本番の出番前になると小川さんが僕らのケツを叩いて「よし!行ってこい」って言ってくれて。すごくテンションが上がりましたね。
俵山:『細かすぎて〜』にはこれまで2回出させてもらいましたけど、収録終わりにいつも小川さんが「いい日になったね」って声をかけてくれるんです。「おもしろかったね」ではないんです(笑)。素敵な方ですよね。
――周りのことをよく見ているお二人ですが、お互いが思うそれぞれの特徴は何でしょうか?
俵山:橋本くんは、臭いと思ったら大きい声を出していいと思っているから、「クッサ!!」って、臭いに対してすごく主張してきますね(笑)。
橋本:神経質なので(笑)。(俵山を見ながら)たまに首をこう横に傾けるよね?
俵山:あーやる!ずっと首が凝ってるんだよね。やっぱり、お互いにしぜんと目に入ってきちゃいますよね、ずっと一緒にいるので(笑)。
――逆に、特徴をつかみづらく“ものまね”しづらいタイプの人はいますか?
橋本:“ものまねをやっている人たち”ですね。エハラマサヒロさんとか中川家さんとか、難しいです。
俵山:僕も、三戸キャップさんとかたつろうさんとか。人前で自分の素を潜めている時間が長いのかもしれないですね。
「下手したらまたバイトを…」それでも動画を撮りつづける理由
まさに“人類愛”が止まらないスクールゾーン。そんな彼らが、今年の3月からYouTubeに投稿しているショートムービーシリーズ「のぞき見シネマ」も人気沸騰中だ。
「ヤりたい男と内野手の娘」「ヴァイオリンアイドルとガチファン」「韓国人店員と韓流好き女子」など、絶妙にリアルでありえそうな状況を“ものまねコント”スタイルで熱演。スクールゾーン公式YouTubeチャンネルは数万〜数十万単位の再生回数を記録しているが、意外なことに、“収益化”にはまだ課題が残っているという。
――今後のスクールゾーンの野望を教えてください。
橋本:来年は、「のぞき見シネマ」を、映画館でオムニバス上映したいです。ただ、調べたら、映画館の使用料ってめちゃくちゃ高いんですよ。なのでクラウドファンディングで資金を集められたらと。今後も“コントとお芝居の中間”のような作品を出せたらと思っています。
「のぞき見シネマ」はけっこう大変です。この前も、僕の地元の埼玉・秩父に行って撮影したんですけど、2日間のロケで4本分ぐらいしか撮れない。1本の撮影だけで4〜5時間かかってしまうんです。正直、(YouTubeでは)ぜんぜん儲(もう)けていないですね。カメラマンのギャラとか交通費とかも全部払っているので、贅沢できないです。
俵山:下手したら、またバイトをしなければいけなくなる。YouTubeやInstagramにアップしているコント動画については、今はまだ収益マイナスですけど、本棚に本を置く感覚でどんどん撮っています。いつか脚光を浴びたときに「この人たちの動画、こんなにいっぱいあるんだ」と思ってもらえるように。
あと、ファンの方から「(映像活動だけでなく)『キングオブコント』の決勝を狙ってください!」と言われるんですけど、狙ってるんですよ、ずっと(笑)。賞レースでの結果も出すのが今後の目標ですね。“演技ができるコメディアン”というか、喜劇役者というか、その方向でやっていけたらと思います。
橋本:逆に、僕らには定番のお笑いっぽいことはできないもんね。
俵山:うん、そんなに“ボケ・ツッコミ”みたいなことが得意じゃなくて。なので今回の「THE EMPTY STAGE」は楽しみです。お客さんが見てられるような舞台がちゃんとできればいいかな、と。
橋本:“お笑いライブ”とは言ってないもんね(笑)。
リアリティたっぷりの演技力が持ち味のスクールゾーンは、“台本なし・道具なし、完全即興”の「THE EMPTY STAGE」でどんな喜劇を繰り広げるのか?本人たちも予想がつかない一日限りの生のステージに注目だ。
<「THE EMPTY STAGE 〜THE NEWS SHOW〜」開催概要>
日時:12月4日(土)13:00開演
会場:よしもと有楽町シアター(※オンライン配信あり)
出演者:竹若元博(バッファロー吾郎)、玉城(セブンbyセブン)、イチキップリン、スクールゾーン、馬越琢己(SME)、岡進太郎(SME)
内容:アメリカ最大級のコメディ集団「The Second City」の即興コントメソッドを持ち込んだ「新ジャンルの即興コントショー」を届ける新型エンターテインメント。台本なし・道具なし、そこにあるのは芸人の腕とパフォーマンスのみ。5回目の開催となる「THE EMPTY STAGE 〜THE NEWS SHOW〜」では、世間を騒がしたニュースから、身近なニュースまで、様々な時事ネタがお題として構成され、まるでニュース番組のような公演となっている。
舞台やチケットの詳細は、「THE EMPTY STAGE」公式Twitterまで。