8月8日(土)にオープンした「ガチャピン・ムック ミュージアム」(フジテレビ本社屋5階 フジテレビギャラリーにて)。すでにその内容はレポートしているのだが、今回フジテレビュー!!が注目したのは…入り口の壁一面に描かれた大きな手描き看板!
ガチャピンとムックが来場者を見つめ、そのモフモフの手で包み込んでくれるような、やさしい雰囲気のデザインだ。
この看板を作ったデザイナーが、廣田碧さんだ。看板作りのオファーを受けたとき「小さい頃から親しんでいたキャラクターだったのでうれしかったのと、イメージは“温故知新”と聞いていたので、わかりやすかった」と振り返る。
イメージは“温故知新”
温故知新。そう、このミュージアムは、 1973年に放送が始まった『ひらけ!ポンキッキ』から生まれたキャラクターを、その47年という長い歴史を紐解きつつ、最新の冠番組やYouTuberやインスタグラマーとしての活動を紹介。さらにARなど体験しながら楽しめる仕掛けが盛りだくさんとなっている。
では、この看板が目指す温故知新とは?
まず、本展のキーワードとなる“アルバム”をイメージした白ベースの塗料を塗る。その後、文字や絵を描いていくために、廣田さんはあらかじめ用意していた塗料を並べていくのだが…。
その色たちを見て、いつものガチャピン&ムックの色味とちょっと違うことに気付いた。例えば、ガチャピンの文字は、黄緑よりもやわらかい雰囲気になっている。
皆さんが見慣れている印象をちょっと「変えてみたい」
「温故知新の新しいところは、色。ガチャピン本来の色味に寄り添うこともできますが、それは皆さんが見慣れているので、その印象をちょっと変えてみたいと思いました。一色でぱんっと塗ってしまうのは簡単ですが、色合いって常に変化するはずだし、あえて限定しないで複雑性があっても面白いかな、と」(廣田さん)
ガチャピンの文字だけでも何色もの緑が使われているのがわかる。ムックも同様に赤単色ではなく、サーモンピンクのような色から、少しオレンジがかっている赤まで。廣田さんは「こんなにたくさんの色を使う看板はなかなかないので、大変です(笑)」と言いながら色を加えていく。
一方、47年のガチャピン&ムックの歴史を踏襲した部分も。
「例えば、ガチャピンの「ン」は、『開け!ポンキッキ』の「ン」のロゴの形に寄せています。ムックの「ッ」もそうですね。過去の資料もたくさん見せていただき参考にしました」(廣田さん)
実家は看板店「看板はいろんな感覚にうったえられる面白いメディア」
廣田さんの実家は大阪の看板店だ。「町の小さな看板屋さんです。幼いころから工場で模造紙に絵を描いたり、廃材で何か作ってみたりして遊んでいました」
廣田さんは、ただデザインするだけではなく、制作するところまでが楽しいという。看板は「和紙や材木で作る古いスタイルから、今はデジタルサイネージまで多様な技術を看板に込めることができます。また光らせたり、音を鳴らしたり、インタラクティブに楽しんでもらえるものも。いろんな感覚にうったえられるメディアで、空間にシンボリックに存在していくので面白いです」
看板作りをとことん楽しむ廣田さんが、「意外と時間がかかっちゃいました!」と笑ったのが、この点、点、点。ガチャピンとムックの体を覆うふわふわっとした毛をイメージしているそう。
完成まで丸3日!その一部始終を動画で
この看板が完成するまで、丸3日間かかった。その一部始終がわかる動画がこちら! 完成した瞬間、廣田さんと、アシストしたイラストレーターの山口奈津さんとのキュートな笑顔までご注目を。
廣田さん「この看板を見て、“ちょっと懐かしい感じだけど、何だろう?”って、ひっかかってくれたらうれしいです」と語った。ミュージアムに足を運ぶ際は、是非、こだわりの看板で立ち止まってみてはいかがだろうか?
【ガチャピン・ムック ミュージアム】
■開催場所: フジテレビ本社屋内 「フジテレビギャラリー」
■開催日 : 2020年8月8日(土)~ ※常設展示
■営業時間: 11時00分~17時00分 「フジテレビギャラリー」最終入場は16時30分 ※月曜日休館(月曜日が祝日の場合は翌日が休館)
■入場料金:
【ガチャピン・ムックミュージアム 入場チケット】一般(高校生以上)…400円 /小中学生100円(税込み)
【「はちたま」入場券とのセットチケット】 一般(高校生以上)…1000円/小中学生500円
※未就学児は入場無料