──すでにナイスがメインの第1話~第4話が放送されましたが、反響は受け取っていますか?

SNSで「絵が3Dと2Dで変わっていくのが斬新で面白い」というコメントも見ましたし、皆さんに楽しんでいただけているのかなと感じています。
──ご自身が「ナイス編」を見て、印象に残ったシーンはありますか?
絶対に倒れない不屈のヒーローと言われるスタンド(CV:櫻井トオル)のエピソード(第3話)は印象に残っています。

普通の青年だったリン・リンが巻き込まれた形でナイスと入れ替わって、そこからナイスの恋人、シャオ・ユエチン(CV:豊崎愛生)と距離を縮めて…でも、本当にそれでいいのか、自分にとっての“ヒーロー”って何なのかということを葛藤していきます。
そんななか、3話でスタンドと出会い、彼に「僕はナイスじゃない」と伝えるシーンがあって。そこでスタンドは「誰だろうと、自分らしくいろ」という言葉をかけてくれるんですよね。
そういうヒーローたちとの出会いによって、リン・リンはもっと成長していくんだろうなと感じて、印象的でした。
花江夏樹 リン・リン役はあくまでもナイスの完ぺきさを超えないよう意識
──リン・リンの成長が4話という短いなかでしっかり描かれていますね。
そうですね。4話って、普通のアニメではかなり短いですが、成長過程がしっかり描かれていたので演じやすかったです。

──ナイスを演じるうえで意識したことはありますか?
最初はリン・リンとして登場するので、ディレクションとしても、完成された人間というよりは“一般人感”を出せたらという話を受けてお芝居しました。「ちょっとこの子大丈夫かな?」と心配になるような。そこから4話にかけてだんだんと成長する様子を見せられるように意識しました。
──ナイスになりすますリン・リンを演じていましたが、その点の難しさや意識したことはありましたか?
本物のナイスが一番カッコよくて決まっている雰囲気だということは意識していました。そのカッコよさ、完ぺきさを基準に、リン・リンは本物のナイスを超えないように、と。
リン・リンは“本物のナイス”ではないですから。でも、ナイスとしての活動のなかで徐々に信頼値が上がっていって、そうすると顔つきや声も似てくるという設定でしたし、セリフ自体が本物のナイスとは違って、おのずと滲(にじ)むものもあるかなと思いますし、本当に意識だけで、あまり気にしすぎずに演じました。

──アフレコで印象的だった、もしくは大変だったシーンを聞かせてください。
前半にあった、ナイスのマネージャー・ジュエン(CV:斎藤千和)と黒服に取り押さえられてわちゃわちゃとするシーンは、(中国版の)原音を拾うのが大変でした。でも、試行錯誤してうまく声を入れられたかなと思っています。
ほかにも、戦闘シーンがかなり激しいので、アドリブやアクションを入れるのも大変でしたけど、ナイス編は映像がほとんど出来上がった状態でアフレコに臨めたので、演じやすかったです。