11月8日(月)、舞台「『葵上』『弱法師』〜『近代能楽集』より〜」のゲネプロ(公開稽古)と取材会が行われ、舞台単独初主演となるKing & Princeの神宮寺勇太、5年ぶりの舞台出演となる中山美穂、演出の宮田慶子が登壇した。

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演出・宮田からの「役を食べちゃえ」というアドバイスに神宮寺は…

舞台初日を迎え、神宮寺は「楽しみにしています。僕のこういう(舞台に立つ)姿を見ていただく機会はなかなかないので、足先から頭の上まで堪能していただけたらなと思います」とアピール。

作品の印象については「本当にここまで皆さんに支えていただいて、僕もレベルアップさせていただきました。1人では立ち向かえない、難しい大きな壁でした」と表現した。

演出の宮田からかけられた「印象的な言葉」について聞かれると、神宮寺は「(アドバイスは)たくさんいただきました!『役をまとう』って、よく言うじゃないですか。そうじゃなくて、(宮田さんからは)『役を食べちゃえ』と言っていただいて。まとうんじゃなくて、自分の中に落とし込んでセリフを発するんだと気付いて。『食べちゃえ』という言葉が、改めて僕の中で印象に残っています」と説明した。

宮田は恥ずかしそうに「すみません、食いしん坊なもので(笑)」とコメントし、笑いが起こった。

主演の神宮寺について宮田は、「難しい戯曲なんですが、非常に知的に論理的に分析しつつ、作中では、動物的な勘のような(ひらめき)を全部使ってくれるので、本当に毎日楽しいです。(神宮寺とは)『日々アップデート』と話していて、掘れば掘るほどいろいろなものが出てきます」と称賛した。

神宮寺からの感謝の言葉に、中山美穂が思わず涙

本作で初共演となる、神宮寺と中山。中山の印象について神宮寺は、「本当にたくさん助けていただきました。自分は、お芝居の経験がそんなに多くないので、引っ張っていただき、支えてもらいながら、今この日を迎えられております。本当に頼もしい方です」と感謝を伝えると、中山は「これから始まるのに、そんな風におっしゃっていただいて…」と涙をこぼした。

一方の中山は「稽古も頑張っていて、ものすごく驚くほどに素直な方なんですよ。直感力も働いて、すぐ自分の中でスマートに転換して動いてらっしゃるので、私にとっても刺激になりました。先輩とはいえ、私も舞台経験は豊富ではないので、『新人みたいなものなのに先輩みたいに言ってごめんね』と心の中で思ってました。本当にこの役が神宮寺くんで良かったなと思いました」と語った。

また「素直だな」と感じた点について詳しく聞かれると、中山は「何に対しても『はい!』と受け止めて、次からすぐに切り替える。『なんで?』とか『違う』とか言わないところが、初々しかったです(笑)」と明かした。

稽古中は「『食べ物は何が好き?』といった会話すら、する時間がなかった」(中山)という神宮寺と中山。神宮寺は「僕自身余裕がなくて、日々台本と向き合ってたので、話すのは本番が始まってからにしようと思ってました」と明かすと「僕、好きなものはカレーです」と中山にアピール。中山は「それは知ってました(笑)」と答え、笑い合った。

<ストーリー>

全八編の短編戯曲から成る三島由紀夫の代表作「近代能楽集」。その中の一編「葵上」は、「源氏物語」を原典に、時代を超えても変わることのない嫉妬や欲望、情念など心の内に秘められた闇を生々しくも幻想的に描く。さらに「弱法師」は、終末観に腰を据えた青年がいかに大人の世界に復讐するかを軸に描かれ、主人公がこの世の終わりを語り、現実的なものすべてに対する敗北を表す最後のセリフが印象的な作品となっている。

最新情報は、舞台「『葵上』『弱法師』〜『近代能楽集』より〜」公式サイトまで。